大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『アメイジングスパイダーマン2: テルマエ・ロマエⅡ』

2014-04-30 07:19:06 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『アメイジングスパイダーマン2: テルマエ・ロマエⅡ』


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評を転載したものです


行って来ましたよ、梅田TOHOプレッツ。

 8:30でもそこそこ人がいましたが、別館でスパイダーマン見て本館に帰ると……なんじゃ こりゃぁ!!!!満員電車かい!!

スパイダーマン2

 嫌な予感はいきなり来ました。いきなりスクリーンにデカデカ“SONY”の文字!続く“COLUMBIA”の社名の下に“SONY CO.”の文字……よっぽど自信がおありになったんでがしょうねぇ…(´ヘ`;)ハァ~~ 映画はマンガに先祖帰りしとりました。
 本作で一番迫力が在ったのは“予告編”でありますわい……嗚呼(滂沱たる涙)有ったなぁ、「メン・イン・ブラックⅠ」 予告編見たら本編見る必要なし。この映画、コンベンションで30分の予告編を流したとか……その方がよっぽど面白かったんやなかろうか。予告を見る限り、スパイダーマンは複数の敵に囲まれて絶体絶命!「こぉら えらいこっちゃ!」と思うたに…本編ではちまちま1対1で盛り上がらん事夥しい。スパイダーマンの懊悩もグゥエンとの付き合いに関する事ばかり、スパイダーマンの活躍によって、さらに破壊が広がる件についてはほんの付け足し、編集長(出てこないが)は未だに「スパイダーマンは悪者だぁ」と言いつのっている。
 ピーターの両親の最後が出てくる。忌まわの際にデータを送るが、その内容たるや……嗚呼(涙) これ、原作の通りなのかもしれませんが、スパイダーマンでは毎回彼の大事な人が誰か死ぬ。今回は○×△が亡くなった、なんともお可哀想に、ほんで たらたら悲しんでおる所にまたもや怪人出現で大フッカァ~ツ。目出度し目出度し(拍手) 毎度 大暴れいたしますが、今回もニューヨークから一歩も出ず……しゃあないですか、ビルが林立していないと糸を頼りにブッ飛んで行けませんもんね。 兎に角、期待外れもええとこでありました。


テルマエ・ロマエⅡ

 典型的な二番煎じ(また涙) 前作よりも広がりは感じるし、群集モブシーンの撮り方も各段の進歩。とは言うモノの、ダラダラと前作の続きを作ったに過ぎない。まぁ、これで終わるでしょうが、その気になったら“日本全県温泉巡り”っつなもんでシリーズ化するかもね。
「フーテンの寅さん」か「トラック野郎」じゃあるまいし、まさかそりゃあなかろう……と、思いますが……今日の入り(満員)からすると、あながち、いやいやおまへんやろ。
 前作には“比較文化”のメッセージが ちゃんと在りましたが、本作はただただ日本の温泉をコピーしまくるのみであります。それでも、観客を楽しませようっちゅう工夫は十全にこらされてますから、楽しめるのは確かです。
 ただねぇ……二列位後ろに座ってたオバハン〓〓 映画の真ん中辺から、何を言うてるんやらハッキリとは判らんかったがウダウダと……ってん〓じゃっかましいんじゃ〓〓見ながら喋りたかったらテレビでオンエアされるの待っとけ!ちゅうんじゃい〓〓〓 二度と映画館に来るんやないわい〓〓 てな訳で、非情(コノジノキブン)にドッと疲れた半日でござりました。後、“相棒”も行かんとあかんのですが……大丈夫やろなぁ(汗)3日からのH・ジャックマン“プリズナー”も……頼んまっせ。



