前回エントリで行橋市長選前の感想を掲載していたが、この選挙結果が出た。
行橋市長選挙2018の開票結果速報|立候補者の予想情勢は岡田か田中が当確か
======【引用ここから】======
今回の行橋市長選の立候補者はいずれも無所属で、元市議の新人藤木巧一氏(70)=共産支持、元県議の新人岡田博利氏(70)、再選を目指す現職田中純氏(71)=自民、民進推薦=の3名です。
-----(中略)-----
投票率 45.74%
得票数 氏名
10371 藤木 巧一
6216 岡田 博利
10462 【当選】田中 純
======【引用ここまで】======
この市では、新図書館建設に反対する側から市長に対し
・市議会への請願
・住民投票条例案の市議会への提案
・市長選
と、都合3度にわたって挑んだことになる。
いずれも反対派は敗北。
図書館反対派の藤木・岡田両氏の得票数を足すと約16,000票。
市議会への請願署名数が約16,000筆とほぼ同じ。
そんな単純なものではないが、この票割れが反対派敗北を導いた要因だろう。
行橋市は、新図書館建設に向かって進んでいく。
全国的な人口減少の中で施設の維持管理費を増やす路線が確定したわけだが・・・もう知ーらないっと。どうにでもなれ。
選挙後にタラレバを言ってもしょうがないのだか、
もし次点の新人が勝っていたら、図書館建設は白紙撤回され公共施設の維持管理費は抑制されたはずだ(その代わり、福祉予算がブクブク膨らんだ可能性は高いが)。
あるいは、もし現職が大差で当選していれば、市長個人の意向を反映し、
「やりたいこと」
「やりたくないこと」
の on / off がハッキリした行政運営が行われたことだろう。
公共施設はじめ歳出は増えるが、したくない分野への支出は抑えられたはずだ。
(勝って欲しくなかったが、勝つなら大差で勝って欲しかった。)
ところが現実は、91票差である。
この僅差での現職勝利に、ある種の絶望感を覚えた。
行橋市長選 田中氏が再選 「新図書館」への批判かわす 毎日新聞2018年2月26日
======【引用ここから】======
自民、民進の他、市区長連合会や市職労など約70団体の推薦も得て、基盤を固めた。昨秋の衆院選に出馬した元経産官僚の支援を通じて仲を深めた麻生太郎副首相の2度の来援を受け、中央とのパイプも強調。
======【引用ここまで】======
現職が圧倒的有利な状況においては、政党や選挙区内の団体がこぞって推薦や支持を表明するというのは首長選挙でよく見られる光景である。
いわゆる勝ち馬への相乗りというやつである。
支援を受ける団体が増えれば増えるほど、当選後に団体から首長への頼み事が増える。
タダで支援をする団体はそう居ない。みんな代償を求めている。
民主制とは合法的な買収により代表者を決めるシステムである。
団体A「うちが取り組んでる分野にピンポイントで、補助事業を設けておくれよ」
市長「いや、それはちょっと・・・」
団体A「いやいや、やってくれなきゃ困るよ。選挙で推薦したでしょ」
市長「じゃあ、一応検討はしてみますが・・」
といったやりとりが増えるわけだ。
ただ、選挙の結果が大差での勝利ならば、
団体A「うちが取り組んでる分野にピンポイントで、補助事業を設けておくれよ」
市長「いや、それはちょっと・・・」
団体A「うちから推薦貰っておきながら断るのか!」
市長「ええぃ、無理なものは無理だ。それに、あんたの推薦が無くても当選できたよ!」
と、いざとなれば要求を跳ね除けることができる(いざとなれば、だが)。
大差であれば、市長の強いイニシアチブが発揮できる。
ところが、現実は91票差である。
団体A「うちが取り組んでる分野にピンポイントで、補助事業を設けておくれよ」
市長「いや、それはちょっと・・・」
団体A「あんたねぇ、うちの推薦が無ければどうなったか分かってる?」
市長「うぐぅ・・・分かっています、何とかします」
という場面が増えることだろう。
行政に対する団体からの「くれくれ」が通りやすくなった。
