大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

銀河太平記・294『瀛台(えんだい)の秘密・2』

2025-04-06 07:46:40 | 小説4
・294
『瀛台(えんだい)の秘密・2』 胡盛媛中尉 




 除了有关人员以外禁止入内(関係者以外立ち入り禁止)


 どこにでもある注意書きのドアを開けると階段で、下りた先が40坪ほどの機械室。普通に空調や給水給湯の機械に緊急時のパルス発電機が並んでいて、いずれも瀛台(えんだい)の規模や機能に相応しい能力のものに見える。特にわざわざ見に来るほどのものではないような気がする。

「ああ……あちこちに日本製の機械や部品がありますねえ、これが秘密なのかもしれませんねえ?」

 殿下が指摘されるけど、耐久性と信頼性に優れている日本製はよく使われる。よく見るとドイツ製のバルブや漢明製の制御卓も見えて、統一が無いというのが情報局将校としてのわたしの感想。

「これは歴史の反映ですね。世界各国と不穏になって、和解した時に機器を入れ替えたり更新したりするんです。大統領公邸のインフラ設備に外国製を使えば信頼の証しになりますからね」

「「あ、ああ……」」

 尊宅さんは軍人でも諜報関係の人間でもないけど、見る目が的確。大統領が尊宅さんを手元に置いておくのは、単に殿下を救助した船長だとか昔の知り合いだとかだけでは無いのかもしれない。

「じつは、こっちなんです」

 ゴゴゴゴ……

 尊宅さんが制御卓の下を触ると鈍い動作音とともに制御卓が動いて、さらにもう一つ下への階段が現れた。

「「オオオオオオ( ゚Д゚)( ゚Д゚)!」」

 殿下と並んで驚いてしまった!

 そこは小さな地下鉄の駅ほどの広さと設備になっていて、じっさいにホームがある。ホームの左側は車両の格納庫で数両のパルス車両がこっちを向いて待機している。反対側を見ると、先の方がいくつも分岐していてどこやらに繋がっている様子。

「百年ほど前から整備されて、先々代の大統領が完成させたと言われています。ここからシャトルが走って北京各地に繋がっているらしいです。非常時の大統領の移動手段だといわれています」

「なるほどぉ……でも、その先の出入り口を発見されたら、逆に侵入される手段に成りませんか?」

 殿下は的確な質問をされる。

「もっともです。まあ、現状では知られている形跡は無いと閣下はおっしゃっています」

「でも、知ってしまいましたよ」

 自分の顔を指さす。

「それに、地下とは言え、パルス車両が動けば検知されてしまいますよね」

 殿下は腕を組んだ。

 百年前ならいざしらず、24世紀の今日、少々深い地下でも車両が移動すれば、わずかな振動やパルス反応で知られてしまう。

「じつは、そこがミソなんだそうです」

 尊宅さんが柱のボタンを押すと格納庫の方で小型モーターが回るような起動音がして、車両が次々に動き出し、前のホームを通過して反対側のトンネルの方に向かっていく。

 シューーー シューーー シューーー シューーー シューーー

 静かなパルス車両だけど、微弱な動力音と風を切る音はしてしまう。

 これでは軍事用の探査機でなくとも、民生用のアナライザーでも動きが知れてしまう。北京は地下鉄が発達して、各種のインフラも地下に潜っているので、設置された時は、それらに紛れて分からないだろうと思われたんだろうけど、今の技術では、そう時間も欠けずに読み取られてしまう。

「そう、そこがミソなのよ」

 声に驚いて振り返ると、大統領が折り畳み自転車を曳きながら現れた。

 
 
☆彡主な登場人物

大石 一 (おおいし いち)    扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ)    扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく)     ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる)     扶桑科学研究所博士 
加藤 恵             天狗党のメンバー  緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ)    扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆             扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ)     将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶                小姓頭
児玉元帥(児玉隆三)         地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人)          児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー 
テムジン              モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人      
森ノ宮茂仁親王           心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ               児玉元帥の副官
マーク               ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン)   銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁)          西ノ島  氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト)          西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷)           西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平             西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん)    今上陛下の妹宮の娘
劉 宏               漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華              漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉           胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく)       輸送船の船長  大統領府参与
朱 元尚 少将           ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった

※ 重要事項

扶桑政府     火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ      扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略  百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信     修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島      硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱     23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社     シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス    月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院      扶桑城啓林の奥にある祖廟
 
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千早 零式勧請戦闘姫 2040・26『ひとつ巴の姫鏡』

2025-04-05 09:42:29 | 不思議の国のアリス
千早 零式勧請戦闘姫 2040  
26『ひとつ巴の姫鏡』




 千早の部屋は倍の広さになった。


 姉の挿が嫁いだので、その襖で隔てられていた八畳間が丸々千早の部屋になったのだ。

「なんか偉くなったみたいだな(^_^;)」

 挿はもともと道具を多く持たなかったが、嫁ぐにあたって整理もしていたので、部屋に残っているものは机と本棚ぐらいのものでガランとしている。

「うん、友だちとか呼んだら、お泊り会ができるなあ……おお、こっちから見たら、あたしの部屋が上段の間っぽい。なんだかお姫さまだなあ」

『これ、ジイ。姫はこれより学校に参るゆえ、供の貞治を呼べ』

『ハハ、貞治ならば、これに控えておりまする』

『おお、そこに居ったっか。愛い奴じゃ。オホホ、八畳間は広いゆえ目に入らなかったぞよ』

『姫さまにおかれまして……は……今朝もご機嫌麗し……』

『話が遠いのぉ、近こう寄れ……もっと近こうじゃ……』

『ハハ』

「なんてね! と、いうぐらいに広いよなあ(^▽^) あれ?」

 浮かれてクルリと回ったところで小机の上に姫鏡が残されているのに気が付いた。

「おやおや、おねえちゃん、こんなの持ってたんだ……」

 姫鏡は伏せられていたが、朱の漆地に金泥でCの字が描かれている。

「え、C……?」

 神社には似つかわしくないアルファベットに惹かれて手に取る千早。

『Cではないぞよ』

「わ!?」

 ビックリして手を離してしまう千早だが、手鏡は、手放したままの状態で宙に浮き、ゆっくりと姿勢を正した。

『Cではなくて、一つ巴であるのじゃぞ』

「あ、ああ……」

 巴、あるいは巴紋は二つ巴や三つ巴が一般的で、多くの神社で神紋になっている。数は少ないが一つだけの巴紋があることを千早は思い出した。

「え、あなたも神さま?」

『そうじゃ、挿に憑いておったのだがな、いっこうに使わずじまいで嫁いでしまいおった。じゃによって、これからはそなたに憑いてやるから大事にいたせ』

「え、あ、はあ……」

『なんじゃ、不服か?』

「あ、いえいえ、そんなことは(^_^;)」

 先月からこっち、様々な神さまや妖が現われては事件が起こるので、少し身を引いてしまう千早であった。

『わしは、千早にとって大事大切を映す鏡である。ゆめゆめ疎かにするではないぞよ』

「は、はひ」

『そんなに緊張することは無い。まずは、これを見よ……』

「……あ、これは」

 鏡に映ったのは、先週、バブルの森で黒ウサギたちと戦った時の様子である。直径12センチほどの鏡なのだが、カメラワークが良くてアクションRPGのプロモを見るように劇的で面白い。

「あ、わ! おお! すごい! カッコいい!」

 戦闘シーンはたちまちのうちに終わって、辺境伯の武内館長と喋っている場面に切り替わった。


『その方、妾の姿が見えておるのか?』
『いや、その……』
『いまの黒ウサギ……フフ、その方はゴリウサギと名付けたか』
『その、これはつまり……』
『よい、その方も、この事態を憂いてのことであろう。辺境伯の二つ名も床しいぞ。いずれまた会うこともあるかもしれぬが、構えて他言は無用である。よいな』
『は、はい』
『では、さらばじゃ』


「ああ……なんか偉そうにしてる……」

 神を勧請し憑依した時、千早の意識はほとんど眠っているので、こんなに横柄な口をきいていることに少しショックな千早である。

『神は尊く偉いものであるから仕方のないことじゃ、まあ、これからの神々との付き合い方次第。今は気に留めておく程度でよい』

「……そうなの?」

『うむ』

「じゃあ、あなたのことは、巴さんと呼ぶね」

『トモエさんじゃと!?』

「ああ、だってヒトツドモエノカミってのは長いでしょ」

『ウ……まあ、よいわ』


 コトリ


 巴さんは静かに小机に着地すると姫鏡に戻って静もった。

 

 
☆・主な登場人物
  • 八乙女千早           浦安八幡神社の侍女
  • 八乙女挿(かざし)         千早の姉
  • 八乙女介麻呂          千早の祖父
  • 神産巣日神          カミムスビノカミ
  • 天宇受賣命           ウズメ 千早に宿る神々のまとめ役
  • 来栖貞治(くるすじょーじ)  千早の幼なじみ 九尾教会牧師の息子
  • 天野明里            日本で最年少の九尾市市長
  • 天野太郎            明里の兄
  • 田中            農協の営業マン
  • 先生たち          宮本(図書館司書)
  • 千早を取り巻く人たち    武内(民俗資料館館長)
  • 神々たち          スクナヒコナ タヂカラオ 巴さん
  • 妖たち           道三(金波)
  • 敵の妖           小鬼 黒ウサギ(ゴリウサギ)

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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・197『高麗山のお花見』

2025-04-04 10:55:37 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
197『高麗山のお花見』   




 やっぱりお姫さまだ!