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ書評・小太郎の左腕/逆説の日本史他2編

2014-04-26 06:59:05 | 読書感想
タキさんの押しつけ書評
小太郎の左腕/逆説の日本史他2編


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一の書評です。


小太郎の左腕

「のぼうの城」和田竜の三作目です。今回は全く架空の国を舞台にした戦国物語ですが、相変わらず読みながら画がまざまざと浮かぶ筆力は健在です。
 ただ、少しずつスケールが小さくなって行ってるのが少々気がかりです。この人、本来が脚本家ですから、あんまり小説に時間が裂けないのかも……。
 ある国の山中に鉄砲狩人の村があった。戦国のご多分に漏れず、この国も隣国との間に紛争が有った。この紛争に鉄砲狩人の孫が関わって行く。この孫、少々足りないのか 虐められてもニコニコ笑うばかり、同年代の子供達はそれなりに鉄砲を操るが、件の孫は全く下手。ところが、ある 特殊な銃を与えると、本領発揮 神手の狙撃手となる。
 この男の子の正体と、生来 底抜けに優しいこの子供が如何にして人を撃ち抜く狙撃手となるのか? それが主軸で、そこに他の人々の愛憎がからまる。鉄砲フリークの私といたしましては、いかに神の手を持つ狙撃手とはいえ、先込め火縄銃の射程圏が余りに大きいのには興醒め。いかに優れた砲手がいても、所詮 青銅の大砲とアームストロング砲じゃ勝負にならなかったのと(幕末の馬関戦争……長州vs英仏蘭米連合艦隊)同じ。まぁ、戦国ファンタジーだと思えば(ちゅかファンタジーだし)ええんですが、当時の事情やら雰囲気やら やたらリアルなんで、少々バランスがおかしかったです。

“逆説の日本史”

 週刊ポスト連載中のシリーズもとうとう幕末までやって来ました。この本も年一冊しか出ないんで見落としがち……ひょっとしたら去年の買ってないかも? 本巻はその幕末、長州が京都から追われ、益々尖鋭化する中、外国船に喧嘩売ってケチョンケチョンにやられるまでの2年間だけを解説しています。
 恐らく、日本人の行動原理・哲学・目指すべき未来像などが、坩堝に巻き込まれたごとくに千変万化した2年間……これを事細かに解説してあります。
 幕末維新史に関心の在る方必読! 史料主義学者に対する毒舌も健在なり(とはいえ、これはもうやめた方がええと思うんですが……) “

蘇るスナイパー
 スティーブン・ハンターの旧作を漸く全部読み返して、いよいよ未読の部分に突入いたしました。今作はボブ・リー(BL)・スワガーのベトナムにおける先輩であり、No.1スナイパーを名乗っていた男が、突如4人の男女を狙撃し、自らそのライフルで自殺する。
 事件は明白な結末を迎えるが、FBIニック・メンフィスに協力要請されていたBLには違和感が有った……って所から始まるのでありますが、始めの方に何やら強引な展開があって、“????”な違和感が有りました。違和感はこの後も続き、二冊目の前段まで少々イライラするのですが、BLが絶対絶命の危地を脱する辺りから俄然面白く……と言うより“腑に落ち”はじめます。そうなってくると「BLならこうするだろう」という予測もつきだして……まぁ、こういう読者の先読みを封じる工夫なんでしょうね、マンネリにしないための努力です。
 ラストは大サービスシーンになっとりましてカタルシス満開です。解説がいつもの関口氏じゃなかったのが残念。BLサーガフリークのお兄さんが書いてますが、くいたりまへんです。

星間商事社史編纂室  

 三浦しをんの新作です。題名からして“舟を編む”的な作品かと思いきや……まぁ、詳しく書くのは止めときますが、ハッキリ言ってお勧めしません。ある種の読者には受け入れられるかもしれませんが、私はダメでした。 編纂室に腐女子がいました……的お話でありますが、肝心の社史に関するストーリーがあまりにもヤッツケ仕事です。くすりとも笑えませんでした。



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『Ca. アメリカ/ ウィンターソルジャー』

2014-04-21 06:54:15 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『Ca. アメリカ/ ウィンターソルジャー』