歳出拡大への圧力が非常に高くなったのである。
民主制の負の側面が、これから大きく露呈する。
高齢化で社会保障経費は有無を言わさずに上がる。
新図書館を建てて維持管理費が増える。
加えて、「相乗りにも関わらず僅差の勝利」なので各種団体への配慮から歳出圧力に逆らえない。
さぁて、どうなることやら。
行橋市長選挙2018の開票結果速報|立候補者の予想情勢は岡田か田中が当確か
======【引用ここから】======
また、以下は前回(2014年2月23日執行)の行橋市長選挙の開票結果となります。
投票率は有権者数58,384人に対して51.26%でした。
-----(中略)-----
前回2014年の市長選。
田中氏はまだ県議任期中でしたが、自民党と公明党の推薦を得て8度目の戦いに挑みます。
======【引用ここまで】======
前回(2014年)の市長選では、自公推薦ということで保守色が強かった。
今回(2018年)はどうか。
行橋市長選 田中氏が再選 「新図書館」への批判かわす 毎日新聞2018年2月26日
======【引用ここから】======
自民、民進の他、市区長連合会や市職労など約70団体の推薦も得て、基盤を固めた。
======【引用ここまで】======
ということで、民進党(まだあったの?)や市職労といった革新色の強い組織からも推薦を受けている相乗り状態。
何度も言うようだが僅差での当選であり、今まで以上に各団体への配慮が必要になる。
そう、二期目の田中市政は単純な保守色ではない。玉虫色である。
保守か革新かという二項対立は、今回の選挙結果の分析には馴染まないのではないか…というのが私の感想だ。
麻生太郎の意向があり、武田良太の意向があり、共産党の思惑があり、自治労の思惑があり、堀という変節漢の企みがあり、市議会議員達のそれぞれの狙いがあり、自治会の老人達がゴソゴソ蠢き、商店街は過去の栄光に縋り・・・
あぁ、書いてたら嫌になってきた。
行橋市長選挙2018の開票結果速報|立候補者の予想情勢は岡田か田中が当確か
======【引用ここから】======
今回の行橋市長選の立候補者はいずれも無所属で、元市議の新人藤木巧一氏(70)=共産支持、元県議の新人岡田博利氏(70)、再選を目指す現職田中純氏(71)=自民、民進推薦=の3名です。
-----(中略)-----
投票率 45.74%
得票数 氏名
10371 藤木 巧一
6216 岡田 博利
10462 【当選】田中 純
======【引用ここまで】======
この市では、新図書館建設に反対する側から市長に対し
・市議会への請願
・住民投票条例案の市議会への提案
・市長選
と、都合3度にわたって挑んだことになる。
いずれも反対派は敗北。
図書館反対派の藤木・岡田両氏の得票数を足すと約16,000票。
市議会への請願署名数が約16,000筆とほぼ同じ。
そんな単純なものではないが、この票割れが反対派敗北を導いた要因だろう。
行橋市は、新図書館建設に向かって進んでいく。
全国的な人口減少の中で施設の維持管理費を増やす路線が確定したわけだが・・・もう知ーらないっと。どうにでもなれ。
【歳出圧力に耐えられない市政の到来】
選挙後にタラレバを言ってもしょうがないのだか、
もし次点の新人が勝っていたら、図書館建設は白紙撤回され公共施設の維持管理費は抑制されたはずだ(その代わり、福祉予算がブクブク膨らんだ可能性は高いが)。
あるいは、もし現職が大差で当選していれば、市長個人の意向を反映し、
「やりたいこと」
「やりたくないこと」
の on / off がハッキリした行政運営が行われたことだろう。
公共施設はじめ歳出は増えるが、したくない分野への支出は抑えられたはずだ。
(勝って欲しくなかったが、勝つなら大差で勝って欲しかった。)
ところが現実は、91票差である。
この僅差での現職勝利に、ある種の絶望感を覚えた。
行橋市長選 田中氏が再選 「新図書館」への批判かわす 毎日新聞2018年2月26日