 誰がって、ナースチャよ、ナースチャ!

「富士山と桜と湘南の海と、ついでに東京タワーも見たいかなあ(^〇^)」

 なんて無茶を言う。

 春休みは一回ぐらいたみ子や真知子、佳奈子、それにロコ、他にもMITAKAのみんな。いつもの仲間で遊びに行きたかったんだけどね。

「グッチは魔法が使えるんでしょ(^▽^)/」

 高松塚古墳に行ったことで、わたしの魔力を知っているお姫さまは簡単に言う。

「それは緊急か非常の時よ。他の子たちには秘密なんだからね」


 で、結局は情報通のロコに電話すると「あ、任せてください!」と元気な返事が返って来て、駅で待ち合せた。


「な、なんであんたが!?」

 駅の改札にはロコの他に十円男が立っていた。

「え、誘われたからさ」

「ほかのメンバーは連絡がとれなかったり旅行中だったりしましてね、高峰君が『加藤君なら空いてるぞ』って言ってくれて」

「さ、天気も上々、次の準急に乗れば十時半には着けるぞ」

 駅の無料パンフをめくって引率の先生みたく、サッサと前を行くお邪魔虫。

「もぉ」

 牛みたく唸ると、気のせいかバッグが重い。

 歩きながら確認すると、お弁当が四人前になっている。

 お弁当はタキさんが用意してくれたんだけど……ひょっとして、見越してた? それとも人数に合わせて増える魔法のお弁当?

 
 それから電車で20分、バス10分、その間待ち時間が15分。


「うわあ、注文通りだ!」

 ビックリした! 

 右を見ると平塚の街を挟んで相模湾! 左を向くと、山々の向こうにデジャブを感じる富士山が春霞にほどよく霞んでる! そして、目の前には広場を挟んで東京タワー!?

「あ、テレビ塔なんですけどね、無料で登れますし、高麗山(こまやま)の標高と合わせたら十分東京タワーの展望階の高さです」

「うんうん、なにより姿が東京タワーだわぁ(^▽^)」

 高校生というのはまだまだ中身は子どもだからね、さっそく『東京タワー』に上ってみる。

 そうそう、ここは平塚にある高麗山公園。文字通り小高い山でね、春夏秋冬を問わず訪れる者に感動と憩いを与えてくれる、神奈川県の名所……って、ここに来るまでは知らなかったんだけどね(๑´ڡ`๑)。

「天下三分の計とか思いつきそうな景色だなあ……」

 十円男はむつかしい四文字熟語で感動する。

「それ、三国志、諸葛亮孔明の名言ですねえ!」

「おお、ロコ同志は三国志が分かるんだ」

 このごろ革命とか造反有理とか言わなくなったと思ったら、そういうものをネタにしているんだ(^_^;)。

「こういうところで告白されたら素敵でしょうねえ……」

 春風に髪を弄らせながらのたまうナースチャは、これも反則ってぐらいに可愛い。

「それって、一種の吊り橋効果ですね!」

「ああ、吊り橋の上で異性に出会うとドキドキして恋と錯覚するってやつだな」

 プ( ´艸`)

「し、失礼だなあ、グッチは」

「あ、ごめんごめん」

「海と桜と富士山と……これって、お風呂屋のペンキ絵のモチーフですねえ」

「「ああ」」

 十円男といっしょに声を上げてしまう。クソ。

「なに、お風呂屋のペンキ絵って?」

「ああ、それはですね」

 ロコが大衆浴場のなんたるかと共に、ペンキ絵の素晴らしさを語る。

「……という感じで、タイルの壁面いっぱいに風景画が描いてあって、そのモチーフによく使われるんですよ」

「それは俗物の代表みたいなもので、太宰治も『まるで風呂屋のペンキ絵だ』って批判してたぞ」

「フフ、たった今『天下三分の計』って感動してたじゃないですかぁ」

「い、いや、あれはだなあ(;'∀')」

「ナースチャ、そのお風呂屋さん行ってみたい!」

「あ、いいかもですね! 探しておきますよ!」

「お、いいな!」

「賛成してくれるのはいいですけど、加藤君はいっしょには入れませんからね」

「分かってるよ、そんなこと(#''◇''#)」

 アハハハハハハ(´∀`)(ᵔᗜᵔ*) (ᵔ△ᵔ*)

 
 それから、ゆっくり満開の桜を愛でて、タキさん心づくしのお弁当をいただいて、  あれこれ語らって……青春って、やっぱ最後は語り合ってしまう。ま、しかし、こういう時の話しとか雰囲気は、それこそ吊り橋効果だからね。

 三時ごろにお尻を上げて山を下りる。

 ほんの一秒ほど時間が停まって身構えたら、桜の後ろにユリア!

 いっしゅん身構えるとすぐに姿が消える。続いてペコさんが後を追っていて、わたしが出る幕じゃなかったけど……。

 
☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • ナースチャ             アナスタシア(ニコライ二世の第四皇女)
  • ユリア               ナースチャを狙う魔法少女
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ  戦艦石見(アリヨール)  藍(アオ、高松塚の采女)    
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長) 関根(MITAKA二代目リーダー)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
 
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銀河太平記・293『瀛台(えんだい)の秘密・1』

2025-04-03 16:52:36 | 小説4
・293
『瀛台(えんだい)の秘密・1』 胡盛媛中尉 




 中南海というのは大きなかまぼこ板のような形で、その中いっぱいいっぱい元気よく『!』を書いたように海がある。

 縦棒が中海、下の丸が南海。

 あ、見覚えがある!

 そう思ったのは、この元気のいい『!』なんです。

 西之島のお岩食堂の中に従業員寮があるんですけど、友だちのハナちゃんの部屋の表札はかまぼこ板に墨で『ハナ』と書いてあるだけなんです。

「その表札に似ています!」

 そう言ってハンベの写真を見せると、殿下は愉快そうにお笑いになりました。殿下と二人で、南の亭(ちん)で寛いでいるところです。

「アハハハ、感じのいい写真ですね。表札もいいけど、このハナちゃんのドヤ顔もいい。フーちゃんとは真逆のキャラに見えるけど、これくらい離れたキャラの方が親密度が増すのかもしれませんねえ」

「ご飯もおいしいんですよ。漢明の連絡所の近くなんで、所員は、みんなここで三食お世話になってます。ほら、みんなで撮った記念写真」

「おお、日本人も漢明人もいい笑顔ですねえ(^▢^)」

「でしょでしょ」

「あの西之島戦争の後でも、こんな付き合い方ができるんですねえ……」

「国と国は戦っても、ひとりひとりは恨みなんかないですからね」

「僕は、南海がドラえもんの口に見えました」

「え、ドラえもんですか?」

「はい、南海全体が口で、瀛台がノドチンコ」

「あ、アハハハハハ(ᵔᗜᵔ*) 」

「光緒帝のように幽閉されるのはかないませんが、休暇に来るには良いところです。周囲は海で、出入りはノドチンコをぶら下げている橋一本ですからね」

「公邸ですから、大統領は半分お仕事でしょうけど」

「そうですねえ、今度も北京の雲行きを見るのが目的でしょうから」

「あ、ゲストさんも、そう思いました?」

「はい、自分のことはカイモクですが、人のことはよく分かります」

「あ……ですね」

 殿下の素性はご本人の記憶が戻るまでは触れないようにしている。

 大統領がそうおっしゃるし、むろん、わたしもそう思う。

「あ、ここにいらっしゃったんですか」

「あ、尊宅さん」

「閣下に頼まれて地下の機械室に行くんですが、いっしょに来られませんか」

「え、わたしたちもですか?」

「はい、なにか面白いものが見られるんだそうですよ」

「面白いものですか」

 殿下の方を向くと、もう腰を上げていらっしゃる。

「フフ、じゃあ、参りましょうか」

「はい」

「どうぞ、こちらです……」

 亭から主殿にもどり、三人で地下の機械室に向かった……。

 

 
☆彡主な登場人物

大石 一 (おおいし いち)    扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ)    扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく)     ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる)     扶桑科学研究所博士 
加藤 恵             天狗党のメンバー  緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ)    扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆             扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ)     将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶                小姓頭
児玉元帥(児玉隆三)         地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人)          児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー 
テムジン              モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人      
森ノ宮茂仁親王           心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ               児玉元帥の副官
マーク               ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン)   銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁)          西ノ島  氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト)          西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷)           西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平             西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん)    今上陛下の妹宮の娘
劉 宏               漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華              漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉           胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく)       輸送船の船長  大統領府参与
朱 元尚 大佐           ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった

※ 重要事項

扶桑政府     火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ      扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略  百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信     修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島      硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱     23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社     シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス    月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院      扶桑城啓林の奥にある祖廟
 




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せやさかい・改 005:御釈迦さんといっしょ 2019年4月

2025-04-02 16:03:56 | 真夏ダイアリー
(増補改訂版)
005:御釈迦さんといっしょ 




 昨日は二三年生との対面式や。


 二三年生はあたしらよりも先に体育館に集まって整列してる。

 始業式をやってたらしい。

 生徒会長のナントカさんが歓迎の挨拶。続いて新入生代表のカントカさんが書いたものを見ながら入学の挨拶。

 二人とも女子。

 たまたまなんか、伝統的に女子のできがええのんかは未知数。しかし、従姉のコトハちゃんも卒業生。

 せやさかいに、やっぱり女子のグレードが高いのんかもしれへん。

 会長のナントカさんは、メモとかは持たんと挨拶してた。アクセントは大阪弁やけど、きちんとした標準語。マイクの高さが合わへんのでマイクの高さを調整してから喋るとこなんか余裕やなあ。前髪と眼鏡でよう分からへんけど民放の女子アナみたいに存在感があった。

