大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『小さいおうち』

2014-01-27 08:57:02 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『小さいおうち』



 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


まず、松たか子さん……長年、見もせずボロクソに嫌ってごめんなさい。

 あなたは出来る女優さんやったんですね。過日、劇団新感線の“メタルマクベス”における大勘違い芝居と、カーテンコールにおける あなたの“ドヤ顔”に、「二度とこの女の出ている作品には触れるまい」と誓ったのでありました。ところが、本作であなたが演じた“時子奥様”には魂鷲掴みにされまた。

 大方の邦画ファンにはフルボッコにされそうですが、山田洋次も大して認めていませんでした。私的には、前作「東京家族」は小津の猿真似、退屈な失敗作にしか見えませんでした。本作監督が山田洋次だってのは信じられませんでした。 いや、ほんまにエエ作品でござりました。
 ストーリーの歴史感覚も割と正確……ああ、一カ所、初めの方で 孫の妻夫木が「南京では大虐殺が有った」なんぞとのたまわり、他では孫の失言を訂正するタキ婆ちゃんが、この一言にはノーコメント。原作にあるのか、山田の私見なのか解りませんが、「こいつもかい」と、失望いたしました。まぁ、そこをのぞけば、歴史認識はいずこにも傾かず、正確な昭和初期の小市民感覚を写していました。

 見ていてバージニア・リー・バートンの絵本「ちいさいおうち」を意識したのですが、後半、そのまま絵本が登場した時には大笑いしそうになりました。この映画を見て、改めて“昭和”という時代を想ったのでありますが……それは置いときましょう。「また、オジンが感傷に浸っとる」と思われるのが落ちでありますわ。見る人それぞれの感覚で感じていただければよろしいかと思います。後はパンフレットを買って下さい。良く出来たコラムが幾つも入っています。
 さて、ごく普通の人々の生活にも様々なドラマが有るんだ……という、ある意味当たり前のお話なんですが、これを小説にし 映像化するのは難しい。いや、書けはするけどリアルな説得力があって、エンタメとして面白い作品にはなかなか成らないんだな。その意味、この映画がとても面白いのは(勿論、原作が良いのは読んでいなくてもわかりますが)タキという女中さんの造形によって担保されています。当然、原作の設定ですが、黒木華が見事に肉化しました。これ以上のリアルは望めない、現実に生きている人としてスクリーンに存在しています。また、老いたタキを演じた倍賞千恵子さんが、黒木の演じ方を巧く引き継いでいて、違和感なく一人の人物の老若が繋がっています。こんな ちょっとした気遣いが画面の隅々に感じられ、さらにこの映画をリアルな作品へと押し上げています。山田組の現場はチームワークの良さが喧伝されていますが、本作の現場は その中でも最高の噛み合わせだったのだと思います。

 もう一つの要因は、丘の上の赤い瓦の「小さなおうち」に“命”を持たせる事に成功している事です。  セットの平面図を見ていると「どこが“小さい”ねん!」と思いますが、決してお屋敷ではなく、まさに小市民の精一杯の夢と幸せが詰まった(山田洋次の青春時代には“プチブルの下らない夢”として拒絶されてました)小さな結晶なのです。明治に外国から一挙に流入し、大正に狂い咲き、この映画の描く時代に日本の文化として結実した、様々な形の日本人の夢であり、戦争を挟み、その後永らく日本人が追い求めて来たものの原形が この“小さなおうち”に代表されています。

