想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

つかのまの天国

2018-08-29 02:05:53 | Weblog
江戸ちゃんは、おどろくことに
また赤ちゃんを産んだ。
今度は5匹。匹か頭か…猫はどう
数えるのか…



模様がいまいち、だいたい三毛系
なのだが、真っ黒が一匹。
白黒が一匹、計五匹。
掌にのるくらいの大きさでヨチヨチ
している。
前の子たちがそれを面倒みている。



面倒みるといってもお乳は一緒に
競争して場所とりしている。
江戸ちゃんはなんでこんなことを
したんだろうか、誰やねん、パパは。

ジョリパパでないような気がする。
誰だろうか。あの薄茶の青年だろうか。
江戸の周りをちょろちょろしていた。
まあ、仕方が無いが、無事育って
いるので良しとしよう。
というふうにたいていの爺や婆は
孫やひ孫を見て思うのだろう。



カメ先生がせっせと酪王牛乳を2箱
買ってこられるので、そういうこと
かと。
M君も動画をとって東京の私に送って
くれたり、わたしも帰宅したら猫三昧
になってしまう。
ああ、なんてこったと抗アレルギーの
目薬を指しながら離れがたい。

生きものたちに囲まれている。
木々も野花も、虫も蛇もいる。
蝉は静かになって虫の音が盛ん。
猫の餌食になった小鳥は気の毒だが
都会の道路で轢かれた動物を見る
ような悲しみはない。

先日、知人が写真を持ってきてくれた。
裸足の子ども、汚れた服、汚れた手脚、
しかしきたなくはなかった。
子どもばかり撮っている写真家だが、
理由を聞くと、なつかれるから、と
言った。
それがわかる気がした。

その人はいかつい貌だが、澄んだ目を
している。澄んだ目は、暴力や殺戮を
たくさん見ただろう。
アフガンのゲリラ兵を撮っても、彼が
発表した兵士の写真の多くは笑ったり、
銃を下ろしくつろいでいる時のもの
だった。

数枚だけ兵士に引きずられるように
抱えられていく女の写真があった。
色のないモノクロ。
血まみれのスカートは本当はどんな
色だったか彼の目は覚えているだろう。

戦争は戦地だけで起きているわけでは
ない。いまや地上はどこも殺戮の地、
わずかに、いたいけな子どもから放射
される光だけが、救いであるように
思う。

そんなことを、猫の子を見ながら
思い出していた。
すぐに大きくなって野原で狩をし、
鋭い野生の目を持つようになる、
束の間の天国が縁側。







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「私、ひとりで死ねますか」松島如戒著

2018-08-28 16:00:20 | 
冒頭の「私、ひとりで死ねますか」
(日本法令 定価1500円+税)
というドキッとするタイトルの本が
尊敬する弁護士 清水勇男先生から
届きました。

清水先生が法律用語や法律上の専門的
知見によって本書を校閲されたご縁で
紹介して下さったのですが、ちょうど
相続に関する相談を受けていたので
さっそく開いてみました。

サブタイトルが「支える契約家族」
契約家族とはいったいどういうもの
でしょうか。
本書の注釈によると契約家族とは
「血縁家族に対する言葉で、自分自身
の生前事務、後見事務、死後事務(祭祀
主宰者指定)などの事務を委任、受任
することによって成立する、いわば
契約上の家族関係。とあります。

遺言書を公証人役場で作成して預け、
相続を執行する人を定めておくこと
ことだけでは、自分の死の準備と
後始末をするには足りないことが
いろいろあるようです。

その時がくるまでに準備しておこうと
思いながら、その時はいつくるのか
実はわかりません。
家族がいる人、信頼できる身内がいる
人も心配ないとも言えないのが現実
です。ましてや独り暮らしならば、
自分の判断能力がある段階において
さえも、入院や入所で保証人が必要
になったり自分以外の人に頼む必要
が生じることは起きるのです。

葬儀や墓地のことだけでなく、
現在の法律の下に、どんなふうに
身を処していくのか、何が必要か、
細かに書かれています。

その一つに個人情報の取扱いに
関することがあります。
クレジットカードをほとんどの人が
持っていますが、使用しなくなった
カードが不正利用されないように
しなければなりません。
また、パソコンやスマホの中にも
自分だけの秘密がたくさん入って
いるものです。
それをどう守り、あるいは処理
するのか。
このような細かな身近なことも
具体的に対応策が書かれています。

著者の松島如戒(にょかい)氏は、
NPO法人りすシステム
(任意後見・生前契約受託機関)
契約監視機関NPO日本生前契約等
決済機構。
NPO地球に恩返しの森づくり推進
機構、などを設立されています。

目次
第1章 
生前契約ってどんな人がどんな時に?
第2章
人が死ぬとこんなにたくさんの仕事
がある。パート1
第3章
人が死ぬとこんなにたくさんの仕事
がある。パート2
第4章
「家族力」の減退を支える。
第5章
「私、認知症にはならない」そんな
自信ありますか。
第6章
生前契約の理念と実務

なかほどの頁にある言葉
認知症患者 正気に戻る瞬間がある
——そのとき満たされていると
感じるケアをめざして——

日本は、いえ世界じゅうが嘘に
まみれていく昨今、正気でない人を
欺くことくらい罪だと思わない人が
介護や後見職の現場にいます。
それが悲しいかな現実です。
この、りすシステムの目指す実践は
単なる標語ではないでしょう。

これがあたりまえになる世の中を
心から願いながら自分にできる努力を
していこうと思っています。
誰しも誰かのお世話になる日が
いずれやってくる、そのことを
恐れたり案じたりしなくて済む社会を
希求していきたいですね。

NPOりすシステム
電話0120(889)443
24時間365日対応。かけ間違いの
ないようにお願いします。













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