 ナントカさんカントカさん言うてるのんは司会の先生の発音が悪いこともあるねんけども、うちも緊張しまくってるから(^_^;)。それに、もともとものごとを一発で覚えられるほど頭ええことないし。

 それに、ちょっと他の事に気ぃとられてるせいでもある。

 あたしは、横で俯いてしもてる榊原さんに神経を遣ぅて余裕がない。

 榊原さんは、クラスで一人だけ遅刻してきた。入学早々いうこともあるんやろけど、菅井先生がめっちゃ怒った。

 入学早々やから、他の生徒の手前もあってカマしとかならあかんと思てんやろね。

「なんで、入学早々遅刻したんや!?」

「あ、あ、えと……桜が満開になってて見惚れてしまいました」

「はぁ、桜が満開? アホか!!」

 この一喝で、榊原さんは蒼白になった。

 真っ青通り越して、真っ白……

 ほんで、席に戻ってからはずっと、机に突っ伏してる。すぐ前の席なんで、榊原さんが嗚咽を噛み殺してるのがよう分かる。

「気にせんとき、榊原さん……」

 それから、対面式のいまに至るまで、うちは榊原さんに付きっ切り。

 あたしは思う。

 菅井先生は、あんなふうに怒鳴ることが似合わん先生や。入学式の事やら家庭訪問のときの先生見てたら、ほんまは人に強うなんか当たられへん人やと分かってる。

 人間似合わんことはせんほうがええ。


 半日で学校は終わり。


 帰り道は公園とかは通らへんねんけど、あちこちの家の庭とかで桜が満開。そやけど、うっかり見惚れて遅刻するほどの桜ではない……榊原さんは、どこの桜に見惚れてたんやろ?

 家の前まで来てハッとした!

 山門脇の築地塀から伸びてる植物が満開の桜や!!

 越してきてから十日にもなろうというのに、ぜんぜん気ぃつけへんかった。

 たしかに子どものころから大きな木ぃがあるのんは知ってたけど、桜やったとは知らんかった。

 新学年の始まりいうのもあって、これまで四月にお祖父ちゃんとこ来ることはなかった。まして四月八日はね……山門の脇には『灌仏会 お花まつり』の張り紙。

 そうや、今日はお釈迦さんの誕生日で、日本中のお寺で、なにかしらお祭りをやってる。

 山門を潜るとオバチャンやお婆ちゃんらのご陽気なさんざめきに溢れる。

 檀家の婦人会のみなさんが集まってバザーをやったり、お釈迦さんに甘茶をかけたりお喋りしたり。

「やあ、さくらちゃん、お帰りぃ(^▽^)」

 米屋のお婆ちゃんが若やいだ声で挨拶をしてくれる。詩ちゃんに紹介された町内の人たちも。

「こ、こんにちは(;'∀')!」

 声が上ずってしまう。なさけない。

「おかえり、さくらちゃん。このあと、さくらちゃんのお誕生会もするからね、早く着替えて出てらっしゃい」 

 おばちゃんがにこやかに宣告する。

 そうなんです! 

 四月八日はうちの誕生日でもあるんです!

 ごく小さいころは別として、誕生日は家でお祝いしてもろてた。七年前まではお父さんもおったし、お父さんがおらんようになってからはお母さんが、忙しいなかでも必ず時間をやりくりしてお祝いしてくれてた。

 その後、米屋のお婆ちゃんの発案で、本堂でお釈迦さんと並んでのお誕生会になってしもた。何十人もの檀家さんやら町内の人やらが一斉に「さくらちゃん、お誕生日おめでとう!」言うて乾杯。

「あ、ありがとう(#*´▭`*#)!」

 きちんとお礼の言葉は言えんねんけど、自分でも分かるくらい顔が赤い。正直、こんな顔は見られたない。

 嬉しいねんけど、まさか、毎年はやれへんやろねえ?



☆・・主な登場人物・・☆

酒井 さくら   この物語の主人公 安泰中学一年 
酒井 歌     さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。
酒井 諦観    さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦一    さくらの従兄 如来寺の新米坊主
酒井 詩     さくらの従姉 聖真理愛女学院高校二年生
酒井 美保    さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原留美     さくらの同級生
菅井先生     さくらの担任
春日先生     学年主任
米屋のお婆ちゃん


 

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千早 零式勧請戦闘姫 2040・25『挿の結婚式』

2025-04-02 11:57:56 | 不思議の国のアリス
千早 零式勧請戦闘姫 2040  
25『挿の結婚式』




 
 今日の千早は、挿(かざし)の結婚式で大阪のホテルに来ている。

 お寺の住職と神社の巫女の結婚なので、少しもめた。

 お寺なら仏式、神社なら神式で式を挙げるのだが、どちらにするかで微妙にもめたのだ。

 読者は、こう思われるだろう。

 新郎のお寺が仏式を主張し、新婦の神社が神式を主張して揉めたに違いない!

 事実は真逆で、お寺が神式、神社が仏式を主張していたのである。

 譲り合いというか謙譲の精神というか……新婦の父の一彦などは「じゃあ、間をとってキリスト教式で」などと提案する始末。

 さすがに「なにを考えとるか!」と祖父の介麻呂は息子を叱った。

「だって父さん、筋向いは来栖さんの教会なんだし、挿も千早も仲良くしてもらってるし(^▽^)」

 千早は――それもおもしろいかも――と思った。九尾市の市民憲章は『多様性の尊重、共に生きる喜び』なのだし、市民の人たちも筋向い同士に立っている神社と教会を千早と貞治の仲の良さにも重ね合わせて微笑ましく思っている。

 それで、介麻呂の一喝で神式に落ち着いたのが三週間前、妖たちが鳥居の前を大岩で塞いでしまった日(19『一人で掃除をしていると道三たちが戻ってきた』)だった。
 式をつかさどる神主は介麻呂の甥で岐阜八幡宮の良麻呂が、巫女は股従姉の二人がやることになって、めでたく今日の結婚式を迎えている。

 で、当の千早は悔しさ半分、安心半分で股従姉二人の巫女舞を見ている。

 二人とも挿にヒケをとらない優雅さで浦安を舞っている。ちょっと悔しくて視線を移した後姿にドキっとした。

――え、酒井さくら!?――

 新郎の従妹が声優の酒井さくらだということは知っていたが、まさか式に出ているとは思わなかった。


 正直、式場のホテルに来るまでは、先日の戦いのことで頭が一杯だった。

 
 なんとか黒ウサギをやっつけたが、まだ三匹残っている。

 ウズメもカミムスビも「しばらくは大丈夫」と言う。森の中に感じた逆鱗も戦いの後にはただの荒れた宅地に戻っているし、道三も「なんの二日や三日、道三とその郎党に任せておけ」と胸を叩いた。

 そして、式場で挿の白無垢姿にドキッとし、股従姉の神楽舞で巫女魂に火が付き、人気声優の酒井さくらに時めくとバブルの森のことはきれいに飛んでしまった千早だ。

「あの、声優の酒井さくらさんですよね」

「え?」

 思い切って声をかけた人気声優は、遠い異世界から召喚されたばかりという顔で振り返った。

「あ、あの、わたし新婦の妹で八乙女千早って言います(;'∀')」

「あ、妹さん! あ、はいぃ、人気はどうか分からへんけど、酒井さくら、新郎の出来過ぎた従妹です。この度はお姉さん、どうしようもないクソ坊主のとこにお嫁に来てもろて感謝してます。ほんまにありがとうございます。ほれ、テイ兄ちゃんもお礼言わんかいな!」

 おどけた言い回しになったかと思うと、後ろから介添えさんに付き添われて新郎新婦。

「だれが出来過ぎた従妹やねん」

「あ、アハハハ、いやあ、セーラー服のように合う妹さんや。気ぃつけなあかんよ、このクソ坊主、制服フェチやさかい」

「おいおい」

「せや、うちと千早ちゃんて似た背格好やと思わへん?」

「背格好は似てるけど、顔がぜんぜんちゃうがな。千早ちゃんは清楚系で神社の看板巫女さんやねんぞ」

「うっさい。せやぁ、これからは親戚同士。遊びに来てもらうこともあるやろし、うちの服とか送ってもらわしてええやろか、キャンペーンとかで一回袖通しただけみたいなんがけっこうあるさかい」

「ええ、いいんですか!?」

「いいわねえ、千早って私服って男の子みたいなかっこうしかしないから」

 白無垢の挿まで参加してきて盛り上がってきた。

「あのう、披露宴の方に……」

 介添えにソロリと言われ、ようやく披露宴が始まった。
 

 
☆・主な登場人物
  • 八乙女千早           浦安八幡神社の侍女
  • 八乙女挿(かざし)         千早の姉
  • 八乙女介麻呂          千早の祖父
  • 神産巣日神          カミムスビノカミ
  • 天宇受賣命           ウズメ 千早に宿る神々のまとめ役
  • 来栖貞治(くるすじょーじ)  千早の幼なじみ 九尾教会牧師の息子
  • 天野明里            日本で最年少の九尾市市長
  • 天野太郎            明里の兄
  • 田中            農協の営業マン
  • 先生たち          宮本(図書館司書)
  • 千早を取り巻く人たち    武内(民俗資料館館長)
  • 神々たち          スクナヒコナ タヂカラオ
  • 妖たち           道三(金波)
  • 敵の妖           小鬼 黒ウサギ(ゴリウサギ)
 