……嗚呼、昭和を語りたい~~けど、やめときますわい。

 キャラクターは皆さんそれぞれに魅力的で存在感たっぷり……一番華やかなのは松たか子の時子奥様です。淫らに堕さない色気と聡明さが無理なく両立しています。一家を守る主婦の顔が、一瞬 内からこみ上げる衝動に豹変する。一瞬だけ彼女の全身から凄絶な色香が発せられる……まるでスクリーンから香り立ってきそうです。
 今の時代からすると、多少理解しづらい部分もあるかもしれませんが、人の営みの普遍的な所を表現しています。「永遠の0」なんかでも思ったのですが、どうしてもラストが駆け足です。原作がどうなのか判りませんが、映画はどうしても時間の制約上 駆け足に成りがちです、そこが製作者の腕の見せどころなのですが、納得のラストにはあまりお目にかかりません。殊に、タキ婆ちゃんが「私は永く生きすぎた」と泣くシーン…これがラストに向かう入り口に成るのですが、そこからがちょっと忙しい……かな? う~ん。決して映画を損なう程じゃないんですがぁ、これは「無いものねだり」とは思いたくないですね。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『先週、今週のランキング』

2014-01-20 07:25:41 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『先週、今週のランキング』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している統計ですが、もったいないので転載したものです


各賞の受賞やノミネートの発表でランキング大混乱しとります。

 興業収入的には今一なんですけど、まぁこれもこの時期の特徴。まずはランク落ちから、前週から。

⑩リベンジマッチ こらまあこんなもんでしょ。
⑨ハンガーゲーム2 公開8週目、前週で4億710万だから、ランク外としても、前作の4億800はおろか、去年のNo.1アイアンマン3の4億900万も超えたのは確か、さすがに社会現象作です。
⑧LIFE!これはダニー・ケイの「夢を掴む男」のリメイク、前週4540万…どう評価すりゃええんですかねぇ。

 さて、今週のランクインであります。

⑩アンカーマン2 前週⑥から急降下…とは言え1億2000万?????
⑨パラノーマルアクティビティ/呪いの印 こいつはさらに大急降下!前週初登場②からのダウン、前週比34% 2840万…ようやくこのシリーズも終わりますね…かな?
⑧ウォルトディズニーの約束(前週⑦)7000万に迫ってますからスマッシュヒットの資格は取っております。

さて、ここから各賞効果

⑦8月の家族達(4月公開)メリル・ストリープ/ジュリア・ロバーツ 出演、色々ややこしい問題を抱えた破綻家族の話で、元々は戯曲だそうです。オスカーノミネーションで一挙に拡大ロード、今週トータル770万だから、前週たったの60万?
⑥ホビット2 前週③だから、これも急降下組ながら公開5週目2億4220万……立派なもんですが、前作2億8710万には微妙に届かんかも?
⑤アメリカンハッスル(前週⑤)と、
④ウルフオブウォールストリート(前週④)がランク維持、二作共ゴールデングローブ受賞、他の賞にも常連でオスカーノミネーションも果たしている、アメリカンハッスル/1億120万、ウルフオブウォールストリート/7840万だから興収もそれなりです。
③The Legend of HERCULES やばいのがこの初登場、売上高880万、これは1000万少々でランク落ちパターン、ヘラクレス役がケラン・ラッツ(トワイライト・シリーズ)、この人“マイティーソー”“キャプテンアメリカ”両作のオーディションに落ち、ようやく主役ゲット!……の筈が、どうやらコケ決定。第二のテイラー・キッチュ(「ジョン・カーター」「バトルシップ」の二大作に主演するも二本共 大ズッコケ)誕生です。しかし、テイラー・キッチュは その後、腐る事なくジワジワ人気を固めつつある。頑張れ!ケラン・ラッツ!
②アナと雪の女王(前週①)またもや2位落ち……とは言え、公開8週の間2位以下に成った事無く、興収3億2000万!さて、どこまで稼ぐ?3/14の公開が楽しみ。 今週の第一位! こんな大ジャンプは ここ数年見た事がない(とは言え、メガヒット作品が無かったからですが…) 堂々の十作品ゴボウ抜き“ローン・サバイバー”今週3780万でトータル3820万(ちゅう事は前週たったの40万?)拡大公開されて見事に圏外から1位にジャンプ。 マーク・ウォールバーク/テイラー・キッチュ(先程書いた人です)出演、アフガンでのシールズの実話だそうです。これも3/21公開です。
 この他、オスカーに期待がかかるのが「ダラスバイヤーズクラブ」2/22公開 「それでも夜は明ける」3月公開 「大統領の執事の涙」2/15公開 「ブルージャスミン」5/15公開 「インサイドルーウィン デイビス」初夏公開 「オールイズロスト」3月公開 「ネブラスカ」2/28公開 「あなたを抱きしめる日まで」3/15公開 「ENOUGH SAID」公開未定…まあ、こんな所。日本からは宮崎さんの「風立ちぬ」と、短編アニメに大友監修オムニバス「ショートピース」から「九十九(ツクモ)」がノミネート、さていかが相成ります
やらです。3月が待ち遠しいであります。



