想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

秋の女王 

2018-11-15 20:05:47 | Weblog



森庭の紅葉そして途中の山道も
紅葉は散ってしまって
今頃写真を載せるのもどうかと
思ったけれど、日記なので一応
今年も女王さまがお元気であったと
お知らせします。

カエデの木はいくつか種類があるけど
この女王さまが例年一番形がよく紅色も
鮮やかに染まる。水辺に根をはって
いるせいだろうか。



これは森の山道の。
先週だから女王さまを撮ってから10日後
くらいのをM君が写メでくれたもの。
日当たりや風のとおり道の具合で
木のかたちも葉の色もちがう。
ヒトの人生と同じ、なんだそうか…と思う
と、素通りせずにもういちど木を見る。



どうだんつつじ。よく染まってる。
このアカ色が好きで、縁側から正面に
見えるところに植えてもらった。
この低木の幹はちょうど犬の背丈位で
ベイビーが葉の下に潜り込み、こちらに
背を向けて用足ししてて、その背中が
あまりにかわいいので撮ったのだが、
写真を見なくても、よく思い出す。
アカと黒い毛のコントラスト。

ブログを長くみてくださっている方は
覚えておられるかもしれない。
写真にあるのだけれど、脳裏に焼き付いて
いるからここに来ると写真がなくても
思いだす真っ赤などうだんの下の
ベイビーの黒い背中。少し丸まって、
大きな背中とお尻までどっしりとして。

どの季節にも楽しい思い出があるが
この庭を歩くとき、傍らにいない
ベイビーを心の中で追いかけている。
話しかけている。



紫式部もずいぶん育った。
小さな苗木をホームセンターから
買ってきて植えたのはいつだったか。
2011から後のことは記憶が飛んで
いつなにをしたか、よく覚えていない。
2013年までの2年間はベイビーと一緒
にほとんど家の中で過ごしたし。
もう森庭の散策も止めていた。

除染が済んでも、ベイビーはいない。
ひとりでガイガーカウンターを持ち
眉間に皺寄せて歩くオバハンになった。



新顔が増えた。
季節が何度か巡った。
そして、フクシマは終わっていない。
楽園は戻らない。
家を捨てねばならなかった人もいる。
愚痴を言うのははばかられる。
さみしがるのもはばかられる。
なにもかも、じゅうぶんだと
心から言いたい、が。






コメント
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