「スカイ・ハイ」
原題:直搗貴龍/THE MAN FROM HONG KONG
1975年 香港 96分
■監督:
ブライアン・トレンチャード=スミス
■出演:
王羽(ジミー・ウォング)
ジョージ・レイゼンビー
レベッカ・ギリング
ロス・スパイヤーズ
洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
元彪(ユン・ピョウ)
林正英(ラム・チェンイン)
元奎(ユン・ケイ)
●あらすじ
『片腕ドラゴン』などのヒット作で“天皇巨星”と謳われた香港映画のスター、ジミー・ウォング主演作。
ジグソーによる主題歌『スカイ・ハイ』をバックにグライダーが空を飛ぶオープニングから、
ジミー・ウォングとジョージ・レーゼンビー(『女王陛下の007』)との激闘シーンまで、
圧巻のアクションの連続で魅せる!
(Amazonより)
★感想など
子供の頃からタイトルだけは知っていたけど、とうとうと言うかやっと観た。
そんなのばっかだから、これからはそういった映画から観ていこう。
DVD買って10年~15年くらい未開封とか山ほどあるからね。
さて待望の本作は、ジミーさん好きとしては抜群に面白かった!
もうジミー・ワールド全開!
順を追っていこう。
ゴールデン・ハーベスト作品ながら、いつものデンデンデンデンじゃないのはひどく珍しい。
さて開幕からオーストラリアのエアーズロックに登場するのは、悪役のサモ・ハンから。
若いし髪長いし、何より痩せてるね。
本作の武術指導も兼ねているサモ・ハンは、エアーズロック頂上付近でのアクションで魅せる。
一歩間違ったら真下に落ちて死にかねない高さで危険なアクションを繰り広げる!
続いてジミーさん登場。舞台は香港。
いきなりハングライダーで登場したオーストラリアの女性記者と知り合ったかと思いきや
次のシーンではもうベッドイン!
オーストラリアに渡って知り合ったばかりの若い白人女性ともベッドイン!
何だそのモテ設定は!
しかし功夫シーンは見ちゃイカン感じ。
大ボス役のジョージ・レイゼンビーの功夫がへなちょこなのは仕方ないとしても
ジミーさんが同じレベルなのはちょっと。。。
ねえ?
まあ知ってたけどね!
だが本作が他と違うのは、ジミーさんが現代アクションで危険なスタントをこなしていることだ。
本作のスタントは、10年後のジャッキー映画にも似た危険なアクションをこの時代に行っていることが驚きだ。
例えばビルの外の排水溝を使って1階から5階くらいまで昇る。この時サスケばりに腕だけでぶら下がって横移動とかする。
走っている車の横に飛び移ってしがみついたまま走行するとか、高層ビルの上でアクロバティックな動きをするとか
正直こんなに身体能力が高いとは思わなかった!
それくらいの凄いアクションをこなしてくれます。
後にミル・マスカラスの入場曲となる主題歌も素晴らしいが、中盤で見逃せないポイントがちらほらと。
それはブルース・リーを強烈に意識してないかいってこと!
まず当時の香港映画にしては珍しい海外ロケも、「ドラゴンへの道」のローマに対抗したのかも知れないし
中盤に敵の道場に乗り込んだ時のシーンは、ビルの一室なのに畳が敷いてあって
白い空手着を着た若いやつら数人と格闘しているシーンは
もろに「ドラゴン怒りの鉄拳」なんだが!
ちなみに言うとその道場に乗り込む時のジミーさんの服装が青いトラックスーツに見えなくもないが
これは只のジャージだろう。
さらにちらっとしか登場しない中国女性の名前が
メイ・リン!
補足するとメイ・リンとは「燃えよ!ドラゴン」でハンの島に先に潜入していた女性の名前で
ブルース・リーが初日の宴席で投げたリンゴに刺さった矢を持っていて、
それぞれにあてがわれる女性で誰がいいか聞かれた時に選んだ人のことね。
とまあブルース・リーへの対抗心が見え隠れしているが、そんなのはスパイスに過ぎず
敵と戦うと何故か血みどろになり、やたらと死者が出たりと、ジミーさんの映画になっているのが素晴らし過ぎる。
ジミーさん好きなら迷わずオススメ!