私にとってRock N Roll黄金時代といえば60年代後半から70年代前半辺りですかね。
ステレオを買ってもらい洋楽にちょうどハマった頃で、シンプルなビート・バンドから、サイケ、ルーツ、ハードそしてプログレあたりに興味を示し、音楽雑誌に贔屓のバンドが新譜を出すってな広告を見つけると次はどの様なロックを聴かせてくれるのだろうと考えるたびに居ても立っても居られない感じの期待感があった。
その当時20代だったバンド・メンバー達もいつしか後期高齢者の世代となる。
同様に歳を積み重ねた私も新米オジンのステイタスが与えられ時々物忘れもあり、またかっての様に自由に飛び跳ねれた体力も消失してしまい仕方がないとはいえ少々寂しい気分となる今日この頃。
そんな時、本日ムーディー・ブルースのメンバー、Greame Edgeがつい先日鬼籍に入られたという悲しいニュースを知った。
歳をとれば誰しも避けられない訳であるが、若い頃思い入れが強かったバンドのメンバーが亡くなるとオジンの身にはこたえるね。
Greame Edgeと言えばムーディー・ブルースの設立メンバーの一人でデニー・レインらが在籍したR&B時代からドラムを叩いていた。
第二期になってバンドがプログレ系に変遷してからは、メロディーをバックに彼の詩が非常に格調高く朗読され、尖っていた時代のムーディー・ブルースの象徴的な存在だった。
アルバム、Days Of Future Passedの1曲目のThe Day Beginsに挿入されたMorning Gloryと最後の曲Nights In White Satinを締める朗読Late Lament。後者の朗読はより寂寥感を効果的に味わせる。
2枚目のアルバム、In Search Of The Lost Chordでは一曲目のDepartureという朗読の終盤で狂人の発する様な笑いに変わり、それに被さってRide My See-Sawが始まるアレンジがなんともいえない。更にThe Wordの朗読が失われたコード、OMに繋がるところも驚かせる。
また3枚目のアルバム、On The Threshold Of A DreamでもIn The BeginningとThe Dreamの2曲の詩がアルバムの重要なコンセプトに関わっている。
極め付けは、4枚目のTo Our Children’s Children’s ChildrenでのHigher And Higherではないだろうか?サターン・ロケットに搭載されたアポロ宇宙船に搭乗しあたかも宇宙に向かう様な高揚感に包まれるし、Greameのドラムスもその気持ちを鼓舞するよう叩きまくる。
Greameにとっては新しいDeaprtureかも、だけど残された人たちはLate Lamentって気分ですかね。
合掌。