ジギー・スターダストやアラジン・セインなど架空の人物を自身の分身として仕立て上げ、70年代グラム・ロックの中心人物としてブームを牽引してきたデヴィッド・ボウイ。しかし、いつの世も流行りがあればいつかは廃れる。それまでグラムのどっぷりと浸かっていた状態からいかにスマートにイメ・チェンを遂げていくのかが彼にとって重要な命題となる。
ジョージ・オーウェルの近未来小説、1984年をベースにしたコンセプト・アルバムの制作を企画したものの、残念ながら著者の遺族からその承諾を得られず結局半身半獣の姿をした自身の分身が未来を語る筋書きに変更を余儀なくされた。
そして完成したのが1974年のアルバム、Diamond Dogsだった。
(40周年記念の7インチ・ピクチャー・ディスク。ロンドン・ブーツ履いている事からまだまだグラムから足抜けできていないような。)
まだまだグラムの香りは漂っているものの、違いを出そうとそれまでのアルバム制作に貢献したミック・ロンソン率いるバック・バンド、スパイダーズ・フロム・マーズの力を借りずにアルバムを制作。グラムに別れを告げるために景気良くロックンロール演ってやる!とアルバム・タイトル曲のDiamond Dogsからアルバムはスタート。
その後のツアーに出かけると思いもよらずソウル・ミュージックにハマってしまい、翌年にはソウルとR&Bが混ざり合ったプラスチック・ソウルなる新境地のアルバム、Young Americanが完成。
ついにグラムから卒業。
めでたし、めでたし
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