 
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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・196『高松塚古墳・4・釆女の青』

2025-04-01 09:20:40 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
196『高松塚古墳・4・釆女の青』   




「突然お呼び止めいたして申し訳ございません」

 小腰をかがめ、お辞儀をしながらのお詫びをされて、ちょっとアタフタ。

 青いロングスカートみたいな上に赤の上着、ベルトというか帯というか、ローウェストの腰ひもで、黒髪はバレッタで留めたみたいな感じで、両手でラクロスのスティックみたいなのを捧げ持っている。

「あ、いえ(^_^;)」

「わたくし、あの御陵(みささぎ)に眠っておられるお方に仕えております。采女の青と申します」

「え、あ……えと……(;'∀')」

 わたし一人アタフタ。ナースチャはカーテンコールのバレリーナみたいに軽く片足を引いて会釈した。

「お二方とも尋常ならざるお方とお見受けいたしました。ご身分もさることながら、そのお力……」

「いえ、ただの高校生で……」

「いえいえ、こなたさまは外つ国のやんごとなき姫君。あなたさまは、陰陽寮は時司のお方とお見受けいたしました」

 ナースチャは皇女らしくアルカイックスマイルをカマシてるけど、わたしは素性を暴露されて、いよいよアタフタ。

「あ、時司というのはただの苗字でぇ(^_^;)」

「いえいえ、わたくしも、いささかの力を持って皇子に仕える身。陰陽の道の方は分かります」

「えと、その釆女さんが、なんの御用でしょうか?」

「はい、実は、あの御陵の君は大切な宝剣と共にお眠りになっていたのですが、五百余年前に盗掘に遭って盗まれてしまいました」

「あ、そう言えば、説明に剣の金具は見つかったけど、剣そのものは発見されていないって書いてあったわ!」

 ナースチャはよく読んでる。

「はい、あの剣は百済の王子から譲られた聖剣なのです。百済滅亡の時に守り刀としてお持ちになったもので、近江の国に安住の地を頂かれた折り、この日ノ本の国を護るためにと、我が君にお譲りになられたものなのです。その元は秦の始皇帝の御物であるとか、持つ者の力に呼応して鎮護の力を発揮いたします。いわば、東洋のエクスカリバー、我が君がこの飛鳥の地に鎮もって天下の安寧を祈り守護されるには必携の品にございます」

「で……(^_^;)」

 悪い予感に胃のあたりがキリキリ、ナースチャは目をキラキラ。

「どうか取り戻してくださいませ」

「あぁ、そういうのは、ちょっと……」

「時司の君が訪れてくださったのは、神々がお設えなさってのことに違いありません、伏してお願い申し上げます。なにとぞなにとぞ……そうです、これをお渡ししなければ」

 釆女さんは、手に捧げ持っていたラクロスのスティックみたいなのを差し出した。

「え、これは?」

「如意にございます」

「ニョウイ?」

「尿意ではございません、如意でございます」

「あ、ニョイニョイ(^_^;)」

「はい、大和言葉では孫の手……」

 あ、背中を掻くやつ。

「……の形をしておりますが、力を備えた者が使えば、またとない得物になります」

「えもの?」

「中国では猿の妖怪が使っておりました」

「あ、如意棒……でも、ちょっと大きいし……(^_^;)」

 引き受けたわけじゃないし、引き受けるつもりもないし、遠回しに断る。

「いえ、普段は、このように……」

 青さんが指を動かすと如意は、たちまちニ三ミリに縮んで右の耳に入ってしまった!

 シュポ

「え、ちょ、ちょっと(;゚Д゚)!」

 たまげているうちに青さんは「それでは、よしなにぃ~~~」と声だけを残して消えてしまった。

「なんだか面白くなってきたわねぇ(^▢^)」

 ナースチャは目を輝かせ、どこかで晴天の笑い声がして、モヤモヤしながら宮之森に帰った。

 むろん瞬間移動。

 少し上手くなって、志忠屋の真ん前。ご飯をゴチになって家まで歩いて帰った。


☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • ナースチャ             アナスタシア(ニコライ二世の第四皇女)
  • ユリア               ナースチャを狙う魔法少女
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ  戦艦石見(アリヨール)  藍(アオ、高松塚の采女)    
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長) 関根(MITAKA二代目リーダー)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
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銀河太平記・292『中南海の秋』

2025-03-31 16:22:19 | 小説4
・292
『中南海の秋』 胡盛媛中尉 





「秋の空は北京が良いと思いますよ」


 サンルームでお茶をしながら見上げた空はいつの間にかひつじ雲。

 そこへ尊宅さん(牽牛の元船長の庭師)が季節の花を活けにきて、空を見上げてるわたしたちに教えてくれる。

「梅原龍三郎ね……」

 空を見上げたまま大統領が方笑窪。

「ああ、それって巻雲(けんうん)ですね」

 殿下は真っ直ぐ尊宅さんに顔を向けて笑顔で応える。記憶は戻らなくても、お行儀の良さは、さすがに皇族。

 わたしは、ウメハラリュウザブロウもケンウンも分からなくて「ハテ(^_^;)?」と間抜けな笑顔。

「巻雲は巻き毛のようになってる雲で……そう、神さまが空の雲にブラシをかけて、フーっと息を吹きかけてなびいたような感じです」

「あ、ああ……あのひつじ雲にブラシをかけたら、そんな感じですね」

「どっちも秋めいて好きですが、北京の空はどうでしょう……そう離れているわけじゃないから、多分ひつじ雲でしょうねえ」

「わたしは、意識して見たこと無いから、そのペキンシュウテンの空が見てみたいですかねえ……」

「それじゃあ、いっそ北京で秋の空を見ましょう(^▽^)」


 大統領の一声で、北京の大統領公邸に移動することになった。


 大統領の公邸は二つある。

 北京郊外の乾鎮と北京の中南海。

 中南海は北京のシンボル紫禁城の西隣。歴代皇帝や皇族の別邸があった壮大な離宮。むろん辛亥革命以来皇帝もその一族も歴史の彼方で、辛亥革命以来、政府要人の居住地区になっている。

 大統領公邸は大海の孤島に見立てた瀛台(えんだい)にあって、普通は中南海の正門である新華門から入るんだけど、今回は「北京の秋空を見る」という私的な遊びという立てつけなので、新華門とは真反対の北側の通用門から入る。

 中南海に行ってみようというのは、単に秋の空を愛でたいというだけではないことは分かっている。これでも情報局広報部の所属だからね。

 北京が不穏なんだ。

 日貨排斥運動が起こり始めていて、つい先日も三里屯で日系の店や企業が打ちこわしに遭った。政府の対応は出遅れてグズグズしている。それに業を煮やしての移動なんだ。

 だけど、大統領は正面だっては言わない。

 あくまでも「北京の秋の空が見たくなった」とスカしている。


「あ、スジ雲のことだったんですねぇ……」


 北門の駐車場で下りると、乾鎮から20キロちょっとしか離れていないのに北京の空は羊雲ではなくて、爽快なスジ雲が走っている。戦死した父は生粋の軍人で、雲や天気のことは単純にしか呼ばなかった。巻き毛になっていようがストレートだろうがスジ雲――スジ雲が出ていると、空気は冴えて冷たく戦闘には適しているけど敵にも発見されやすい――そういう理解だった。

「あ、うん、そうですね。スジ雲の方がいいですね。穏やかでいいです。巻雲は剣呑に音が似ていますからね」

 殿下は鷹揚にユーモアにしてしまわれ、大統領がクルっとこっちを向いた。

「アハハ、この勝負、フーちゃんの勝ちだね」

「え、あ、そんな勝負だなんて(;'∀')」

「あはは、ゲストさん、フーちゃんになにか奢らなきゃね」

「あ、尊宅さんまで(;'∀')」

「中南海にお店とかあるんですか?」

「ああ、南海の広場にちょっとした出店が出てますよ」

「あ、じゃあ、そこに出かけましょう!」

「いい考えですが、明日にしてはいかがですか。今からだと、護衛官の人たちも付き添わなければいけませんからね」

 尊宅さんの言葉に振り返ると、乾鎮からの護衛官に加えて中南海の衛兵たちが不動の姿勢で立ち並んでいる。

「あ、そうですね( ー`дー´)」

 わたしも軍人の端くれ、護衛や警衛のスケジュールが延びるのは困る。大統領と殿下の先に立って南海の瀛台を目指した。



☆彡主な登場人物

大石 一 (おおいし いち)    扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ)    扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく)     ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる)     扶桑科学研究所博士 
加藤 恵             天狗党のメンバー  緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ)    扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆             扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ)     将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶                小姓頭
児玉元帥(児玉隆三)         地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人)          児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー 
テムジン              モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人      
森ノ宮茂仁親王           心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ               児玉元帥の副官
マーク               ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン)   銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁)          西ノ島  氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト)          西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷)           西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平             西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん)    今上陛下の妹宮の娘
劉 宏               漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華              漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉           胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく)       輸送船の船長  大統領府参与
朱 元尚 大佐           ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった

※ 重要事項

扶桑政府     火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ      扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略  百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信     修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島      硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱     23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社     シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス    月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院      扶桑城啓林の奥にある祖廟
 



 
 

 

 

 

 
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千早 零式勧請戦闘姫 2040・24『森に踏み込む・3・辺境伯は見た』

2025-03-30 10:33:47 | 不思議の国のアリス
千早 零式勧請戦闘姫 2040  
24『森に踏み込む・3・辺境伯は見た』




 逆鱗の由来を考えていると、森の東の方で閃光が走って大小の爆裂音が轟いた。

 ピシ

 何かの破片を叩き落とす。いや、手に持った独鈷が勝手に動いて叩き落したのだ。

 独鈷のお蔭……それ以上は考えずに辺境伯は逆鱗の縁に身を伏せた。

「何かが戦っている、戻った方がいいか……ウワ!」

 ズガ! ドシュ! ズガガガガ! 

