想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

まんさくが咲いたよ

2017-04-09 12:48:09 | Weblog
(先週の日曜日、iphoneで)

森はひっそりとして ヒトひとり
雲間から照る陽射しが あたたかい。
時々 ひんやりと風が吹き
雪融けの土の匂いがする

足元のやわらかな土を踏むと
ああ春だね
誰に言うともなく 声になる





歩いていると 何も考えない
ざわざわと気忙しかったのが消えて
空っぽ 気持ちがぜんぶ消えて
目の前の木々と同じになる

木たちはまだはだかのまま
木枯らしに吹かれていたときのまま
なんにもない はだか
けれど木肌はなんだかあたたかそう

細い枝先に固く小さなつぼみをつけて
立っている




つぼみはもっと膨らみ
花弁と鍔とに分かれ
首をもたげて 歌いだし
大合唱となって
 
いっぺんに春のお祝いと
夏の始まりを告げる
その日まで あとすこし



ぷーちゃんの円墳に墜ちた椎の実
このまま陽なたぼっこして
このままここで育っておくれよ
拾わずに 置いておくから



ふきのとう 
君は 摘まれなくて
さみしいかい

野道の脇にいても 庭先に運ばれてきても
手で触れるヒトがいないから
ひょろりと伸びて やがて
大きな傘の葉っぱをつける

やがて夏の激しい雨に
誰かが蕗の葉を探して 雨宿り
そのまま そのまま 君は
きっと誰かのためになる

笑ったような顔で咲いていておくれよ
そのまま そのまま

ほんとの春が戻ってくる日のために
そこにいて 笑っていておくれ




  
 














コメント
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