今回は松戸市小金原にある『茂呂神社』周辺を調査しました
平安時代の本(延喜式神名帳)に載っているとなると松戸市内で最古となる
松戸市内で古いのは上本郷の風早神社と松戸の松戸神社で
お寺は小金の本土寺と馬橋の萬満寺が古い
テラスモールの方から
八ヶ崎の方から行くとちょっときつい坂道になります
小金原エリアは『谷津』という地形でアップダウンの激しいのが特徴
敵から守るにはいいかもしれないが平時には生活が大変そうです
高木村の村社となっているが昔は『栗ヶ沢村』ではないかと思われる
境内は鳥居が2つある細長いスタイル
小金原団地による宅地造成で主道も大分変ってしまった
『茂呂神社』とは大和国の三輪山(御諸山)をご神体としている古代神道系で
大国主を祭っています(松戸市の七福神には選ばれていない)
大和王権の支配地でもあるという証でもあります
灯篭の鹿は『奈良』のイメージもあるが、『お鹿狩り(おししかり)』も連想する
(他の山の神様の石碑もあり、山岳信仰色が強い)
狛犬は新しく新調されていました
水の出る『龍』のモチーフが破損しているのか個性的
拝殿の龍が2匹いるのは珍しく、
狛犬も右側が牙があり耳が尖っているのが特徴
松戸市内には水戸黄門と関わりのある神社仏閣が多くこの神社もその一つ
東側の隣の『七面神社』もその一つで、ここにも寄ったという言い伝えもある
しかし『延喜式神名帳』の式内社とは認めていないもよう
そして字名も『谷ツ口』と神社の名残がないのも不思議
近所には貝塚が二か所あり、高城氏が最初に建てた栗ヶ沢城もあるのに
水戸街道の方ではなくこっちなのかもピンとこない
昔は黄門様も歩くような大きい道があったのだろうか?
周辺を散策
南側に栗ヶ沢公園があり『若芝遺跡』であり貝塚跡
住居跡も確認されており『栗ヶ沢城』とも言われています
千葉氏と原氏は平家の流れの武士なので茂呂神社にはゆかりがなさそう
(千葉氏は大日如来と妙見菩薩)
その下の高城氏がのちに東葛地域の棟梁となりこのあたりも小金領になる
戦国時代の頃の話で、最後は大谷口城に移転し豊臣に天下統一された流れ
(高城氏は九州の出身とも言われている)
そこから西側の隣へ
『貝の花』公園
貝塚は縄文人が住んでいた土地
古墳は関西が多いけど、貝塚は千葉が一番多い
貝塚はゴミ捨て場ではなく神聖な場所だったとのこと
大昔の貨幣は『貝』を使っていたとなると凄い富の象徴にみえる
『小金『と『貝の花』は同じ意味あいなのかも
ここから茂呂神社は鬼門の方角にある
更にそこから北東には『万福寺』がある
これはレイラインか??
艮の方角へ移動
『栗澤山万福寺』
曹洞宗で1571年に開山
この寺が気になるのはあえて低地にあるところ
萬満寺もそうだけど後ろに高台があるのになぜ低地に建てたのか?
曹洞宗は高城氏の菩提寺として中金杉に広徳寺もあるので関連はありそう
この時代のお寺はお城のような役割は無かったのかな?
『お堂上』という字名が残っている
そこからさらに北東へ
『根木内稲荷神社』
稲荷神社なのに狛犬・・・狐さんが見当たらない
土用干しの土に『`』が付いているのも気になる
『初午』がないけど『御備社』のことかな
ネットの情報によると元は『30番神社』ではないかという
三十番神とは日蓮宗や天台宗が信仰している神(神仏習合)
近所に日蓮宗の寺がある
(さっきの『七面大明神』も日蓮宗と関連があるとのこと)
でも根木内と言ったら『根木内城』の縄張り
この辺の勢力図はどうなんだろう?
僧侶も第三の勢力だったといわれます
ここからは北西へ
細い坂を下る
『昌壽山了源寺』
日蓮宗なんだけど情報が無い
狛犬の土台の家紋が『五七桐』
赤い鳥居の階段を上がるとお堂もある
なんか違和感を感じる
一番印象深いのが『羅漢道』の石造
八体ありそれぞれ違う
七福神とも六地蔵とも違う(初めて見た)
そして鐘楼堂の屋根の家紋が『片喰』
なんだろう?千葉氏系には関連がなさそうな
ここから北西の方角に根木内城があり更に北西に本土寺がある
本土寺があるせいか松戸市内は日蓮宗が多い
室町幕府は臨済宗(萬満寺)を保護していたと言われる
当時を想像するには『神仏習合』を頭に入れておかないとならない
なぜ茂呂神社が松戸にあるのか?
大神神社(おおみわじんじゃ)は三輪山がご神体で神南備の御諸(みもろ)とも呼ばれ
『お酒』と『蛇』『兎』『糸』が関連しているといわれる
こじつけようとすれば、隣町の地名に『酒井根』があり
隣の『七面大明神社』には黄門様の『大蛇の伝説』があるということだけ
古代官道らしき名残がみあたらないし茜津驛としての候補としては弱い
市川の方からくる道筋もおかしい
流山の方では大和王権の人達が移り住んできたという言い伝えがあるが
こっちの方には大和らしき名残も見当たらない
(唯一『芝』運動公園というのが奈良の桜井市に見かけた地名)
(苦しいけど『粟殿(おおどの)』の粟が栗と間違えたか変えてたりして、殿内もある)
今回はここまで
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