雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

危機宣言って効きますか?

2008-10-04 04:37:12 | カワサキ単車の昔話
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今、私が住んでいる三木市が今回、財政危機宣言「らしきもの」を発表した。
「らしきもの」とわざわざ付けたのは、そこに迫力も危機感も何の具体的な対策も、見えないからである。

それはさておいて、日本の体質は、どちらかと言うと、こういう『危機宣言』みたいなのは好きである。
何も、行政だけに限ったことではない、民間の企業でもよくある話である。




私がお世話になった川崎重工業でも幾度か経営が難しい時期があった。

大庭浩事業本部長の時代であった。
大庭さんは、その経営を立て直すべく本社から単車に『再建屋』として送り込まれたのである。
私が明石の企画を、今川重の会長をしている田崎さんがアメリカのKMCを担当していたころの話である。

川重全体が経営の危機宣言を発令をした。
当然、日本サイドの事業部では本部長がその趣旨を全員に集会で通達をした。
その『危機宣言の内容』を、大庭さんはアメリカのKMCでも従業員に英訳して発表されようとしたのである。

田崎さんから、私のところに電話があった。
『それはまずいよ。そんな日本的な危ないから頑張れなどという発想は、アメリカでは通用しないよ。そんなに危ない会社なら、早く転職しなければいかん、ということになるよ。』 なるほどと思った。

大庭さんがアメリカに来られるのはいいが、スピーチの内容は変えて欲しいということである。
いかにも彼らしい発想である。そして言い出したら、なかなか、引っ込めたりはしないのである。

大庭さんのスピーチの原稿は書き換えられたのである。
私が変えたわけではない。日本サイドでは何もせずに、何となく大庭さんに伝えて、具体的なことはアメリカに任したのである。

田崎さんは、こんな話は得意である。

もう一つ面白い話を。
カワサキのヒットシリーズで、いまも尚続いている『NINJA』と言うネーミングが就任早々の大庭さんは、伊賀者の忍者のイメージと重なって、どうも気に入らなかったようである。
この時は私も同席していたのだが、突然『気に入らん』と言い出されたのである。
それこそ怖い顔をして言い出されるものだから、どうなることかと思っていたら、
田崎さんが
『いやいやアメリカでは、忍者はそんなイメージではありません。ジェームスボンドみたいなかっこいいイメージですよ』

大庭さんは、技術博士だからちゃんと理由をはっきりして応えたら、大概のことは『NO』と言ってもOKであった。
その理由が、はっきりしなかったり、言い方に自信がなかったりすると、怖かったのである。
カワサキの『NINJA』はそんなことで生き残ったネーミングなのである。

カワサキの現役の方、この話田崎さんに聞いてみてください。
もっともっと面白く喋ってくれますよ。
ただ、時間のある時に、1時間くらい覚悟しなければならないかも。



三木市の危機宣言で、こんなカワサキの昔話を思い出した。

確かに三木市の場合も、よく考えてみると、危機の原因である市民病院の人たちや役所の人にに言うのはいいが、
そんなことを市民に向かって言ってみても、市民が何を協力すればいいのかよく解らない。
多分、協力もしないし、
そんなにあぶない市なら、早く引っ越さねばと思う人が出てくるかも知れない。


日本人は『危機宣言』が好きだけど、
それを言って、誰に何をすることを期待し、求めているのだろうか?
だんだん、日本もアメリカナイズされてきたので、よく考えねばならぬのかも知れない。






コメント
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