CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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BOXSETって必要?、イエスのPROGENY

2015年09月19日 | PROG ROCK
助手:博士! やっと届きましたよ。2015年発売のYESのライブ盤のCDです。

博士:おおー、発売から3ヶ月以上経ってようやく到着したか。しかし、梱包しているダンボールの箱、いやに小さく感じるのじゃが。

助手:そりゃ、そうですよ。予算の関係で2枚組のハイライト盤で、さらに輸入盤ですから。3つ折りのデジパック・スタイルの簡素な外装。2枚のCDが真ん中と右側に仲良く鎮座。少し取り出しにくく、CDが割れるかと思った。


博士:14枚組のPROGENY,SEVEN SHOWS FROM 72が欲しかったのじゃが、研究所の予算がなければ仕方ないのう。早速聴いてみようではないか。

助手:あれ? この会話どっかで聞いたような。そうだ! 確か7月9日にアップしたストーンズのSTICKY FINGERの時の話と同じじゃないですか!

博士:いや~、すまんのう。初めから文章を作成すると、結構時間がかかるので、その時の出だしの文章を少し拝借して記事を書いたのじゃよ。

助手:事情はよくわかりました、じゃあ、このアルバムを考察してみましょう。

博士:最初にブックレットに記載されているプロデューサーのノートというところを読み、聴き込んでいけば、このアルバムの性格なるものがわかってくるのじゃよ。

なになに、発掘されたテープは、確かにYESSONGSのように聴こえるが、一聴したところ、音質は良くなく、曇った(濁った)感じ?、そして奇妙に聴こえたって! その原因は各トラックのドルビーのセッティングが適切でなかったことが不透明な(MURKINESS)の原因で、聴くことによって各トラックのドルビーのセッティングを調整したとなっておる。そして、コンサート会場の最前列に座った時に聴こえるような音場を再現した。

すなわち、ステージ上の各奏者の実際のポジションを考慮した上でミックスし、チューニングなどの雑音や奏者のミスなども消去されていないようじゃ。ありのままのコンサートの演奏を楽しんでもらおうと制作されたのが、PROGENY,SEVEN SHOWS FROM 72じゃと言えるのう。音圧も高く設定していないし。

助手:それでは、YESSONGSの制作の構想とはいったいどのようなものだったのですかね?

博士:こればかりは当時イエスとの共同プロデューサーだったエディー・オフォード に聞いてみなきゃわからぬが~

わしが思うには、イエスのスタジオ・アルバムは、実験的な要素を含む高度なテープの編集技術にて完成したものであるから、複雑な構成かつ長尺な曲も多く、たとえ技量の高い奏者であっても、アルバム完成後に必ず通しのリハーサルを重ねないとステージでの再演は困難じゃったろう。

普通、ライブ・アルバムと言うと、そのバンドにとっての記念品みたいな位置づけで制作されるが、イエスの場合、既発曲ながらもライブのためのリハーサルを経て演奏される曲は、スタジオ録音とは完全に別物と言えた。YESSONGSのマルチ・トラックのミックスは、実際のライブ演奏そのものではなく、各楽器の位置をやや中心よりに設定し、迫力が出るように効果的に再構成されているように聴こえるのじゃが。

つまり、ライブ・バージョンの迫力ある演奏をスタジオに持ち込み、ライブの雰囲気を少しばかり残しながら編集を加えて、ライブ録音ではあるがオリジナル・アルバムのような位置づけで仕上げたかったのではと思うんじゃ。

同じような例で、クリムゾンの“暗黒の世界”において、ライブで録音された迫力のある演奏をスタジオで編集し、ライブ録音の雰囲気を消した形で楽曲をオリジナルの新譜として発表している。

助手:PROGENYはコンサート会場の最前列に座った時に色々な角度から演奏者の音が聴こえる前方サラウンドのような音場を再現したと考えると、YESSONGSは、ステレオ編集ではあるが、音場が中心付近に設定してあり、迫力をもった音が一つの塊として、直線的にぶつかってくるように感じます。

博士:もちろん、当時の録音技術はデジタル時代の現在と比べると非常に古いものだったので、音質を向上させるためにはある程度のスタジオでの編集は必要だっただろうし、また不透明に聴こえるような音質は、当時の技術ではそう簡単に改善出来なかったのではないか? だからドルビーのセッティングをいじり回したようにも思えるのじゃが?

助手:なるほど、制作の思想からして、YESSONGSとPROGENYは別物ということですね。

博士:だから、両方持っていてもいいんじゃないだろうか? しかし、14枚組のボックスは金銭的そして時間的にもわしには無理じゃ。

演奏のアレンジがあまり変わらない中で、特に違いが良く出ている3公演程度の6枚組ボックスが出されたのであれば買いじゃがのう~ どうせフライジャル・ツアーのライブなんかも将来出そうだし。

ともかく、朝からYESSONGSとPROGENYをずっと聴き通して、疲れたよ。屁でもこいで寝るとしよう。

助手:ええ~! 博士は関西出身ですか? 

あれ?またまたどっかで聞いたセリフ。完全に手抜き。


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