 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一の映画評を転載したものです。

スカーレット・ヨハンセンが綺麗。

  可愛い~グフッ ありゃりゃ! いきなりスタイルが良くなったよ! 足も長く成った?……と思いきや、これはスタントマンの後ろ姿やね。オシマイ〓 ……ちゅう訳には行きませんか、そらそうでんな。
 まずは、いよいよ本格的にマーベル(ちゅかディズニープロ)が牙剥き出したなって事です。  本作は、ハッキリ“アウ゛ェンジャープロジェクト”を名乗っています。アウ゛ェンジャーズ①以降、マーベルのヒーローシリーズにはプロジェクトの冠が着いていましたが、ちょっと遠慮がちでした。本作はほんまに頭からプロジェクトを名乗っています。 今作だけを見て楽しめるのは50%だけ、最低“Ca.アメリカ①”を見ていないと敵の実像が解らない。少なくとも、後“アイアンマンシリーズ”“アベンジャーズ①”を見ないと世界観が解らないし、直面する危機の実相が浮かんでこない。かくして、ディスクがまた売れるっちゅう構造になっております。
 本作はシネマベリテ(主にドキュメンタリーの手法。同時録音やインタビューを盛り込んで臨場感を持たせる)風の作り方に成っていて、誰が味方なのか解らない状況の下サスペンスを盛り上げる形に成っているのだが、それだけに「敵の正体」を知っていないとストーリーに置いていかれる。
 観客は大多数マーベルワールドを知悉しているとのマーケットリサーチが出ているのだろう、「遅れて来た方々は一生懸命追いついて下さいよ」っちゅう自信の程が窺える。

 なら、そのつもりで書きます。

 まず、Ca.アメリカは悲しい存在です。ひ弱な肉体ながら人一倍正義感が強く、何より国に忠誠心を持っている。元々アメリカの戦意高揚コミックとして登場していますから、このキャラクターは外せません、今のアメリカにも必要な性格でもあります。彼はドイツ軍の中の核心的組織ヒドラの陰謀を砕き、自らは氷塊の下に沈んで70年の眠りに着く。現代に蘇生した彼の周りには一人の知人もいない。この、現代の浦島太郎は、それでも懸命に適応しようと努力しており、自ら払った犠牲も人々の自由を守ったのだと納得している。
 そんな彼に、自身が滅ぼした組織に代わって登場した物が牙を剥く、自分は一体何したのかとの懊悩が生まれる。折から、少数生き残っていた70年前の知人が死を目前にしており、かつ、もう一人見つけた知り合いは呆然とするような変貌を遂げていた。キャプテンは現代に生きようとしながらも、70年前からの続きを生きているのであり、その魂は70年前のスティーブ・ロジャーズそのままなのである。
 そんなキャプテンのレーゾンデートルを支えている「自己の行動に対する正当性」を脅かされるエピソードが本作の大きな柱に成っている。キャプテンのみならずSHEALDを率いるフューリーにせよブラックウィドーにせよ、何かしら重い物を背負っている。
 ここまで来ると原作コミックを読んでいないとさっぱり解らない。大体がキャプテンアメリカの初出が40年台、フューリーが60年台、ブラックウィドーはよう知りませんが まぁ6~70年台でしょう。第二次大戦~冷戦時代(朝鮮戦争・ベトナム)~アフガン・イラクとアメリカが戦う戦争の変化に連れてヒーローに求められる姿は変化してきています。
 キャプテンも徐々に変化しているのですが、元々のレーゾンデートルを大幅に書き換える訳には行かない。    フューリーは恐らくベトナムを引きずっているだろうし、ブラックウィドーは冷戦構造の歪みから生まれたのだろう。 各々の内面を覗けば、全く違うベクトルが見える筈です。その全く違う要請から生まれたヒーロー群を“アベンジャーズ”の名の下にひとまとめにするのは相当に無理がある。
 まぁ、DCコミック系(バットマン/スーパーマン)に比べれば、マーベル系のヒーロー達はあんまり悩まないのですが、勧善懲悪が有り得ない現代、マーベル系ヒーロー達も懊悩せざるを得ないのです。
 この、何もかも相対化せずにはおかない時代に「我こそは絶対正義なり!」と胸を張る事は誰にも許されません。
 本作の対立構造は“ヒドラが画策する秩序(SHEALDの思い描く秩序も似たり寄ったり)”対“キャプテンアメリカの守って来た自由”です。当然、自由の勝利に終わりますが、それはヒドラだけにとどまらずSHEALDにも牙を剥く事になる。 この歪んだ結論に一体誰が責任を持つのか?  新秩序は何に拠って打ち立てられるのか?  当然、完全無欠な答など有る訳は無く、精々「納得いく妥当性を与えよ」が精一杯なところ。この辺り、日本の幕末を当てはめれば分かり易い。幕府 対 薩長なんてな簡単な図式で無いのは皆さんご存知の通り。勤皇/佐幕/倒幕……開国か攘夷か、攘夷にも大攘夷と小攘夷の差がある。しかも幕末の登場人物達は一つの立場を守り通した者の方が少数であり、大方は時と情勢に添って微妙に、ある者は大胆に考え方・立場を変えつつ明治へとなだれ込んでいきました。
 アメリカンコミックは一つのシリーズが終わってもマーケットリサーチで主人公に人気が有れば再開されます。新シリーズに際して、さらにマーケットリサーチしてヒーロー像が決定され脚本家を招請、作画家が決定されます。だからヒーロー達は時代の雰囲気によって、大きな存在価値を変えないまでも微妙に性格を変えて行く。昔は堂々と“アメリカの正義”を名乗ってはいても、現代においては何が正義なのかが解らない。ましてやアメリカ単独の正義など大声で叫んでもアメリカ本国でもそっぼを向く人々がいるでしょう。だからキャプテンアメリカも、所属する組織に牙を剥く結果に成ろうとも、自ら忠誠を誓った物に殉じざるを得ない。彼は「アメリカ」に忠誠を誓ったが、「アメリカ」とは「政府」ではなく、“国土”であり“郷里”であり、そこに生きる人々なのです。求めた“自由”はアメリカ国家の自由ではなく、“人々の自由”だと“彼自身が悟った”のです。
 スーパーヒーローの抱え込んだ悲劇(元々の発生からすれば)とも言えますが、現代を生きるならば必要な変化なのです。

