ある人が昨日のベイビーの写真を見ましたよ、と言って
「さすがだなあ、大人な顔をしてると思いましたよ、わたしなんか
かなわない、さすがだ、知っている眼をしてますね~」と言うので
帰ってしげしげと見つめてみた。
ベイビーはたしかにオヤジ顔であった。
かわいいオヤジ顔をして、知ってるよという眼でわたしを見る。
知られていて安心なわたしは、うん、と眼で返した。
今日は特に疲れた。
疲れたなどと直裁に書いてつまらん話だが、実に疲れた。
嘘つきと2時間近くも話をしていたからである。
いい歳をしているのだが、少しも大人でないその人は自分の言って
いる矛盾にちっとも気づかないのであった。
自分が頭がいいと思っているのだろう。
そしてダメだと思われたくないのだろう。自慢話みたいな時代遅れの
話をしゃべるしゃべる。木に昇りつめ、てっぺんからしゃべりまくるのを。
テーブルのコーヒーにブラウンシュガーを入れ、かき混ぜ、聞いていた。
本日のわたしは実に聞き上手を演じた。そして相手の泥をすっかりと
吐かせ、上機嫌で席を立つその人はわたしにバレてることなどたぶん思いも
よらないだろうと思った。見送って、とたんに身体が重くなった。
次の仕事へ移動するのに困るほどであった。
わたしは本来嘘がつけないので、嘘つきの話など3分も聞いていられず
ツッコミ倒すタイプである。大人げない性分である。
それが2時間、相手の話をさまたげずに聞いていることができた。
なぜだろうかと思うが、一つ思い当たるのは、恥ずかしかったからである。
相手があまりにも品がないので恥ずかしくて、ただ聞いていたという事。
聞きながら少しだけ、ほんの少し聞き返すと、さらに恥ずかしいことを
バンバン垂れ流して返してくれるのである。
泥だらけのテーブルを前に、やや呆然としつつ頭は冴えて回転していた。
人の生き方はいろいろだろうが、ある一線を越えると目もあてられない
くらい醜くなってしまうのだが、越えた人はもうこちらには戻らない。
戻らないまま久しく向こう側で暮らすとケモノ臭を放っていても自分では
あら、いい匂いと思うようだ。
隣人を騙し、誹り、平気で裏切って、その隣人と飯を食い、自分が勝った
と思っている。それは人ではない、と思う。
ベイビーを大人ですね、と言った人はまだこちら側にいたいのだと
思った。大人を意識するということは、人としての生き方を考えて
いるということだから。
それにしても、ひさかたぶりにびっくりして疲れた日であった。
東京の雪にも、そして強烈な二枚舌さんにも、驚いてしまった。
その舌で舐める味は苦いと思うんだけどな。
ゆだんしているといろんな人に出会う。嗚呼、人生哉。
気晴らしにマツコと有吉を見て寝るうさこであります。
「さすがだなあ、大人な顔をしてると思いましたよ、わたしなんか
かなわない、さすがだ、知っている眼をしてますね~」と言うので
帰ってしげしげと見つめてみた。
ベイビーはたしかにオヤジ顔であった。
かわいいオヤジ顔をして、知ってるよという眼でわたしを見る。
知られていて安心なわたしは、うん、と眼で返した。
今日は特に疲れた。
疲れたなどと直裁に書いてつまらん話だが、実に疲れた。
嘘つきと2時間近くも話をしていたからである。
いい歳をしているのだが、少しも大人でないその人は自分の言って
いる矛盾にちっとも気づかないのであった。
自分が頭がいいと思っているのだろう。
そしてダメだと思われたくないのだろう。自慢話みたいな時代遅れの
話をしゃべるしゃべる。木に昇りつめ、てっぺんからしゃべりまくるのを。
テーブルのコーヒーにブラウンシュガーを入れ、かき混ぜ、聞いていた。
本日のわたしは実に聞き上手を演じた。そして相手の泥をすっかりと
吐かせ、上機嫌で席を立つその人はわたしにバレてることなどたぶん思いも
よらないだろうと思った。見送って、とたんに身体が重くなった。
次の仕事へ移動するのに困るほどであった。
わたしは本来嘘がつけないので、嘘つきの話など3分も聞いていられず
ツッコミ倒すタイプである。大人げない性分である。
それが2時間、相手の話をさまたげずに聞いていることができた。
なぜだろうかと思うが、一つ思い当たるのは、恥ずかしかったからである。
相手があまりにも品がないので恥ずかしくて、ただ聞いていたという事。
聞きながら少しだけ、ほんの少し聞き返すと、さらに恥ずかしいことを
バンバン垂れ流して返してくれるのである。
泥だらけのテーブルを前に、やや呆然としつつ頭は冴えて回転していた。
人の生き方はいろいろだろうが、ある一線を越えると目もあてられない
くらい醜くなってしまうのだが、越えた人はもうこちらには戻らない。
戻らないまま久しく向こう側で暮らすとケモノ臭を放っていても自分では
あら、いい匂いと思うようだ。
隣人を騙し、誹り、平気で裏切って、その隣人と飯を食い、自分が勝った
と思っている。それは人ではない、と思う。
ベイビーを大人ですね、と言った人はまだこちら側にいたいのだと
思った。大人を意識するということは、人としての生き方を考えて
いるということだから。
それにしても、ひさかたぶりにびっくりして疲れた日であった。
東京の雪にも、そして強烈な二枚舌さんにも、驚いてしまった。
その舌で舐める味は苦いと思うんだけどな。
ゆだんしているといろんな人に出会う。嗚呼、人生哉。
気晴らしにマツコと有吉を見て寝るうさこであります。