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『エンダーのゲーム』

2014-01-19 07:19:43 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『エンダーのゲーム』



 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです


さすがに映像に文句はありません。メカ・衣装デザインにも 隅々まで気が行き届いています。

 ただ、原作を読んだ身としてはダイジェストを見ている気分になります。 エンダーが訓練校に行った後、地球に残った兄と姉の役割が全面カット。エンダーは もっと小さい子供のイメージでしたが、主演のエイサ・バターフィールドはデカ過ぎ。訓練校で対立するボーンソーが彼より背の低かったのにはビックリしましたわい。アハハハハ……!
上下2巻の原作を100分に納めるのは無理ですね、まぁ毎度の話です。エンダーのゲームは地球の危機が一少年に託される事と、勝利の為とは言え 多数の犠牲を払う作戦を指揮させる事が二本の柱。いかな天才とは言え、年長者に認められたい欲求と他者に対する極自然な思いやりを持っている、精神的には全くの子供。しかも暴力的な兄の性癖が我が身にも隠されている事を自覚していて、それが爆発した後には、いつも深く懊悩してしまう。
 ゲームならばまだ良いが、エンダーの実戦指揮は意外な形で知らされる事となる。原作には、このショックに耐えられるだけの訓練シークエンスがあるのだけど、映画の展開だけでは判らない。
 エンダーの訓練より40年前、地球は昆虫型異星人の攻撃を受け、多大な犠牲を出しつつも追い払う。しかし、次の攻撃に耐えられるかは悲観的であり、先制攻撃を加えるべく艦隊が順次進発している。敵母星までは10年(原作では20年になっている)、その間、地球では艦隊指揮官の養成が図られる。これまで、何人もの候補がいたが何がしかの不具合で決定しなかった。エンダー(留め、最終者の意味合いがある)はほぼ最後の候補である。というのが本作の背骨であり、原作ではもっと長い時間が訓練校の中で流れる。その中でエンダーが悟るのは、敵を理解しなければ勝利は無いという真理。
 エンダーは、ついに異星人の思考を捉えるが、その事は彼に更なる十字架を背負わせる。  映画は、その点急ピッチに展開され、訓練校に入ってから1ヵ月位の話になっている。その分エンダーの心理的葛藤が描き切れておらず、ラストのエピソードに無理が出てくる。
 映画独自の説明がされてはいるが……この辺りの食い足りなさがアメリカでのスマッシュヒット止まりの結果に現れたのかもしれないですね。いずれにしても原作を読んでからお出かけになる方がよろしいようです。結果を総て受け入れるならば、それなりに楽しませてくれるポテンシャルは持っています。エイサが「ヒューゴの不思議な発明」当時にエンダーを演じ、2年がかり2部作品にしていれば完璧……いやいや、無いものねだりでございます。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想:東野圭吾「疾風ロンド」

2014-01-17 15:47:22 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
東野圭吾「疾風ロンド」


この書評は、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流しているものですが、もったいないので転載したものです。