 さぁて、ばらしちゃいますが、ヒドラは完全に壊滅した訳ではなく細胞が残っています。次回作でのリベンジを誓っています。キャプテンアメリカの次回作は“アベンジャーズ②”……って事はアベンジャーズの次なる相手はヒドラ? アベンジャーズ①のラストで次回作での敵は別な宇宙人だったのでは? 更にアベンジャーズ②の前に公開されるのは“スペースガーディアンズ”っちゅう新キャラクターによるスペースオペラ、これまでのシリーズ経過からすると、この新キャラクターもアベンジャーズに絡むはず。
 そうなると、本作のウィンターソルジャーが次回作でどうなるのか、アスガルドのロキはどう動くのか……etc.
 原作を読んでりゃ判るんでしょうが、風呂敷を広げ過ぎて収集つかんのやないですかねぇ。これを圧倒的な画作りで見せきるつもりなら、一体どんな映像を見せてくれるのか。お手並み拝見であります。

 私ゃ ブラックウィドーが綺麗やったら それだけで全くO.K.ではあります。ダハハハ〓



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ書評『犬の力』

2014-04-11 07:57:21 | 読書感想
タキさんの押しつけ書評
『犬の力』



 これは、映画評論家・滝川浩一の書評を転載したものです。


えっ?そんな映画があるのか?

 と思われた皆様、ハァイ! 正解です、“犬の力”という映画はありません。
 これはドン・ウィンズロウの小説です。 絶対読め! と友人がわざわざ持ってきてくれました(角川文庫) 内容はDEA(麻薬取締局)局員のアート・ケラーとメキシコの麻薬カルテル/バレーラ・パサドール(一統)との30年に渡る まさに血を血で洗う抗争の物語。

