.ついに戦前の姿に戻る
既にご存知の方も多いと思いますが、阪神電鉄より甲子園球場の屋根(通称銀傘)を現在の内野席上部からアルプススタンド上部まで延長する旨の発表がありました。
趣旨としては、遠路から訪れる応援団の方の体調への配慮という事で、屋根を延長して日陰を作ることで、
1.少しでも熱中症で具合が悪くなる人を出さないよう日陰を作る、
2.また夏場に多い夕立の場合も逃げる場所が狭い通路しかない
これらの問題を解決するために建設を決定したものです。
←阪神電鉄のプレスリリースより引用
建設に当たっては、球場の外側に建物を建てて、そこから柱を延長して屋根を設置し、スタンド内には柱を設置しないことで、死角が発生することを防ぐとのこと。
甲子園球場は場所によっては柱・ポールによって見切れる席があるため、内野の上段の一角にグループ席を設けて、柱で見栄えが悪いけど、グループで酒盛りしてもらって、その辺の欠点を補おうという席もあるほど。今回の柱無しでの建設は、その辺の汚点を作らない意思の表れというか、昔は強度的に柱を立てないと無理だったのが、今回は技術的に可能になったということでしょう。
それと外側に建物を建てるという事なので、その建物がどういうものになるのか、まだ詳細は分かりませんが、試合の前の時間や、雨天による中断時などに観客が滞留できるスペース、フードコートのような物を作ってくれるとありがたいですね。今の通路にある売店では5回裏終了時などに大量に人が並んでごった返してしまうことや、品数も少なく「甲子園グルメ」とは名ばかりな状況です。
発表では3階に飲階売店・グッズショップのようなものができるようですが、それだけでは貧弱な感じもします。
まぁ高校野球のために整備しても、年間の大半は阪神タイガースの主催試合なので、採算性を考えないといけません。阪神ファンはドケチなので、食べ物を駅前のスーパーで買い込んで持ち込むため、ビールの売上げこそ12球団1位なのですが、フードの売上げは6位に低迷してますから、この辺の絡みは難しいと思われます。
.アレが無い
こちらはプレスリリースの2ページ目にあるアルプススタンド上屋根の完成イメージ図ですが、よく見るとアレが無いのに気付きます。
それは外野とアルプスに2基ずつあるはずの照明塔で、外野に関しては屋根が付かないので問題はありませんが、アルプス上屋に屋根が付くとなると、今ある照明の光では光線が一部遮られてしまう可能性が大きいです。
そのため、光源の処理をどうするのかが注目されます。
現在ある照明塔の下の何段かを廃止して、内野と同じく屋根の先に照明灯を付けるか、照明塔そのものをなくして屋根上の照明を強化することで解決するのか見ものですね。
予想としては、今のLEDの技術であれば、屋根の先に付けた2列の灯火で十分照らせると思うので、アルプススタンド後方の2基の照明塔については廃止になると予想しています。
照明の数を数えてみたのですが、7段×16列なので、屋根の先に設置でグランドに近くなった分、3段×32列以下でも十分賄えるような気がします。
また建物の5階・6階が観覧エリア(一部個室・詳細未定)になるということなので、東京ドームのマス席のようなのを作って1枠〇万円で販売などというのも見えてきます。まぁ私の場合は野球場へ行く目的が違いますから、そのような席には縁がないですけどw
.ブラバン・チアは守られない?
やったーアルプスにも屋根が付く!
と喜んでもいられないのが、そのカバー範囲であり、屋根によって守られるエリアは7割ということですから、残りの3割は野ざらしのままということになります。
一度でも甲子園で高校野球を見たことある人なら、試合を彩るブラスバンドやチアガールがスタンドのどこにいるのかは分かると思いますが、アルプス席の下段、つまり選手に近い前の列で応援をするわけですが、残念ながら、ここは屋根に守られない場所なんです。
それと補欠部員や保護者の方がその隣(外野寄り)に陣取りますので、この方々も守られません。
屋根の下に入るのはその後ろの中段からとなり、ブラバン・チア及び保護者の後列からとなります。
あと時間帯によっては3塁側なら朝9時頃まで、1塁側なら15時以降は日陰になると思います。3塁側は西日が射すので、夕方まで日の光を浴びる事になるので大変ですね。
ちなみにエリアの目安でいうと
オレンジ〇枠:チア・ブラバンと補欠選手のエリア
グリーン〇枠:保護者と学校関係者のエリア
水色の▢枠:一般販売の指定席エリア
それ以外の場所:団体応援バス等で募集された入場券の自由席エリア
となるので、一般販売のアルプス指定席は全席屋根の下になります。
ということで、本日から甲子園球場に出撃します!