 破片が頭を掠め地面や木々に突き刺さっていく。戻るどころではない。

 ドババババ! ズチャ!

 逆鱗の向こう、木々が爆ぜたかと思うと、漆黒のゴリラが転がり込んできた!

 ゴリラは、すぐに身を立て直し、爆ぜて穴の開いた森を睨み据える。

 ゾワワワワ

 ゴリラが身震いすると漆黒の背中に垂れていた何かが二本、闘志を漲らせて立ち上がった。

――羽根……いや、耳? こいつ、兎なのか!?――

 中腰に立ち上がった姿は筋骨たくましく、キングコングを思わせる逆三角形の上半身にスケール感の合わないウサギの首が載っている。

 シュババババ ホワワン

 ウサギが穿ったトンネルを突き抜けて光をまとった何かが現れた。

 ゾワワワワ

 その瞬間、逆鱗は学校の校庭ほどの大きさに広がって、逆鱗の外側は闇になった。

 光をまとった者は巫女のようなナリをしているが、千早(巫女が舞う時に着る上着)も緋袴も何事か力を孕んで戦いでいる。天冠も挿(かざし)も電気を帯びたように震え輝き、その右手には古墳の副葬品のごとき両刃の剣を持している。

 そしてなによりも、その巫女は、ゴリラウサギと背丈を競って地上より三尺余りに浮いている。

 人ではあるまい……辺境伯は思った。

 ガオーーー!!  シャキーーン!!

 ゴリラウサギは吠え猛り、巫女は脇構えの剣に電光を走らせた。

――まるでダンジョンだ――

 子どもの頃に夢中になったRPGを思い出し、思わず両手をコントローラーを持つ構えにしてしまう辺境伯。

 グオーー! シャキ! ドッ! シャキキーーン! ドドッ! シュキーーン!

 三合打ち合うが、思った通りらちが明かない。

 シャキキーーン! ドドッ! シュキーーン! グオーー! シャキ!

 辺境伯は生きた心地も無く、独鈷を頭上に構え真言を唱えるばかリ。

 オンアビラウンケンソワカ オンアビラウンケンソワカ

 カチ カチカチカチ

 独鈷が結界を張って、土石やなにかの破片をはじき返す。

 並の老人なら、頭を抱えて震えるばかリであっただろうが、辺境伯と綽名される武内館長は独鈷を盾としながら、その様子を窺う。

 幼児の頃に見た古いアニメを思った。

 スサノオという少年がヤマタノオロチをやっつけてクシナダヒメを助けるアニメだ。オロチをやっつけるためには天翔けるアメノフチコマが必要で、そのフチコマは「瞬き一つもせずにわたしの動きを見定められるなら手伝ってやろう」と言って空を駆けた。そしてスサノオは言われた通り瞬きの一つもせずにその様を目に焼き付け、見事フチコマに跨ってオロチを退治した。

 ジャキキーーーーーーーーーン!!!

 雷が落ちたような光と轟音がしたかと思うと、ゴリウサギは漆黒の中心を断ち切られ、二つに断ち切られた体は、ほんの一秒ほど静止したあと、無数のポリゴンが結合を失ったように消滅してしまった。

 ホ

 小さな溜息をつくと、巫女はその輝きを減じ、剣は普通の剣鈴に戻っていった。

 その時、辺境伯は巫女と目が合ってしまった!

「その方、妾の姿が見えておるのか?」

「いや、その……」

「いまの黒ウサギ……フフ、その方はゴリウサギと名付けたか」

 心を読まれて、辺境伯は心臓が停まるかと思った。

「その、これはつまり……」

「よい、その方も、この事態を憂いてのことであろう。辺境伯の二つ名も床しいぞ。いずれまた会うこともあるかもしれぬが、構えて他言は無用である。よいな」

「は、はい」

「では、さらばじゃ」

 シュイン

 巫女が掻き消えると、校庭ほどに広がったダンジョンは元の逆鱗、いや、30坪の宅地に戻ってしまった。

 

 
☆・主な登場人物
  • 八乙女千早           浦安八幡神社の侍女
  • 八乙女挿(かざし)         千早の姉
  • 八乙女介麻呂          千早の祖父
  • 神産巣日神          カミムスビノカミ
  • 天宇受賣命           ウズメ 千早に宿る神々のまとめ役
  • 来栖貞治(くるすじょーじ)  千早の幼なじみ 九尾教会牧師の息子
  • 天野明里            日本で最年少の九尾市市長
  • 天野太郎            明里の兄
  • 田中            農協の営業マン
  • 先生たち          宮本(図書館司書)
  • 千早を取り巻く人たち    武内(民俗資料館館長)
  • 神々たち          スクナヒコナ タヂカラオ
  • 妖たち           道三(金波)
  • 敵の妖           小鬼 黒ウサギ(ゴリウサギ)
 
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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・195『高松塚古墳・3・現地に飛んだ!』

2025-03-29 12:04:07 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
195『高松塚古墳・3・現地に飛んだ!』   




 はああ…………(-д-;)(´Д`;) 


 ナースチャとふたりでため息をついてしまった。

 魔法で奈良の高松塚古墳に飛んだんだ。

 安倍晴天に「人間の五人や六人、念じるだけで運べるよ」と教えてもらって、エイヤ!って飛んだ。

 初めてなんで、高松塚古墳付近の地図を睨みながら飛んだんだけど、着いたのは最寄りの近鉄飛鳥駅前。

 うぉっと( ゚Д゚)! キャ(>_<)! わ(〇△〇)!  あぶねえ(><><)!

 駅前から高松塚古墳に向かう人ごみのど真ん中に出現して、ビックリされたりヒンシュクをかったり。

「「すみませーん!!」」

 取りあえず謝って、道のわきに寄ってため息をついたというわけ。

 アハハハハハ

 どこかで晴天のバカ笑いが聞こえたんだけどムシムシ!

「ごめんねぇ、まだ慣れないもんで(^_^;)」

「ううん、面白かった!」

「そか、じゃあ、気を取り直して行くかぁ」

「うん!」

 飛鳥駅から現場までは緩い坂道。緑が多いんで宮之森城址公園の本丸を目指すのに似てるんだけど、あそこは花見の時でも、こんな人ごみにはならない。
 混み方と熱気は万博に似ている感じ。

「でも、この人混みは悪くないわよ」

「そう?」

「うん、ロシアで人が行進してるって、あんまりいいイメージじゃなかったし」

 あ、そうか。ナースチャは『血の日曜日事件』の悪い思い出があるんだ……。

「明日香美人だって評判だけど、どんなだろうね(^▽^)」

 話題を変える。じっさいウキウキしてるんで、ごく自然に変えられる。

「すごいよね。新聞には6世紀のお墓だって書いてあったけど、そんなのがゴロゴロ転がってるんだものね! この先にあるのは高松塚だけじゃなくて、天武持統天皇合葬陵やら文武天皇陵、中尾山古墳とか終末期の古墳がゴロゴロしてるんだもんね。それも、駅から10分ちょっとのところだよ!」

「よく知ってるねえ(^_^;)」

「だって、なんの心配もしなくて勉強だけしてればいいんだもん」

「あ、そうだねぇ」

 ナースチャは、百年も前に家族もろとも殺されるはずだったんだ。

「日本の皇室は、高松塚古墳のころには、もう盤石だったんだよね。たしか……うん、そのころは天武天皇のちょっと後の時代だけど、その天武天皇は……すでに40代目なんだよ!」

「なに、その本は?」

 ナースチャはリュックから小さな辞書を出して確認している。

「日本史小辞典」

「あ、すごい……」

「お父さんなんて、やっと14代目だったんだよ」

「お父さ……ああ、ニコライ二世だったっけ?」

「うん、お父さんはジョージ五世と従兄弟同士でね、あ、ジョージ五世って、イギリスの王様。エリザベス女王の伯父さんでね」

「え、ナースチャってロシアの皇女でしょ?」

「うん。ヨーロッパの王室ってみんな親類同士だからね」

「ええ……ということは、エリザベス女王とナースチャは親類!?」

「そうだよ、マタイトコ? ううん、それはお父さんだし……マタイトコの娘がエリザベス女王……やだ、わたしってベスより年上なんだ!」

「アハハ……よく分からないけど、すごいよね(^_^;)」

「そういうのと関わりなく、極東で124代も続いてるんだぁ……すごいよ、日本は」

「そ、そうだね(^_^;)」

 ナースチャのハイテンションに付き合っているうちに、人の流れに載って発掘現場に着いてしまった。

「あららぁ……」

 着いてビックリ玉手箱。

 そう、浦島太郎が玉手箱にワクワクするぐらいの期待に満ちてやってきたんだけど、玉手箱……古墳の入り口はガッチリ封鎖されていた。

「空気に触れると傷んじゃうんだ、カビとか生えたりして……」

 ガッカリしながらも、ナースチャは納得。

 魔法でビュンと飛んできただけだけど、わたしは、お昼に美味しいものでも食べなきゃおさまらないよ。

「ね、見て……」

 ナースチャが横腹をつつく。

「ん?」

 古墳の横には発掘の状況やら石室の中の様子やらがパネルになって掲示されている。

 へえーー ほぉぉー なるほどぉー なになにぃ そうかぁ フムフムぅ

 老若男女の見学者が合格発表を見る受験生みたいに真剣に読んでは、石室の封印や古墳の全貌を窺って感心している。細かい説明を読んでる余裕はないけど、石室に描かれていた壁画の写しは興味深いよ。