相変わらず一気に読ませる力量は「敬服」の一言です。

 東野圭吾は大学工学部の出身です。論理構成能力は当然お持ちでしょうが、それは論文構成のそれであって、散文のそれはまた違うテクニックです。散文の構成にも数学的論理は必要なのですが、通常、感動的な文章構成にはマイナスに働くと言われています。
 しかし、世の中には天が二物も三物も与える人がいるんですねぇ……散文構成に数学的センスで磨きをかけるのは天才の技です。
 本作もこれまでの作品に負けず劣らず、読者をドンドン引っ張って行くのですが……最近作に感じる不満も現れます。
 すなわち、謎の解明者として湯川学か加賀恭一郎を探してしまうのです。この二人のキャラクターは言わずと知れた東野圭吾ワールドの二大主人公です。この二人が登場しないとなると、彼らに匹敵する魅力的な主人公が必要になります。
 当然、全く市井の一個人が主人公になるストーリーだってある訳ですが、読者が東野圭吾に求めるストーリーには物語の真ん中に主人公が屹立していなくてはなりません。だからと言って、そんなマーケットリサーチに従うがごとき作品を作る義理は作者に無いのは自明の事。ただし、読む者を問答無用に飲み込んでしまうような作品に仕上げないと、どこか「食い足りない」と言われてしまいます。
 全く読者のワガママではありますが、それが流行作家たる人の義務(……は、言い過ぎかな? さすがに)っちゅうもんです。
 まぁ、そこまで言わないとしても本作には多少不満が残りました。登場人物が全員小粒(全体に一人一人の掘り下げが浅い)なのが最大の欠点で、読者が感情移入する存在がいない。この点、同じ問題を抱えた「夢幻花」と共通しますが、「夢幻花」にはまだ話の中心になるキャラクターが存在しています。
 本作ではスキー場に隠された「ある品物」をいかに見つけるかに意識が注がれ過ぎ、人物の掘り下げがしきれていないと言えます。流行作家である以上、多作を強いられるのは仕方がないでしょう、ダン・ブラウンのように数年に一作ってな訳には行かんでしょうが、しかし、もうちょい落ち着いた創作環境を与えてあげる事が出来ないもんなんですかねぇ……。
 他にも、結末に至るストーリーになんとなく「やっつけ」臭が漂います。これも、主人公に力があれば、無理苦理押さえがきくのですが、その主人公の存在がありません。なぁんて、ほんまに一個人のワガママですが、東野圭吾の大ファンとしては、あまり書き飛ばして消耗してほしくないのです。


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高校ライトノベル・ タキさんの押しつけ映画評『新宿泥棒日記』

2014-01-16 07:14:41 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『新宿泥棒日記』


これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的にながしているものですが、もったいないので転載したものです


1969年の大島渚作品です。当時おぼえた怒りを今見ても思います。

 おどりゃあ、この、しょうもない映画でなにが言いたかったのよ。ようもまぁ、こんな映画で入場料取って上映したなぁ。こんなもんは時代の証言でも何でもありゃしない。これが時代の証言だと言うなれば若松浩司の「処女ゲバゲバ」や「胎児が始動するとき」の方がよっぽど時代の証言だ!
 アートシアターギルドの名の元で、何を作っても芸術だと判断され、どんな下らん作品でも社会批判だと評価された。
 大島渚ってのは、そんな時代の産んだ勘違い監督であって、それ以上でも以下でもない。「新宿泥棒日記」は かの時代を切り取ってさえいない。当時の先端にいた唐十朗や横尾忠則を使っただけで、時代の切り取り方は一人よがり以外の何ものでもない。
 さて、これ以上は書かない。ここまで言われて我慢出来ない輩がいるだろう。 文句があるなら反論してきなはれ。別に日時を決めて殴り合いでもかまわんよ。待ってるよ。



