想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

夏から秋へ 森庭の木々と

2021-09-15 10:26:48 | Weblog
森庭は夏から秋へ。
光と風と草木が季節の移ろいを教えてくれます。



下は臭木(くさぎ)、名前は臭いがすることから。
若葉は山菜として食すことができ、
鳥も好んで実を食べます。



写真をみれば過ぎた夏の日が思い出されます。
猫がニャ、ニャと話しかけながらついてくるのでおかしくて。






この夏はよく晴れた暑い日は10日ほどで、
雨の日が続き、大雨もありました。
雨に濡れて木や草の緑がいっそう美しく
眺めて飽くことがありません。
雨音も心地よく、気持ちが安まります。




大雨の日、外へ出ないで窓から、
雨に打たれて揺れる山椒。
今年は豊作だわ、と独り言。
まだ採りませんけど。


ムラサキシキブ属のコムラサキ。
やがてちょうどいいぐあいの
紫色の実をつけてくれます。



冬菩提樹がエゴノキの根元の脇から生えてきたので
他へ挿し木しました。根付くかどうか心配でしたが……
若葉が出ているのを見つけ大喜び、もちろん
その菩提樹という名に惹かれたからです。

でも冬菩提樹は印度菩提樹とは別もの、
小葉の科の木、シナノキ属です。
初夏に甘い香りのする白い花をつけます。
さわさわと花が揺れる大きな木になって
ここにいてくれますように。
想像するだけでも楽しいことです。



ヤマボウシが赤い実をつけているのが
遠目にもわかり、どれどれと近くまで
見にきました。
初夏に白い十字の花をたくさんつけ、
ついこないだ青い実に成ったのをみた
ばかりでしたが。





山萩の種があちこちに落ちて
若木が育っていたので草刈りの日に
「萩は刈らないでね」というお願いをして
刈り取らないように気をつけてもらいました。
茂った草の中にある背丈の低い萩を除けて
刈るのは面倒なことだったろうと思います。

伐採した木は丸太にして垣根の修復に使います。
枯れるままにしてある大きな根に
苔や若木が茂り天然の寄せ植えになっています。
山萩も育っていました。



草刈り中のM氏が撮ってくれた萩の写真。
木や花の名を調べながら楽しみつつの「作務」
ここでは作業を片付けることより知り、
考え、智ることが目的だから楽しみます。

細い枝に小さな丸い葉をつけ、
ピンクの可憐な花が咲いて
ひと枝だとたよりなさげだけど
ふわっと茂っている様は
あたりを明るくしてくれて
とても惹かれます。

季節がめぐって去年と同じように
また花が咲き実がなり、木々が紅葉し、
空気がしだいに冷えてくる。
このめぐりの中の小さな変化は命を
感じさせてくれる。

もう一つの変化は森の住処を破壊された
人以外の生きものたちが移動していること。
太陽光発電で広範囲に伐採された雑木林
からこの森近くへ寄ってきている。
彼らには大事件、大きな変化。
藪から鹿が飛び出してきたり、山道を
横切る黒い影がやたら大きかったり……

人間は強欲に土地を荒らしていくことを
経済発展といい、まだ気づかない。
「人新世」という地質学上の区分で、
現代は最悪の時代。
グレート・アクセラレーションは
否応なしに目に見えてわかるようになった。

熱波、大雨、大風、大雪、自然災害を
省みない無謀な開発が被害をさらに
増大させる。
それを野放しにしている行政、政治は〜
と、批判だけしていればいい時代は
ほんとうに終わった、すべての人に
切実で身近な問題となった。

森に癒やされながら、同時に
人間の罪深さを思わないわけにはいかない。

















コメント
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