 四神の玄武・青龍・白虎や人物像は自分の知っている日本画とは全然印象が違って素直に「ほぉ」と声が出たよ。ま、思えば、新聞、いや、スマホでググれば、もっと鮮明なのが観れるんだけどね。

 それに、周囲の見学者さんたちの感動が伝染してるのが半分だと思う。

 まあ万博と同じだ。月の石なんて、目の前で「はい、月の石」なんて出されても感動なんかしない。あれだけのシュチエーションと万博ってグレード、そんで、あの待ち時間と人混みだから思うんだろうね。

 令和人間には微妙なんだけど、昭和に通うようになってまる二年。こういう昭和の感受性は、ちょっと生意気だけどかわいいと思ってしまう。

「うん……やっぱり感動だねえ……ここには1300年の歴史が息づいてるんだ……」

 ナースチャは行儀がいい。人の感動を斜め上から評論するようなことはしない。たったいま「かわいい」なんて思ったことは、ちょっと封印。

 すごいねぇ……すごいねぇ……と他の見学者さんと同じように呟きながら古墳を一周。

 帰り道を見下ろすと、来た時よりもすごい人波が押し寄せてくる。

「人酔いするねぇ、ちょっと脇道通っていこうか」

「うん……ねえ、あの人物像気づいた?」

「え、ああ、ちょっと日本画とはタッチが違うかなあ……それと、衣装が予想してたのと違ったかなあ」

 ゆったりというか、モッサリしてるというか、フワっとルーズで腰ひも的なのも思い切りローウェストだし。

「うん、それもそうだけど、着物の打合せが逆だった」

「え?」

「左前」

「そうだった?」

「うん、洋服と同じだからアレって思った」

「ナースチャ鋭ぉい~」

「ううん、ずっと洋服の生活してたからね」

「あ、そうか」

 納得しかけて、わたしだって洋服ばっかの生活……なんだけど、言い返さないで、別の事を言う。

「左前っていうと、日本じゃ幽霊の証拠なんだよぉ」

「ええ、そうなの( ゚Д゚)!?」

「うん」

「ていうことは、あの女の人たちは幽霊!?」

「ということになるかなあ」

「うわぁ怖い~」

 馬鹿を言いながら、いつのまにか林の中に踏み込んでしまう。

 すると、後ろから「もうし……」と声がした。

「「え?」」

 振り返ると、あの人物像にそっくりな女の人が怪しい笑顔で立っていた。



☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • ナースチャ             アナスタシア(ニコライ二世の第四皇女)
  • ユリア               ナースチャを狙う魔法少女
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ  戦艦石見(アリヨール)     
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長) 関根(MITAKA二代目リーダー)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
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銀河太平記・291『中南海の出店』

2025-03-28 10:34:56 | 小説4
・291
『中南海の出店』 ツナカン 




 牽牛の船長は殿下らしい人物を保護したあと急に引退、その後は大統領の庭師になったってところまで突き止めたっス。

 その大統領の住まいの一つが中南海にあるっス。

 中南海ってのは紫禁城の西隣に高さ6メートルの壁で囲われた特別な地域で、漢明政府のエライサンたちの官舎があるところっス。日本で言うと永田町、イギリスのホワイトホール、火星なら扶桑城の丸の内ってところっス。

「「うわぁ~~~~~~( ゚Д゚)」」

 小梅ネーサンとふたり、盛大にため息をついたっス。

「いやあ、地図でしか知らなかったからねえ、現場で見るとブッタマゲるねえ~」

 八尾さんから譲り受けた営業パスで中南海の正門である新華門を潜ったところっス。

 二百三(アルバイサン)のマスターが「うちもイッチョカミさせろ」ってのを条件に小梅ネーサンを貸してくれたっス。

 ファンシーグッズっていうのは昔の百均と似たようなところがあって、なんでも扱えるっス。

 政府のお役人たちは大小さまざま、ピンからキリまで賄賂を使うっス。

 劉宏大統領は就任にあたって賄賂を禁止したっス。でも、完全に禁止にすると『袖の下』って言葉通りに隠れてコソコソになるっス。

 そこで、上限20元として挨拶代わりにグッズをやりとりすることを勧めたっス。政府施設に社会見学に来る子供たちに配るアメチャンやカード、役人同士や出入りの業者なんかが挨拶代わりに使うっス。

 半期に一回コンテストがあって、そこで金賞を取ると一般からの注文も増えて商売繁盛ってわけっス。

 うちも……って、営業所が打ちこわしに遭うまでは、三国志カードとかアイデア文具とかで食い込んで居たっス。ついこないだは、中南海でもシマイルサイダーを置いてもらえるようになって順調だったっス。

 で、まあ、中南海に乗り込んで、ボチボチと殿下の消息……とりあえずは引退した牽牛の船長と渡りをつけることを目標に乗り込んだっス。

「ふわぁ~……なんかのシャレかと思ったけど、ほんとに、これは海だねえ……」

 乗ってきた軽から下りて、小梅ネーサンはもう一発溜息っス。

「これが南海だろぉ……ここだけで、うちの町が収まっちゃうよ……この向こうに中海、そのまた向こうに北海……途方もないねえ」

「故宮よりも広いっスからねぇ、ざっとディズニーランド二個分っス」

「あの島は?」

「ああ、瀛台(えいだい) っス。昔々は皇帝の休憩所だったっスけど、涼しいのは見かけだけなんで、後にはエライサンたちが罪を得て幽閉されたところっス。この三つの海はドデカイっスけど、みんな人工の水溜まりっス。ここを掘った土は紫禁城の北の方に積まれて今の景山になったっス」

「そうなんだぁ……景山は子どもの頃遊びに行ったけど知らなかったよ……てか、猫猫、漢明人より詳しいじゃん」

「え、あ、北京で営業やるんで、いろいろ勉強したっス(^_^;)」

「そうなんだぁ、猫猫って一見パープリンだけど、すごいんだねえ!」

「アハハ、シマイルカンパニーの北京営業所長っスからね、たった一人だけど」

「ほんと、偉いよ、支社長さんもみんな撤退していったのにねぇ……さ、じゃあ店開きしようか!」

「はい、お願いするっス!」

 軽を南海横の広場にまわし、ほかの移動ショップに混じって営業開始。『姉妹公司』の看板を揚げて営業を開始したっス。



☆彡主な登場人物

大石 一 (おおいし いち)    扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ)    扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく)     ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる)     扶桑科学研究所博士 
加藤 恵             天狗党のメンバー  緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ)    扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆             扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ)     将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶                小姓頭
児玉元帥(児玉隆三)         地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人)          児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー 
テムジン              モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人      
森ノ宮茂仁親王           心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ               児玉元帥の副官
マーク               ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン)   銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁)          西ノ島  氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト)          西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷)           西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平             西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん)    今上陛下の妹宮の娘
劉 宏               漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華              漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉           胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく)       輸送船の船長  大統領府参与
朱 元尚 大佐           ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった

※ 重要事項

扶桑政府     火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ      扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略  百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信     修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島      硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱     23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社     シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス    月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院      扶桑城啓林の奥にある祖廟
 
 
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千早 零式勧請戦闘姫 2040・23『森に踏み込む・2・黒ウサギ』

2025-03-27 16:10:45 | 不思議の国のアリス
千早 零式勧請戦闘姫 2040  
23『森に踏み込む・2・黒ウサギ』




 戦闘姫は勧請したウズメの姿で浮いている。

 これまでとは違って千早の意識は半ば眠っている。勧請の回数が増え神憑りが深くなってきているのだ。

 そして時間は停まっている。

 時間の停まった森を校舎の屋上ほどの高さで動くのだが、この高さで窺う限り森に異変は感じない。

「あの時は鬼退治にかまけて、ろくに見られていなかったが……外から見る限りは当たり前の森、妖気は隠しようもないが鬼も妖の姿も見えぬ……ならば潜ってみるか」

 ウズメは地上50センチほどに降りると、地表の凹凸をなぞるように進んでいく。草や蔦などはすり抜けていくが木々は躱して進む。木々は生き物としての密度が高く、すり抜けようとすると人が水の中を進むように抵抗が大きくなるのだ。

「……ン?」

 数分進むと、その草や蔦が微妙にまといつく。妖気が強くなり、それが草や蔦を強く(こわく)しているようだ。

「そろそろだな……」

 右手を脇構えに持っていくと、その手に巫女扇が現れた。

 シュリン

 一振りすると、前方5メートルほどの草がなぎ倒される。

 シュリン! シュリン!

 二振りすると草と共に「ギエ」っと鳥を締めたような声が上がる。

 扇の威力が遠巻きに様子を窺っていた小鬼たちにまで届き、首や手足を刈り取ってしまうのだ。

 グギギギ……グギギ……ググ…………グガァ!!

 堪りかねた小鬼たちが一斉に飛びかかってくる!

