気楽にとり(鳥&撮り)歩き

近場で身近な野鳥たちを観察しながら撮影しています。

ホタル前線 北上の旅

2021年07月20日 | その他
『ホタル前線 北上の旅』

たまたま録画したNHKのドキュメンタリー番組が心に残ったので、内容を紹介しておきます。
記事は番組のナレーションを聞き取って書いたので、表現や言葉の多くを拝借しているかと思います。
残念ながらホタルの写真は撮ったことがないので、代わりに白いホタルブクロの花を載せました。

南北に細長い日本列島には 季節の到来を告げる風情豊かな報せがあります。
つとに有名なのは「桜前線」「紅葉前線」
その中でもあまり知られていない「ホタル前線」
5月初旬の九州南部からほぼ三か月かけて8月に北海道へ北上していきます。

動物写真家・小原玲さんは、毎年 ホタル前線を追いかけて撮影の旅をしているそうです。

まだ明るいうちからホタルを探して目星をつけた場所を下見に歩く小原さん。
草の裏にじっと身を隠すホタルを見つけ出しカメラを低い位置にセットして
じっとその場に座り込んでホタルが光りだすのを待ちます。
辺りが薄暗くなってきたころ、小原さんは黒いテープでカメラの液晶画面を覆い始めました。

ホタルの撮影にはできれば人工の光は一切使いたくない
ホタルは、暗くなるのを喜ぶかのように光り出す
そんな虫に対して 光をつけるのは礼儀に反する
ホタルは暗いのを喜んでひかりだしている
そのことを最大限尊重したいと思う

この言葉に込められた小原さんの心の持ち方や行動の仕方
私も昆虫や草花、野鳥を撮影する際、折に触れ見習いたいと思いました。


小原さんは大学卒業後、報道写真家として通信社に雇われ世界中を飛び回る日々でした。
戦争や飢餓を目の当たりにして人間の憎しみや悲しみに心が押し潰され やがてシャッターが切れなくなったそうです。
小原さんの傷ついた心を救ったのは動物でした。

流氷の上でのびのび生きるアザラシの赤ちゃん
~もふもふの白い産毛にくるまれた真っ黒な丸い瞳がまっすぐにこちらを見ています。
小原さんの写真とは知らずに、十数年前、私もアザラシの赤ちゃんの写真集を夢中で眺めていたのを思い出しました。
その頃にも辛いことがあり心が疲れ切っていましたが 氷の上でコロコロと転がる白く丸々とした姿を見て笑顔になれました。

厳しい大自然に育まれた命の尊さにふれ 小原さんは環境問題にも取り組むようになったそうです。
そんなころ、出版社の依頼で訪れた宮崎でホタルの大乱舞に出会います。
もう日本には自分が感動できるような自然は残っていないと思い込んでいた小原さんでしたが、
その光景を次の世代の子供たちに伝えることが自分の仕事だと考えて 毎年ホタル前線を追う旅を続けているそうです。

◆小原玲 アザラシの赤ちゃん
https://www.youtube.com/watch?v=cwcDivVRRiU


最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント (6)
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