今夜、わが家はカレーライスだった。
昼間の仕事から夜のバイトに直接行くので、
昨日から女房が作っていた。
むかし、遠藤賢司の歌に
「カレーライス」というのがあった。
♪ ぼくもきみもネコも
みんな好きだねカレーライス
たしか、こんなうたい出しではじまった。
おれも大好きなんです、カレーライスが。
おそらく女房も息子たちも好きです。
でも女房は、
「カレーを作った鍋や皿を洗うのがイヤだ」
といってる。
おれの子どもの頃、
ご飯のおかずが貧しかった。
家が百姓だから野菜は沢山ある。
その野菜がおれは嫌いだったからどうしょうもない。
その頃、
たまにおふくろが作ったカレーが好きだった。
カレーといっても、
おふくろのは、じゃがいもや玉葱に豚か鶏の肉を入れ、
カレー粉と小麦粉を入れただけというものだった。
今から考えると、“粗末”なカレーだった。
豚肉などがないときは、
するめイカなんかいれてた。
イカカレーなんて、
うち以外で食べたことなどない。
カレーにイカは、いかがなものか。
もっとひどいときは、
じゃがいもと玉葱だけなんてときもあった。
それでもおれは、そのカレーが好きだった。
他のおかずに比べたら、うまかったのです。
そういえば、
そのカレーにおれはソースをかけて食べていた。
味が薄かったのかな。
いったん家に帰り、
整形外科に腰のマッサージに行って帰ってきたら、
Uがいたので、「カレーあるよ」というと、
「食べた」という。
「あっためたか?」と訊くと、
「ううん」という。
わが息子ながらつくづく不精者だなと思う。
それとも冷たいのが好きなのか。
いや、夏なら分かるが、
冬に冷たいカレーはうまくないだろう。