“犬の力”とは何を指すのか……旧約聖書/詩篇22章:窮地からの解放を神に祈る言葉の中に「剣」と共に、民を苦しめる“悪の象徴”を表す言葉として書かれています。
 虚構の中にCIAのコントラ支援(ちゅうかアメリカ政府やけどね)なんかの事実が絡められ、さながら70年台からの30年に渡るアメリカ/メキシコの裏面史を読む趣です。
 DEAのアートはメキシコからやってくる麻薬を止めようとやっきに成っているが、メキシコ官憲はやる気無し、どころか麻薬シンジケートに買収されて 信頼できる者はほんの一握り。DEAも、どこか腰が引けている。
 アートはあくまでも法に則って対処しようとするが全く歯が立たず絶望する。様々な難事が降りかかり、また、コロンビア解放戦線やら武器密売に中国軍が絡み、アートの中で何かが瓦解する。
 表面は法の執行官だが、徐々に「悪に対抗出来るのは、さらに強力な悪だ」と確信していく。“俺の中に犬の力を感じる”と……ラストは良くできたサスペンスになっていますが、カタルシスは無い。極めて後味の悪い幕切れとなっている……まぁ、現実です。
 全編からウィンズロウの怒りの叫びが聞こえて来る。さて、長い前置きでしたが、映画評になんで書評かっちゅうと、本作がアメリカのクライム(ノアールでも良いが)映画を理解する上で道案内をしてくれるからです。
 昨年のコーマック・マッカーシー脚本の「悪の法則」を見る前に本作を読んでおけば、マッカーシーが行間に埋めていたサイドストーリーが全て見えてきます。 数年前、東野圭吾「白夜行」のテレビドラマ化に際して、小説に書かれていない事件の裏工作を総て描いて見せました。小説とドラマの相乗効果の最良の例でしたが、まさにこれと同じ効果が出ています。コーマック・マッカーシーは「総てが悪意なんだ」「具体的力を持たぬ者は悪に関わってはならない」と描いて見せましたが、ウィンズロウは悪に対するに いかに力を得るかに言及しています。
 アメリカが「法治国家の皮を被った自警国家」だと繰り返し書いてきましたが、まさに人が「我が身は我が守る」という結論にいかにして導かれるかが延々と描かれています。そして、力には必ず、さらに大きな力を持つものが存在し、その高みに至らないなら結局 良くても失敗、悪くすれば破滅してしまう。絶対的真実。
 ノアール作品ばかりではありません。バットマンにせよ、スパイダーマンにせよ、「自警」と言う意味では一緒です。 殊に、クリストファー・ノーランがリブートしたバットマン/スーパーマンに顕著に見てとれます。   バットマンの物語の中では善悪の境界が常に揺らいでいますし、リブート3部作は悪対悪の構造になっている部分が大きな割合を持っています。 ヒーロー物語だと、最後に大ドンデン返しトリックで全部チャラにしてしまう訳ですが、これがリアルクライムだとそうは行きません。 出した結果は、総てキャラクターが担がねばなりません。
 本作ラストがサスペンススリラーに有りがちな展開になっており、もしかしたら何もかも綺麗に収まるか……と一瞬思いましたが、そんな訳ゃぁありませんでした。 なんとも重苦しい幕切れを迎えます。これがアメリカの真の姿だとまでは言いませんが、かなり正解に捉えられているとは言えます。読み切るのに結構体力が必要ですが、一読
後には自由の国・アメリカ(今時こんな呼び方しませんか?逆に言えば自由の国だからこその捻れです)の別の顔が見えてきます。
 物事を鳥瞰するとか相対化して見るのとは意味が違います。こんな小理屈は別にしても、極めて重層的に組み上げられた物語。 裏切り、罠、怒り、謀略、暴力、権力抗争、出会い、別れ、…死、死、死、死……実に様々な要素が精緻に組み上げられており、だからこそ虚構と知りながらも現実を見せつけられている気分にはまり込みます。

 これをこのまま映画にしてほしいもんですが、半端な作品になるでしょうね。 それじゃ意味がないんで、まぁ 本で楽しむしかないでしょう。「楽しむ」って言葉がまず違うと言われそうではありますが。



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ハリウッド情報』

2014-04-07 07:21:04 | エッセー
タキさんの押しつけ映画評
『ハリウッド情報』



 滝川浩一の習慣映画評(転載)


