2003年
キャンプ直前、70人目の選手契約が完了した。「新しい土地で新しいチャレンジができると思うと、身が引き締まる。ポートのコメントは、来日を20日に控えて興奮を抑え切れないといった様子だ。エンゼルスに在籍した昨年は、中継ぎとしてプレーオフ進出に貢献。だが「エンゼルスとしてはワールドシリーズを制覇し、最高の年だったと思うが自分自身にとっては前年より登板数も減り満足できる年ではなかった」と振り返る。それだけに「日本では多くの登板チャンスをもらえるように頑張りたい」とジャパニーズ・ドリーム実現に闘志を燃やす。キャンプではいきなりの激突が待っている。先に契約を完了したウィリアムスとの一騎打ちだ。星野監督は広報を通じて「抑えの経験もあるのでキャンプ、オープン戦を見て、ポートとウィリアムスのどちらかに抑えの適性があるか判断したい」と予告した。メジャーではほとんどが中継ぎ登板だったが、2000年には3Aエドモントンで12セーブを挙げるなど、抑えとしての経験もある。ウィリアムスも昨年、3Aラスベガスで6勝28Sと活躍。クローザーを任されるだけの実績は十分だ。ポート自身は「メジャーでは中継ぎ、セットアップの仕事が多かったが、先発も抑えも経験がある。監督の期待にこたえることができるよう、どんな役割でもこなしていきたい」とまずはポジションにこだわらず、調整を進めていく。「昨年、エンゼルスがワールドチャンピオンになった過程で、前半から中盤にかけてはポートがかなり活躍した。球が速いしフォークも投げられる」と星野監督。ウィリアムスとポート、ともに抑えとしての資質ありと見ている。勝利の方程式確率は、し烈な守護神争いから始まる。
ルー・ポート投手(31)が16日、佐藤義則投手コーチの指導で、投球フォームを修正。踏み出す左足を1歩広げて重心を下げることにより、球速アップを目指す。「リリースポイントが前にくる。ボールに指がかかって、勢いが出たよ」1球1球確かめながら、ブルペンで投球練習したポートは、目からうろこが落ちた様子だった。ウィリアムスに後方からフォームチェックしてもらうほどの念の入れようだ。191㌢の長身から投げ下ろす速球は、「MAX150㌔」の触れ込みだった。しかし、あくまで最速の話だと、佐藤コーチは判断する。「常時90㍄前後(144、145㌔)くらいじゃないか?試合で常に150㌔が出ないと、球速150㌔とは言わないよ」ストッパー候補として、目指すは球速5㌔アップ。今キャンプで、新球のフォーク取得にも乗り出している新助っ人は、ウィリアムスとともに17日にフリー打撃に登板。20日の紅白戦で、実戦デビューする。