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想〔永遠の0〕

2014-01-08 14:42:48 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
〔永遠の0〕



 なんで今頃「永遠の0」なのかについては、本作の映画化作品についてのコメントや、同作者の「海賊と呼ばれた男」書評に書いたので割愛します。

 いやぁ、しみじみと 勝手な思い込みで本を嫌ってはいけませんねぇ。泣きながら読み終えました。百田作品は全部、こんな作風なのでしょうかねぇ……「海賊~」でも、随分泣かせてもらいましたけど……。
 まず、本作を読んだ上で 映画を振り返るに、いかに映画脚本が良く出来ていて、本作の感動を余さず伝えていた事に感銘を受けました。監督・脚本の山崎貴 刮目して見るべし……です。この脚本なら、原作者・百田尚樹が納得したのも理解できます。原作者が映画を見て号泣したのも宜なるかなです。
 さて、私が本作発刊当時に本書を手にしなかったのは作者・百田氏の過去のイメージもさる事ながら、結構 悪評が高かった為でもあります。一番多かったのは「どこかで一度読んだような事柄で繋いである」ってやつで、中には「剽窃」と断じる人もいました。
ここが私のいかん所で、過去にも 山崎豊子が剽窃家だとの風説に影響され、山崎作品を遠ざけるという愚を犯しています。今では山崎豊子に向けられた剽窃疑惑は、山崎に書かれては不利益を被る陣営が作り上げたデマだと解って、山崎作品は遅ればせながら殆ど読み終えました。
 本書に向けられた剽窃疑惑は、これは言い過ぎでしょう。但し「いつかどこかで読んだような~」という感覚については、まぁ 判らんでもありません。
 戦後、もう既に70年です。兵士として実際に戦った世代は殆ど亡くなっておられます。当時を知るには記録映像にあたるか、著作に触れるかしかありません。しかも、映像や写真には間違ったキャプションが付けられていたり、著作にも偏った思想で書かれた物が多数存在します。
 当時を正確に認識するのは日々 困難になっています。そんな現状下、信頼に足ると評価される資料は限られており、当時を描こうとする「戦争を知らない世代」は、皆さん同じ資料を手にせざる得ない訳です。
 主人公たる宮部久蔵と、生き残りの戦友達は これら資料の中に記された人々の移し絵です、描かれるシーンは実際にその人々が遭遇体験、あるいは目と心に焼き付いた日常です。内容が似てくるのは仕方ない事だと思います。
 確かに、先次大戦記録を読まれた向きには「耳にタコ、目にイカ(?)」な証言が大半を占めますから「これはナンジャイ?」と思われるかもしれません。しかし、これら戦時証言を組み合わせて「宮部久蔵」という人物を 血肉を持った存在として作り上げた作者の手腕は一流です。
 現在の十代には「大東亜戦争」をフィクションだと思っている人が本当に存在します。さすがに、大多数では無いでしょうが、私が知るだけで数人いますから、ひょっとしたらかなりの数存在するかも……大戦を知ってはいても詳しくは知らない層とあれば十代と言わず、上の世代にもかなり存在するでしょう。そんな人々が、小説を読む楽しみで本書を手にする事を考えれば、この作品の存在意義は途轍もなく大きいと思えます。
 我々の世代(現50代中~60代中)について言うなら、親から大本営や陸軍の悪口は散々聞いていますが、「海軍さんはスマートだった」なんぞと聞かされて育って来ました。戦艦大和の雄姿、真珠湾攻撃の成功(????) 名機0戦も海軍戦闘機、陸軍アホ/海軍格好ええ~と思ってきたもんです。しかし、その上層部の愚かさは五十歩百歩、海軍だって似たようなもんです。軍令部トップにいたっては、その馬鹿っぷりは見事の一言、前線指揮に当たった将官にしても、作戦に致命的失敗した者は乗艦沈没に際して真っ先に下艦、この人は生き残らねばと思える人程、艦と運命を共にしている。真に優秀で愛国心に溢れる人から死んで行く。これは日本に限らず、いずこの戦場でも証明されている事です。
 我々世代でも一読の意味はあると考えます。かの大戦で、いかに多くの代え難い日本人が散っていった事か……これは日本に住む現在の私達が決して忘れてはいけない事実です。その事を思い起こす起点になります。この事を抜きにしても、人間の生き方、尊厳を描いて秀逸な作品です。

 作者に成り代わりまして、是非ともとお薦めします。


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