1971年
散発の三安打と、また巨人を手玉にとった伊藤は、十五日の十六回戦(後楽園)につづく巨人戦連続完封勝利。「ことしで十年目になるけど、巨人戦どころか連続完封なんておぼえがない。最後まで息が抜けなかったから、心身ともにくたくたで・・・」と、いまにもグラウンドにすわり込みそうな顔だった。これで巨人戦はことしまだ1点もとられずに二十一回三分の一を無失点。「先発は四日前にいわれた。ちょっぴり緊張したけど、いざとなったら腹がすわった。カーブがよかった?いや、真っすぐですよ、七回のピンチに高田を三振にしとめたのもど真ん中の真っすぐだった」新しい巨人キラーは鼻高々だった。
伊藤に二試合連続完封でひねられた巨人バッターのなかで、ただ一人気をはいていたのが長島。この日も三打数二安打と絶好調のバッティング。打率をグンとあげ、三打数無安打の王との差を一気につめた。「いやあ、打てば打率があがるのは当たり前ですよ」とさかんに首位打者争いには煙幕。「それより伊藤がよかった。落ちる球を多投し、いいところにきまっていた」と長島は王との争いよりも、伊藤のピッチングをほめていた。
散発の三安打と、また巨人を手玉にとった伊藤は、十五日の十六回戦(後楽園)につづく巨人戦連続完封勝利。「ことしで十年目になるけど、巨人戦どころか連続完封なんておぼえがない。最後まで息が抜けなかったから、心身ともにくたくたで・・・」と、いまにもグラウンドにすわり込みそうな顔だった。これで巨人戦はことしまだ1点もとられずに二十一回三分の一を無失点。「先発は四日前にいわれた。ちょっぴり緊張したけど、いざとなったら腹がすわった。カーブがよかった?いや、真っすぐですよ、七回のピンチに高田を三振にしとめたのもど真ん中の真っすぐだった」新しい巨人キラーは鼻高々だった。
伊藤に二試合連続完封でひねられた巨人バッターのなかで、ただ一人気をはいていたのが長島。この日も三打数二安打と絶好調のバッティング。打率をグンとあげ、三打数無安打の王との差を一気につめた。「いやあ、打てば打率があがるのは当たり前ですよ」とさかんに首位打者争いには煙幕。「それより伊藤がよかった。落ちる球を多投し、いいところにきまっていた」と長島は王との争いよりも、伊藤のピッチングをほめていた。