★川崎航空機に昭和32年(1957)入社以来、毎年時系列に自分史を綴ってきたが、74歳まで来てしまったので一端小休止することにした。
今年79歳である。
我ながらよく生きてきたと思っている。
それも何となく、自分なりに自分の意思を貫いて、ちょっと普通の方とは違った道を歩いてきたようにも思う。
そんな自分を振り返ってみて、
『私の生き方、意見』 という『カテゴリー』を新設して、纏めてみたいと思っている。
★ まず、最初に取り上げたいのが『差別化』である。
自分らしく、自分の思う通りに、流されずに独自の意見を持って、自分で考えて、人とはちょっと変わった『差別化』が生き方の基本であった。
自分自身もそうだし、会社の仕事としていろいろやった取り組みのベースは全て『徹底した差別化』だったと思う。
未だ20代の後半、広告宣伝を担当した。
電通、博報堂、特に大広の本社企画の人たちと付き合って、広告戦略の基本『差別化』を徹底して、叩き込まれたのがきっかけだったのだと思う。
当時『差別』という言葉は、同和問題などもあって一般にはよくないとされていたのだが、
マーケッテングの世界では、ほかと一味違ったレベルに『差』がナイと機能しないのである。
それを意識して創り上げる『差別化戦略』がオモシロかった。
★レース担当時代でも、後発のカワサキではあったが先発メーカーにはない独特のものを展開したし、
その直後の東北6県を担当した時も、ほかの地域とは全く別のちょっと変わった運営をした。営業を誰にも教わらずに勝手に自分なりに出来たのは、営業は全くの素人だったし、仙台事務所そのものを、自分で造ったからかも知れない
大体業界の常識というのが殆どの場合、ダメなのである。それと違ったことをする方が成功の確率は高いと思っている。
大体業界などの通例は、トップメーカーが造り上げたものが多くて、そんな方式に追随している限り、後発メーカーは競争にならないのである。
『弱者の戦略』の基礎は、『徹底した差別化』だけが機能する。
カワサキの二輪事業自体が、『差別化戦略』だった。
それを意識してやったのか?結果がそうなったのかは別として、
50ccモペット全盛時に、マッハやZを開発し、日本市場よりもアメリカ中心に、それもアメリカ人の発想による現地主義で展開した。
これはカワサキメーカーの発想ではなくて、当時を引っ張った若い『浜脇洋二さん』の発想だったことは間違いない。
浜脇さんの生き方も徹底した『差別化』ベースで、多分、浜さんも会社の仕事で『引き継ぎ』などあまりされたことはないのだと思う。
私は、入社以来仕事を引き継いだことは一切ない。
もっと極端に言えば、上司に『仕事のやり方』など教えてもらったことは一度もない、徹底した『自分流』なのである。
そんな二輪事業の創成期に生きられたのが幸運であった。今ではとても考えられないと思う。
★現役時代の半分を国内市場の担当だったのだが、
大阪時代の特約店制度、部品集中発送方式、委託から仕切り制度、後半は遊びをテーマのソフト会社など、
業界の中でも、川崎重工業の中でも、ほかの人はちょっとできない、オモシロいことばかりやって、楽しくサラリーマン生活を送ったのである。
然し、『よくよく考えてみると』
こんな私独自の『差別化戦略』は大企業の中でやっても長期的にはなかなか定着しないのである。
大企業は、大体が4年単位の順送りである。
『誰でも出来る仕組み』に確りと完成出来ればいいのだが、未完成の場合は、後任のまともな?人が処理しきれなくなるのである。
これが一般の大企業と孫さんなどのオーナー企業の差かな、と思っている。
大企業や、行政が、誰でも出来る普通の仕組みで、無難にやるのも、これも『一つの知恵』かなと思っている。
今で言えば、大阪の橋下徹さんや、武雄の樋渡啓祐さんは、完全にほかの首長さんとは『差別化』されていてオモシロいのだが、
完全にその仕組みが完成しないと、後継者が直ぐそれを潰してしまうのである。
小泉さんの郵政改革など、小泉さん、竹中さんコンビでずっとやっていたら、もっといいものに完成しているのだろうが、
そのあとは、普通の総理が引き継いだものだから、遣りきれてないのだと思う。
★いま、退職して、自由な身で
それこそ世の中にナイ、『差別化された』NPO The Good Times を展開しているのだが、
このプロジェクトを具体的に適用するときに、私が今一番注意しているのは、
『それをやる人が、永くその地位に居るかどうか?』を最優先にみているのである。
その人が出来ても、それを引き継ぐ人が出来るとは限らない。
そういいう意味では、大企業の担当者や、行政の担当者など異動のある人はアブナイのである。
だから、大丈夫そこに坐りつづけるであろうオーナーや中小企業の社長さんの方がよほどオモシロい。
私の生き方のベースにあった『差別化』
これは今後も崩す事は決してないのだが、結果的にダメだった例も多いので、
今は、それを生かした差別化を進めている。
樋渡啓祐流に言えば
『奇人変人』が、差別化には一番適しているのである。
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