英ロックバンドのTHE KINKSは、1964年10月にセルフ・タイトルでのファースト・アルバムを発表しました。1964年といえば、ビートルズが7月にA HARD DAY’S NIGHTそして12月にFOR SALESを出しており、ストーンズは4月にセカンド・アルバムを出しています。いずれのバンドも当時の流行していたビート・サウンド中心でアルバムを制作しています。
特にキンクスのリーダーであるレイ・デイビスは、ストーンズに対してライバル心があったのか、サウンドをストーンズのアルバムよりハードな仕上げ、さらに14曲中6曲を自作曲で構成するという力の入ったファースト・アルバムとなりました。その中の1曲がディストーションのかかった特徴あるエレキギターのリフで有名なYOU REALLY GOT MEです。
当時は、ビートルズが最先端をいっており、シタールや弦楽器を入れた曲、バラード系の曲、コンセプト・アルバムなど、ビートルズの出した最新のシングルやアルバムを参考に音作りが行われていたと思います。
その後ストーンズは、1968年にビートルズがホワイト・アルバムを出しバンドが分解の様相を示し始めた頃、彼らは反対にグループとして団結し、彼らの原点であったブルースに回帰することを目指します。それによって、BEGGAR’S BANQUETや LET IT BLEEDなどの名盤を世に出し最強のロック・バンドへと進化していくのです。
一方キンクスは、4人組のバンドでしたが、実体はボーカル、ギタリスト兼作詞作曲家であったレイのワンマン・バンドでした。すなわちレコード会社が却下しない限り彼のやりたいサウンドがキンクスのサウンドになってしまったのです。
革新的で、ユーモアがあり、また時には捻くれた彼の曲作りは、聴く人がついてこれるかどうかにかかっています。 専門家やキンクス・マニアには受ける内容だったのかもしれませんが、一般受けしないとバンドの存続に関わります。アルバムは不評でもシングル曲がある程度ヒットしたから、なんとかやってこれたのが実情で、1968年に出したアルバムTHE KINKS ARE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETYから以降は、英チャートに入ることはなくなりました。日本で人気がなかったのも、このような理由からだと思います。そして彼らの再ブレークは1977年のアリスタ・レーベル移籍まで待たなければなりませんでした。
このデビューアルバムには、幾らかのキンクス=レイ・デイビスらしいユーモアが見受けられます。例えば、彼らのファースト・シングルはLONG TALL SALLY(のっぽのサリー)でしたが、このアルバムではLONG TALL SHORTY(のっぽのチビ助)をいう曲をカバーしたり、BOLD HEAD WOMAN(禿げ頭の女)という曲で“禿げ頭の女に用はない、俺を惨めな気分にする”なんて歌っています。ファースト・アルバムでこれですから先が思いやられると感じるのは当然です。
レイ自身の感性を優先し次々とアルバムを出して行ったため、不人気の時代もありました。しかし前回書きましたのロックンロール・ファンタジーという曲に、“俺たちは長きにわたりバンドをやってこれた。それを続けていくことは奇跡かもしれないけど、まだまだやれると思う。”という行がありますが、実際デイビス兄弟は、1978年の歌の通りその後も長きに渡って音楽活動を続け、今現在でもキンクスの復活を目論んでいる奇跡のような人たちです。
それでは、このアルバムからYOU REALLY GOT ME とシングルで出されたALL DAY AND ALL OF THE NIGHTを聴いてください。このような才能のあるレイが周りに合わせたキャッチーな曲作りを続けたとしたら、ストーンズのような最強のバンドになるチャンスもあったかもしれません。しかし人気はストーンズに及ばないものの、好きなようにやってきて未だ現役という奇跡のような人生も彼らにとっては悪くはなかったでしょう。
The kinks- You Really Got Me
The Kinks - All Day And All Of The Night
この曲は、少し前に車のコマーシャルに使われていました。また1968年にアメリカのDOORSが出した曲がそれにそっくりだったので、レイは盗作だとクレームをつけたとのことです。
The Doors - Hello, I Love You
DOORSの曲です。
特にキンクスのリーダーであるレイ・デイビスは、ストーンズに対してライバル心があったのか、サウンドをストーンズのアルバムよりハードな仕上げ、さらに14曲中6曲を自作曲で構成するという力の入ったファースト・アルバムとなりました。その中の1曲がディストーションのかかった特徴あるエレキギターのリフで有名なYOU REALLY GOT MEです。
当時は、ビートルズが最先端をいっており、シタールや弦楽器を入れた曲、バラード系の曲、コンセプト・アルバムなど、ビートルズの出した最新のシングルやアルバムを参考に音作りが行われていたと思います。
その後ストーンズは、1968年にビートルズがホワイト・アルバムを出しバンドが分解の様相を示し始めた頃、彼らは反対にグループとして団結し、彼らの原点であったブルースに回帰することを目指します。それによって、BEGGAR’S BANQUETや LET IT BLEEDなどの名盤を世に出し最強のロック・バンドへと進化していくのです。
一方キンクスは、4人組のバンドでしたが、実体はボーカル、ギタリスト兼作詞作曲家であったレイのワンマン・バンドでした。すなわちレコード会社が却下しない限り彼のやりたいサウンドがキンクスのサウンドになってしまったのです。
革新的で、ユーモアがあり、また時には捻くれた彼の曲作りは、聴く人がついてこれるかどうかにかかっています。 専門家やキンクス・マニアには受ける内容だったのかもしれませんが、一般受けしないとバンドの存続に関わります。アルバムは不評でもシングル曲がある程度ヒットしたから、なんとかやってこれたのが実情で、1968年に出したアルバムTHE KINKS ARE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETYから以降は、英チャートに入ることはなくなりました。日本で人気がなかったのも、このような理由からだと思います。そして彼らの再ブレークは1977年のアリスタ・レーベル移籍まで待たなければなりませんでした。
このデビューアルバムには、幾らかのキンクス=レイ・デイビスらしいユーモアが見受けられます。例えば、彼らのファースト・シングルはLONG TALL SALLY(のっぽのサリー)でしたが、このアルバムではLONG TALL SHORTY(のっぽのチビ助)をいう曲をカバーしたり、BOLD HEAD WOMAN(禿げ頭の女)という曲で“禿げ頭の女に用はない、俺を惨めな気分にする”なんて歌っています。ファースト・アルバムでこれですから先が思いやられると感じるのは当然です。
レイ自身の感性を優先し次々とアルバムを出して行ったため、不人気の時代もありました。しかし前回書きましたのロックンロール・ファンタジーという曲に、“俺たちは長きにわたりバンドをやってこれた。それを続けていくことは奇跡かもしれないけど、まだまだやれると思う。”という行がありますが、実際デイビス兄弟は、1978年の歌の通りその後も長きに渡って音楽活動を続け、今現在でもキンクスの復活を目論んでいる奇跡のような人たちです。
それでは、このアルバムからYOU REALLY GOT ME とシングルで出されたALL DAY AND ALL OF THE NIGHTを聴いてください。このような才能のあるレイが周りに合わせたキャッチーな曲作りを続けたとしたら、ストーンズのような最強のバンドになるチャンスもあったかもしれません。しかし人気はストーンズに及ばないものの、好きなようにやってきて未だ現役という奇跡のような人生も彼らにとっては悪くはなかったでしょう。
The kinks- You Really Got Me
The Kinks - All Day And All Of The Night
この曲は、少し前に車のコマーシャルに使われていました。また1968年にアメリカのDOORSが出した曲がそれにそっくりだったので、レイは盗作だとクレームをつけたとのことです。
The Doors - Hello, I Love You
DOORSの曲です。
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