 シュワーーン

 放たれた風船ほどの速度で上昇するウズメ。それに釣られて小鬼たちも昇ってくる。しかし、その速度はウズメの速度には足らず、校舎の屋上ほどに上がった時には一階分の差が付いている。

 ブン!

 脇構えのまま旋回すると、小鬼たち数百匹の核が瞬時に両断された! 

 その瞬間、小鬼たちはスパークして、あたかもウズメの真下で光の傘を開いたように見えた。

「すこし零れたか……」

 わずかに残った小鬼たちは青い光の尾を曳きながら森の奥に逃げ散っていく。

「おお、見えるわ……」

 ついさっきまで、その高さからでは森の奥を見晴るかすことはできなかった。どうやら、森の様子を隠すのは子鬼どもの役割だったと見える。

 今の一撃で大半が討ち取られ、残った小鬼たちは肝をつぶして、森の様子を隠すどころでは無くなったのだ。

 数秒見ていると、その光は狼狽えて走りながらも森の四カ所に突き進んで消えた。

 チ

 微かな舌打ちが聞こえた。

「いや、何者かが隠したな」

 ウズメには分かった。小鬼たちを束ねる妖が四匹、それが、ウカウカと逃げ戻った小鬼たちの不手際に舌打ちしながらも隠したのだ。

 チ チ チ

 続いて舌打ちが三つ。

「小賢しい、それで、ウズメの注意を逸らしたつもりかあ!」

 ブリュン!

 上空で一旋すると扇は剣に変じ、その勢いのまま急降下して舌打ちの一つに切りかかる!

 セイッ! バビュッ!

 小気味いい手応えと共に芭蕉の葉ほどウサ耳が宙に舞った。

「くそ、大事なウサ耳を!」

 両耳の上半分を失った黒ウサギが舞い上がり、ブルンと両腕を振ると両手に剣を持った化物に変じた。

 グルリ……

 半円を描くようにして剣で失った両耳を補うように頭上に構えると、たちまち残った両耳は鋭い剣に変じた。双腕は頭上で交差したかと思うと、その双剣の輝きを増して、都合四つになった剣を構えて突きかかる勢いを見せた。

「なるほど……ッ!」

 黒ウサギがタメを構えた瞬間、ウズメは無言でトンボを切って背後に迫っていた別の黒ウサギを両断した!

 ピョーン!

 ウサギらしい悲鳴を上げてその黒ウサギが消滅。

 返す刀で正面の黒ウサギを仕留めようとするウズメ!

 すると残った二匹が正面のウサギを庇うようにして森の中をジグザグに飛んで逃げていく。

「逃がすか!」

 剣を構え直すと、ウズメは全速力で三匹の黒ウサギを追った……。

 

 
☆・主な登場人物
  • 八乙女千早           浦安八幡神社の侍女
  • 八乙女挿(かざし)         千早の姉
  • 八乙女介麻呂          千早の祖父
  • 神産巣日神          カミムスビノカミ
  • 天宇受賣命           ウズメ 千早に宿る神々のまとめ役
  • 来栖貞治(くるすじょーじ)  千早の幼なじみ 九尾教会牧師の息子
  • 天野明里            日本で最年少の九尾市市長
  • 天野太郎            明里の兄
  • 田中            農協の営業マン
  • 先生たち          宮本(図書館司書)
  • 千早を取り巻く人たち    武内(民俗資料館館長)
  • 神々たち          スクナヒコナ タヂカラオ
  • 妖たち           道三(金波)
  • 敵の妖           小鬼 黒ウサギ
 
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せやさかい・改 004:突然の家庭訪問とご近所巡り 2019年4月

2025-03-26 10:25:39 | 真夏ダイアリー
(増補改訂版)
004:突然の家庭訪問とご近所巡り  




 先生来はるて!

 キッチンで朝ごはんの片づけしてたら廊下の電話が鳴って、出勤直前のお母さんが出る。

『はいタナヵ、酒井です……はい……』

 それから、ほんの10秒ほど話すとキッチンまで引き返してきた。

「なんや、先日のお詫びと新学期のお話とかで先生きはるてぇ……しゃあない! 午前中休みとるわ。さくらもおらんとあかんで!」

 そう言うと、スプリングコートを脱いでピアスも外して、スマホで電話を掛けた。会社に半休の電話やろ。

 いっしょに食器洗てた詩(ことは)ちゃんが美しく眉を寄せる。

「午後はクラブあるから、町内見学は、また今度やね」

 今日は、午前中は近所のあれこれを詩ちゃんに教えてもらうことになってた。


「あ、せやね。また今度、よろしく」

「うん、それはいいけど、先生がお詫びて、なにかあったん?」

「ああ……大したことやないねんけど、ちょっと、うちが大きな声出したから、先生、気にしてはるんやと思う」

「担任、菅井先生だったね……悪い先生じゃないけど、三つ聞いたら一つ忘れる人だからねえ」

 おお……( ゚Д゚)

 具体的なことは話してへんのに、大事なとこは見抜いてる。美人やいう以外に、頭の回転がええんで、ちょっとビックリして尊敬の針が10ポイントほど上がる。


 おっちゃん(コトハちゃんのお父さんで、お母さんのお兄さん)の勧めで、本堂の外陣で会うことにする。

 で。

 菅井先生一人かと思たら、学年主任の春日先生も付いてきたんでビックリ!

 春日先生は定年に近いオッチャンの先生。本堂に上がると、正座して須弥壇の阿弥陀さんに手を合わせはる。菅井先生は、お母さんにペコペコするばっかりで、阿弥陀さんには気ぃもつかんいう感じ。

「先日は、さくらさんの苗字とお名前を読み違えると言うミスをしてしまいまして、まことに申し訳ありませんでした」

 春日先生がきちんとお詫びをされて、菅井先生は頭を下げながらゴニョゴニョ。

 わが担任ながら頼りない。

 お母さんは、春日先生の態度と言葉で恐縮してる。あの件は、菅井先生のポカやけど「せやさかい言うたやないですか!」と大きな声出したわたしにも非がある。あるから、お母さんには言うてへん。成り行き次第では、お母さんにポコンとかまされるかもしれへん。

「いえいえ、うちの子ぉも、いらんこと言いですから。オホホホ(^○^;)」

 いらんこと言いはないと思うねんけど。まあ、これで丸く収まるやろ。

「明日は灌仏会ですねえ」

 外陣の隅っこに置いてあるあれこれを見て、春日先生は水を向ける。

 灌仏会とはお釈迦さんの誕生日。お寺ではいろいろ行事があるし、外陣の長押には昔の灌仏会の写真があって、その写真の中に若いころのお母さんの姿もあったりして、そういうところを見てるんやとしたら、なかなかの先生やと思う。菅井先生は、正直に「へ?」いう顔してる。

「花まつりのことです、お釈迦さんの誕生日です」

 勤めてニコヤカに言う。この、いわば手打ち式は、わたしがニッコリすることで大団円。

「お差支えなかったら、苗字が御変わりになったご事情など……これからのさくらさんの指導上、心得ていた方が良いのではと、あ、お差支えなければなのですが」

 あ、これが本命か。

 たしかに、三月ギリギリに苗字が変わって、菅井先生が混乱したのも無理のない話なんや。

「はい……実は、主人が七年前に行方不明になりまして。このたび、やっと失踪宣告の運びになりまして、実家に娘共々戻ってまいった次第です……」

 お母さんは最後の言葉を濁す。わたしの手前もあって、これ以上は聞いて欲しないという意思表示。

「そうでしたか、いえ、承知いたしました。いや、これから三年間のお付き合いになります、入学式でも申しましたが、学校に出来ることがありましたら、なんなりとご相談ください。微力ですがお力になれれば幸いです。菅井先生からも……」

 水を向けられた先生やけど「は、明日から元気にがんばりましょう」と短くご挨拶――春日先生にばっかり言わしてそれだけかあ――と思うけど、お母さんがうちにだけ分かる『黙っとれオーラ』を発散してるんで、笑顔にチェンジ!

「「はい、よろしくお願いいたします(^_^;)」」

 母子揃って頭を下げてめでたしめでたし!

 時間にして三十分。お母さんは、その足でご出勤。うちも「せやさかい」をかまさんでホッとする。



「早く済んだじゃない!」

 コトハちゃんは制服に着替えてたけど、学校にいくついでにご近所巡りに連れていってくれる。

 町内で会う人が、みんな挨拶してくれはる。そのたんびに「こんど、いっしょに住むようになりました。従妹のさくらです」と紹介してくれる。正直ハズイけど、こういうことは最初が肝心「どんくさいから、いっぺんには覚えられませんけど、よろしくお願いします」と頭を下げておく。

「ああ、歌ちゃんの子ぉやな(^▽^)」

 米屋のお婆ちゃんなんかは、しっかり知ってくれてた。まあ、ええねんけどね。みなさん、瞬間わたしとコトハちゃんを見比べてる。コトハちゃんはベッピンさんで、とくに真理愛女学院の制服姿やし、もう反則やいうくらいのベッピンさん。これに対抗できるのは広瀬すずくらいしかおらへんし。

 凹みそうになる気持ちを笑顔に隠す。そう、笑顔は七難を隠すいうやおまへんか!

