「網走番外地」
1965年 日本 92分
■監督:
石井輝男
■出演:
高倉健
南原宏治
嵐寛寿郎
待田京介
田中邦衛
丹波哲郎
●あらすじ
酷寒の地、北海道・網走刑務所で、一つの手錠で結ばれた二人の囚人。
貧農の家を飛び出し、やくざの世界に足を踏み入れて傷害事件で服役中の任侠やくざ・橘真一と、
強盗、強姦、殺人未遂、前科五犯のしたたか者・権田権三である。
雑居房でも二人はことある事に反発しあうが、そんな折、橘は権田らの脱獄計画に巻き込まれる。
追っ手の銃弾が炸裂する中、手錠という腐れ縁で繋がった橘と権田。
二人は、果てしなく続く大雪原を突き進んでゆく……。
雄大な北海道の大自然を背景に、アクション作品に定評のある石井輝男監督が、
好漢・高倉健を主演にむかえ長年温めてきた題材を遂にスクリーンに叩きつけた傑作である。
渋みのある演技陣が男たちのドラマを繰り広げ、スケールの大きなサスペンスドラマを盛り立てるなか、
高倉健が歌う哀愁に満ちた主題歌が切なく響くシリーズ第1弾。
(東映ビデオより)
★感想など
「網走番外地」と言うタイトルくらいは知っていたが、他についてはほとんど何も知らなかった事に気付いた。
監督が石井輝男なのも、主演が高倉健なのも。
内容やロケーション風景などを鑑みて白黒映画になったそうだが、
むしろ本作はモノクロ映画で良かったのではないかとさえ感じる出来栄えだった。
基本は囚人たちの話なので女性関係はほとんど登場せず、名優たちの丁々発止の演技合戦が見物。
その中でも特筆すべき役者は、やはり嵐寛寿郎だろう。
彼の中盤での演技は、物語にビシっと一本の芯を通したかのような迫力があり、流石の名演技であった。
高倉健も若々しくて恰好良く、キビキビとアクションをこなしてくれる。
脚本と言うか設定などは結構甘目な気はするが、制作年度を考えると当時はこんなもんだったのかも知れない。
さてストーリーに繋がりは全くなさそうだが、本作がシリーズ化されていたと言うのも、いかにも東映と言う感じだ。
とは言えシリーズは第18弾まで続いたらしいが、どこまで観るかは思案中である。