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KC EARTHBOUND について

2015年12月18日 | PROG ROCK
1972年2月から3月にかけて、前作のスタジオ・アルバム、ISLANDSのメンバーでアメリカ・ツアーを行った。

そしてその年の6月、ライブ・アルバムとして纏め上げられ発売された。

このアルバムの評価については色々あり、例えばカセット・テープ・レコーダーで録音されたため、音質が良くないだとか、インプロがジャズ寄り過ぎるだとか言われているかと思えば、演奏が破壊的で非常に迫力があり、音質の悪さという欠点を吹き飛ばしていると言う人もいる。

当時のツアーのセット・リストを見ると、KCのシンボルとして外せない21ST CENTRY SCHIZOID MANを除いては、PICTURE OF A CITY、 FORMENTERA LADY、CIRKUS、LADY OF THE ROADやCADENCE AND CASCADEなど過去のアルバムからの楽曲が公演日によって入れ替わり演奏されている。

このアルバムの収録曲は、5曲でファースト・アルバムから、21ST CENTRY SCHIZOID MAN、4枚目のアルバムISLANDSからTHE SAILAR’S TALE、シングルB面のGROONと今までのKCのイメージと異なるブルージーかつワイルドなジャム・セッションとでも言えるPIOLIAとEARTHBOUND。

個人的には、PIOLIAを外し、GROONを短縮して過去のアルバムから楽曲を2-3曲追加した方が、アルバムとしてはまとまりがあったのではないかと思う。

その当時、グループはツアー終了後解散すると言われていて、ロバート・フィリップもコロシアムのジョン・ハインズマンと組んで新しいグループを立ち上げるとの噂があった。実際は、ジョン・ハインズマンとではなく、ビル・ブラッドフォードやジョン・ウェットンら新メンバーで、1973年1月から始動する。

いつも不思議に思うことは、解散するのであれば、何故ロバートは思い描く新生バンドのイメージと異なるライブ盤をわざわざ出したのか?

とは言え、私は、このアルバムをとても気に入っている。

インプロはジャズ寄りではあるが、コルトレーンの後期フリー・ジャズなんかと比べれば非常に解りやすい展開で、その中に於いてボズ・バレルのベースとイアン・ウォレスのドラムはロックしている。壊れた演奏をしているとは思えないのだが。

また、私の駄耳では、音質が多少悪くてもそれほど気にならないのである。

現在みたいに手軽にあらゆるジャンルの音楽を聴くことが出来なかった、70年代当時のリスナーは、スタジオ・アルバムISLANDSと同じメンバーで製作したとは全く思えないこのレコードをいきなり聴けば、あらゆる面でさぞかしビックリしただろうと思う。


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