======【引用ここから】======
自民、民進の他、市区長連合会や市職労など約70団体の推薦も得て、基盤を固めた。昨秋の衆院選に出馬した元経産官僚の支援を通じて仲を深めた麻生太郎副首相の2度の来援を受け、中央とのパイプも強調。
======【引用ここまで】======
現職が圧倒的有利な状況においては、政党や選挙区内の団体がこぞって推薦や支持を表明するというのは首長選挙でよく見られる光景である。
いわゆる勝ち馬への相乗りというやつである。
支援を受ける団体が増えれば増えるほど、当選後に団体から首長への頼み事が増える。
タダで支援をする団体はそう居ない。みんな代償を求めている。
民主制とは合法的な買収により代表者を決めるシステムである。
団体A「うちが取り組んでる分野にピンポイントで、補助事業を設けておくれよ」
市長「いや、それはちょっと・・・」
団体A「いやいや、やってくれなきゃ困るよ。選挙で推薦したでしょ」
市長「じゃあ、一応検討はしてみますが・・」
といったやりとりが増えるわけだ。
ただ、選挙の結果が大差での勝利ならば、
団体A「うちが取り組んでる分野にピンポイントで、補助事業を設けておくれよ」
市長「いや、それはちょっと・・・」
団体A「うちから推薦貰っておきながら断るのか!」
市長「ええぃ、無理なものは無理だ。それに、あんたの推薦が無くても当選できたよ!」
と、いざとなれば要求を跳ね除けることができる(いざとなれば、だが)。
大差であれば、市長の強いイニシアチブが発揮できる。
ところが、現実は91票差である。
団体A「うちが取り組んでる分野にピンポイントで、補助事業を設けておくれよ」
市長「いや、それはちょっと・・・」
団体A「あんたねぇ、うちの推薦が無ければどうなったか分かってる?」
市長「うぐぅ・・・分かっています、何とかします」
という場面が増えることだろう。
行政に対する団体からの「くれくれ」が通りやすくなった。
歳出拡大への圧力が非常に高くなったのである。
民主制の負の側面が、これから大きく露呈する。
高齢化で社会保障経費は有無を言わさずに上がる。
新図書館を建てて維持管理費が増える。
加えて、「相乗りにも関わらず僅差の勝利」なので各種団体への配慮から歳出圧力に逆らえない。
さぁて、どうなることやら。
【保守・革新の2色塗り分けは適切か】
行橋市長選挙2018の開票結果速報|立候補者の予想情勢は岡田か田中が当確か
======【引用ここから】======
また、以下は前回(2014年2月23日執行)の行橋市長選挙の開票結果となります。
投票率は有権者数58,384人に対して51.26%でした。
-----(中略)-----
前回2014年の市長選。
田中氏はまだ県議任期中でしたが、自民党と公明党の推薦を得て8度目の戦いに挑みます。
======【引用ここまで】======
前回(2014年)の市長選では、自公推薦ということで保守色が強かった。
今回(2018年)はどうか。
行橋市長選 田中氏が再選 「新図書館」への批判かわす 毎日新聞2018年2月26日
======【引用ここから】======
自民、民進の他、市区長連合会や市職労など約70団体の推薦も得て、基盤を固めた。
======【引用ここまで】======
ということで、民進党(まだあったの?)や市職労といった革新色の強い組織からも推薦を受けている相乗り状態。
何度も言うようだが僅差での当選であり、今まで以上に各団体への配慮が必要になる。
そう、二期目の田中市政は単純な保守色ではない。玉虫色である。
保守か革新かという二項対立は、今回の選挙結果の分析には馴染まないのではないか…というのが私の感想だ。
麻生太郎の意向があり、武田良太の意向があり、共産党の思惑があり、自治労の思惑があり、堀という変節漢の企みがあり、市議会議員達のそれぞれの狙いがあり、自治会の老人達がゴソゴソ蠢き、商店街は過去の栄光に縋り・・・
あぁ、書いてたら嫌になってきた。