 ケケケ……ケ( ̄⊿ ̄;)


 コトハちゃんを見送って家に帰ったら、頬っぺたが引きつっておりました。



☆・・主な登場人物・・☆

酒井 さくら   この物語の主人公 安泰中学一年 
酒井 歌     さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。
酒井 諦観    さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦一    さくらの従兄 如来寺の新米坊主
酒井 詩     さくらの従姉 聖真理愛女学院高校二年生
酒井 美保    さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
菅井先生     さくらの担任
春日先生     学年主任


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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・194『高松塚古墳・2・晴天に頼む』

2025-03-26 09:15:06 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
194『高松塚古墳・2・晴天に頼む』   




 遠くへ出かけるならあの人だ。


 思ったとたんに声がした。

「いやあ、修学旅行以来だねぇ」

「わっ!」

 ビックリして振り返ると、ニコニコしながら座っているのは、あの安倍晴天だ。

「あはは、以心伝心というやつだね。窓も開いてたし(^▽^)」

 うちは特急魔法少女のお祖母ちゃんの家だから、凄腕の陰陽師と言えども勝手に入ってくることはできない。うかつに開けていた窓からさっさと入ってきたんだ……それにしても早すぎる。

「だから以心伝心。二人の心が呼び合えば5Gのルーターみたいなもんさ」

「じゃあ、さっそく……」

 と、思ったら晴天は久留米絣。この人の久留米絣は呪物で、相手をなんでも従わせられる『言いくるめ絣』だ。

「そういうグッチだって……」

「え?」

 驚いた。自分もいつのまにか『言いくるめ絣』のワンピを着ている。

「いやはや、腕を上げたねぇ。反射的に対抗魔法が使えるんだ」

「え、ああ……」

「それで赤いリボンを付けたら魔女みたいだよ」

 ポポ

 軽い刺激がしたと思ったら、頭に赤のリボンが載って、柱に立てかけて箒が現れた。

「あたしは魔女じゃないんです!」

 言ったとたんにリボンと箒は消えてしまった。

「ほほう……で、特急魔法少女殿……の孫殿の御用は何かなぁ?」

「ええと、友だちと高松塚古墳を見に行きたいんだけど、鉄道とかで行くと大変でしょ。泊まりにもなっちゃうし」

「ほう、高松塚古墳……」

「それでね、万博の時(妖退治 115~120)みたいに送り迎えしてもらうと嬉しいんだけど」

「なんだ、そんなことか」

 つまらなさそうに座ったまま後ろ手を突く晴天。なんだか、いっぺんに十歳くらい老けたみたいにオッサンぽくなる。

「なによぉ」

「グッチは、もうほとんど一人前なんだから、そんなの自分でやりなよ」

「ええ?」

「人間の五人や六人、念じるだけで運べるよ」

「え、そうなの( ゚Д゚)!?」

「うん。で、いっしょに行くのはMITAKAの諸君かなあ?」

「ああ、今度は一人……」

 みんなで行きたいと思わないでは無かったけど、魔法で飛鳥まで飛んだら正体バレてしまうしね、あり得ない。

「で、相手は?」

「あ……」

 ちょっと躊躇ったけど、晴天なら構わないだろう。

「ナースチャ、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」

「ほう、ロシア皇帝ニコライ二世第四皇女かぁ……」

 キラリ ……☆

 あ、晴天の瞳が輝かせてしまった(^_^;)。

「そうか、気が向いたらボクも行ってるかもしれない。魔法のいい練習になるかもしれないし……じゃあね(^▽^)」

 いっしゅん扇風機が強で回ったような風がすると、窓枠がガタピシいって陰陽師の姿は掻き消えた。




☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • ナースチャ             アナスタシア(ニコライ二世の第四皇女)
  • ユリア               ナースチャを狙う魔法少女
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ  戦艦石見(アリヨール)     
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長) 関根(MITAKA二代目リーダー)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
 
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銀河太平記・290『大使館炎上!』

2025-03-25 09:42:08 | 小説4
・290
『大使館炎上!』 ツナカン 




 朝陽公園で、もう一度明細書を見るっス。

 よく見るとツナカンの名前は薄いシールになっていて、剥がすとちゃんと猫猫っス。

 明細書から足が付かないための配慮っスね(^_^;)。

 自分はオッチョコチョイっスからね、ちゃんとかけるさん分かってるっス。

 シンミリしてると、ハンベが『いまの気分』てロゴを映したっス。


 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 


 なんじゃこれは?

 不思議に思ってると説明が続くっス。

――むかしむかし唐の時代、阿倍仲麻呂という日本人が留学に来ていましたが、大変優秀な人物で時の玄宗皇帝にたいへん可愛がられ、重く用いられて帰国を許されませんでした。それで月を見て「春日の三笠山の上に出る月もこんなだったなあ」と故郷を偲んだとさ――

 そ、そうか! ツナカンも優秀だから、ここで奮起してがんばれってことなんだ! がんばるしか無いっス!

 朝陽公園の林を山に見立てて振り仰ぐとおあつらえむきの早出のお月さまが出てるっス。

 ……なんか半日ボンヤリしてしまったみたいっス。

 あれぇ?

 月が微妙にかげってる……と思ったら、煙が立ち上ってるっス!

 あの方角は……三里屯の北側で大使館がいっぱいあるところっス!

――日本大使館で火災発生、炎上中!――

 ハンベが緊急速報を流して、自分は日本大使館に走ったっス!

 タタタタタタタタタタタタタ

 久々の全力疾走っス!

 胸の奥なのか腹の底なのか、このツナカンを急き立てるものが付き上げてきて、全力で走ってしまうっス!

 自分はヒンメルの副長っスから、常に冷静っス。そういう風に船長が鍛えてくれたからっス。

『おまえのガッツは人並外れてるが、八割に抑えておけ。残り二割の冷静さを失わなければ、このアルルカンの有能な副官が務まる』

 そう言われて奮起もし自重もしてきたっス。

 でも、北京に来てからは、ちょっとタガが外れてるっぽいっス。

 北京は取り澄ました外見をしてるっスけど、ファジーってのか横着ってのか融通きかしてるってのか、その時その時のノリとツッコミってところがあるっス。

 なんか、戦災孤児だったころ手下のガキを引き連れて走り回ってたころの呼吸になってるっス。

 そのころの感覚が――走れ!――って自分に言うっス!

 
 大使館は別館ぽいところから出火して、それがちょうど燃え盛ってるところで、大使館の自動消火システムが盛大に水のカーテンを張って類焼を防いでいるところっス! 北京市の消防車も何十台も来ていて、これも精いっぱい放水してるっス。

 続々と野次馬が集まって興奮してるっス。

 ここんとこ続いてる日貨排斥と不景気で日本への憎しみが溢れてるやつ。気の毒そうに眉をひそめてるやつ。そのどちらでもなく、本能的に恐れおののいてるやつ。

 そんな有象無象の中に一人オーラを放ってる少女が見えたっス。

 ほかの野次馬とちがって動物的な情念やら怖れは感じないっス。ひどく冷静なんすけど、目の前の事態をしっかり目に焼き付けて――なんとかしなくちゃ――と思ってる顔っス。
 時どき、傍の男たちに呟いて、そのつど男たちは畏まってよそに行き、また戻って来ては少女に囁いてるっス。

 え……劉宏大統領?

 そうっス! 現物は見たこと無いっスけど、あれはPIをやって以来、可憐な少女の義体に収まってる劉宏っス!

 ええぇぇぇ…………

 野次馬たちから盛大なため息があがったっス。劉宏に目を奪われてた自分はすぐに燃える大使館に目を戻したっス。

 ええ( ゚Д゚)!?

 今度は自分で声をあげたっス!

 なんと、別館からの火を防いでいた水のカーテンが無くなってるっス!

 火は勢いを増して、あっという間に本館に燃え移り、隣接するアメリカ大使館は自動的に防火システムが働いて、その国力を示すように盛大な類焼防止の水のカーテンが噴き上がったっス。

 その数秒後には反対側や裏側の大使館からも水のカーテンが立ち上がって、なんだか、日本が世界中から見放されたみたいな感じになってしまったっス。

 

☆彡主な登場人物

大石 一 (おおいし いち)    扶桑月面軍三等軍曹、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ)    扶桑幕府北町奉行所与力 扶桑政府老中穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく)     ピタゴラス診療所女医、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる)     扶桑科学研究所博士 
加藤 恵             天狗党のメンバー  緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ)    扶桑第三高校の教師、四人の担任 じつは山野勘十郎 月で死亡
扶桑 道隆             扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ)     将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶                小姓頭
児玉元帥(児玉隆三)         地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人)          児玉元帥の友人 乳母の老婆婆の小鈴に頭が上がらない JR東と西のオーナー 
テムジン              モンゴル草原の英雄、孫大人の古い友人      
森ノ宮茂仁親王           心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ               児玉元帥の副官
マーク               ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン(メアリ・アン・アルルカン)   銀河系一の賞金首のパイレーツクィーン
氷室(氷室 睦仁)          西ノ島  氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平) 島守を称す(270から)
村長(マヌエリト)          西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷)           西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平             西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん)    今上陛下の妹宮の娘
劉 宏               漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官 PI後 王春華のボディ
王 春華              漢明国大統領付き通訳兼秘書 JR西のボディー 劉宏にPI
胡 盛媛 中尉           胡盛徳大佐の養女
栗 尊宅(りつそんたく)       輸送船の船長  大統領府参与
朱 元尚 大佐           ホトケノザ採掘基地の責任者 胡盛徳大佐の部下だった

※ 重要事項

扶桑政府     火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ      扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略  百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信     修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島      硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱     23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社     シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
ピタゴラス    月のピタゴラスクレーターにある扶桑幕府の領地 他にパスカル・プラトン・アルキメデス
奥の院      扶桑城啓林の奥にある祖廟
 

 

 
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