若年寄の遺言

リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。

今日の減税、明日の増税、令和末期の大増税

2022年10月31日 | 政治
先日、こんなニュースが飛び込んできました。

経済対策、第2次補正予算案29.1兆円程度に 異例の規模:朝日新聞デジタル 西尾邦明2022年10月27日 19時42分
======【引用ここから】======
 政府は27日、総合経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案を一般会計で29・1兆円程度とする方針を固めた。
   -----(中略)-----
 財源は21年度の剰余金や好調に推移している税収の上ぶれ分も使うが、大半を国の借金である赤字国債でまかなう。国債残高は約1千兆円あり、財政の悪化が避けられない情勢だ。
======【引用ここまで】======

「大半を赤字国債でまかなう」とありますが、割合や細かい数字が不明。
なので、補正額を29.1兆円、全額赤字国債と仮定して表にまとめてみましょう。



一般会計総額が139兆円、その約半分の68兆円の国債を発行するという、狂気を感じる数字になっています。

この数字を頭に置いたうえで、私のツイートがこちら。



私の脳内イメージを、さっきの表につなげてみましょう。
こんな感じ。



社会保障、社会保障以外、地方交付税を半分にして、コロナ関連のバラマキや補正による景気対策、物価高対策などのバラマキを全廃して、やっと、国債発行ゼロかつ7兆円くらいの減税ができるようになります。

子供世代、孫世代への負担を軽くするためには、今の社会保障や地方交付税といった様々なものを半減するくらいの険しい茨の道を避けては通れません。私はこの規模の緊縮財政が必要だと考えています。そこまでやって、やっと減税が見えてくると考えています。

これに対し噛みついてきた減税派の方がいたので、紹介します。





「バラマキの財源で減税可能」
「それを原資に減税した方が良いというのは、現実に即した常識的な議論」

だそうです。

この主張に基づいて、先ほどの表に追加してみましょう。
バラマキ補正予算は赤字国債が財源でしたから、そこを財源として据え置きにしつつバラマキ補正予算をゼロにするとこうなります。



すごいですね!!
36.7兆円の減税ができるので、消費税廃止も夢じゃない!

・・・国債の68.7兆円、どうすんの?
これが現実に即した常識的な議論?
笑わせんなよ。
このように減税の財源を国債とすることで、後日、償還費用が増税圧力となって返ってきます。
「今日の減税、明日の増税、令和末期の大増税」
です。

減税派の議論を見ていますと、甘い。
甘いと言わざるを得ません。
ちょっと無駄な歳出を見つけると、鬼の首をとったように
「またこんな無駄な事業をやっている!税金は余っている!減税だ!」
と騒ぐのですが、しかし、実際は余っていません。

バラマキの原資は国債であり、国債を積み増して無駄なことをやっているのです。まずはこの国債をどうにかしないといけません。全てのバラマキを止めると同時に、社会保障であっても半減するくらいの覚悟がないと、減税までたどり着きません。
それくらい、国債に依存した今の政府・国民の体質は厄介だということです。

「バラマキの財源で減税可能」
などという寝言は、MMTerだけにしてほしいものです。


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