“リベンジマッチ”スタローンとデ・ニーロのロートルボクサーの試合 “アデル ブルーは熱い色”アカデミー外国語映画賞ノミネートの予定でしたが、若い衆に譲りました。

 てな訳で、例によってハリウッド ボックスオフィス情報です。 アカデミー賞の時に、今年の傾向として書きましたが、何故か今年は“キリスト教テーマ”の映画が異様に多いのですが、まず一発目“SON OF GOD”キリストの物語が公開、3週しかランクインしませんでしたが5100万$の稼ぎ、微妙ではありますが、それなりの売り上げ。
 今週も二本、その類がランクインしとります。“アナと雪の女王”は先週ランク落ちしましたが、なんと18週間ランクイン、4億$売上。“トイストーリー3”を抜いてアニメ歴代一位、全作品中歴代十位(まだ上がる) 日本でも公開3週で50億円〓こいつはトイストーリー3を上回ってます。

 では、今週の成績。
⑩NON-STOP (5週ランクイン、8500万$)リーアム・ニーソン、今度は航空保安官で旅客機の中で暴れます。リーアムの映画はここんとこ全作それなりの売り上げですねぇ。

⑨300 Ⅱ (4週ランクイン、1億100万$)前作スパルタ対ペルシヤの戦いの続編、またまた大スペクタクル作品のようであります(6/20公開)

⑧ニードフォー スピード(3週ランクイン、3760万$)所詮、柳の下のなんとやら、来週には消えるでしょう。

⑦初登場SABOTAGE シュワルツェネッガー 今度はDEA(麻薬取締局)のチーフ……ところが客が入らず、スタート520万$ポッキリとお寒いです。

⑥グランド・ブタペスト・ホテル(3週ランクイン、2410万$) こいつがここ3週の台風の目!全米66館の限定公開なのにこの成績、ランク外から8位にジャンプ、以後週ごとに1ランク
ずつアップ、集客率が毎週100%以上。ドイツ占領下のブダペストのホテルを舞台に「おもてなしミステリー(?)」なんだとか、さて、どんなんかなぁ~

⑤GODS NOT DEAD(2週ランクイン、2170万$)無神論者の教授を相手に神の存在を証明する大学生のお話。 今の所、本作の裏事情が解らないんで、何とも言えないんですが、有名俳優無しでこのテーマだと、日本じゃ間違いなく無視ですな。輸入されるかどうかすら危うい作品です。

④Mr PEABODY & SHARMAN(4週ランクイン、9440万$)天才の犬とその養子のシャーマン少年の昔からあるコミックのアニメです。そろそろ1億$に乗りそうですが、アニメの売り上げとしては少々お寒い?

③MUPPETS MOST WANTED(2週ランクイン、3310万$)いつまでやるの? マペットはもうあきられてて、去年か一昨年 年間最低売り上げを競ったはずなんですけどね。 ただ、日本在住のヤンキーに聞くと「セサミストリート」は未だに人気があるってんですよ。ほんまか?

②ダイバージェント(2週ランクイン、9430万$)「トワイライト・サガ」と同じ作者のSF作品、人類が4グループに色分けされた未来、どのグループにも属せないダイバージェント(異端者)が発生する。まぁ、1億は超えますが この人の神通力にも「翳り」が見え隠れしだしてます。

①ノア 約束の舟(初登場、4370万$)さてさて、公開前物議をかもした問題作の公開、とりあえずは上々のスタートのようです。
 どんな物議を醸したかは全く知らんのですが、こんなもんは容易に解ります。アメリカには「聖書は一言一句違えるな!」っちゅうエウ゛ァンジェリスト(福音主義者)が多数いらせられます。こういう方々は、ほんの少しでも聖書を独自に解釈したりしたら怒り心頭、一切認めません。ところが、本作の監督以下出演者一同、「叙事詩(聖書)には色んな解釈ができ、アレンジ出来る」だの「短い聖句も想像力を働かせれば、より多くを学べる」だの……etc. はては「聖書を基にしたが、異教の教えにも共通する、普遍的な物語」なんぞと言うとりますから、こらもう原理主義者に対して喧嘩売ってるのと同じです、モメへんはずがない。私には映画製作者の主張の方がまともに聞こえますが、兎に角 作品を見てみないと何とも言えません。6/13公開、さぁて、どんな作品なんでしょうね。 ラッセル・クロウ/アンソニー・ホプキンス/エマ・ワトソン(ハーマイオニー)他、スター競演、顔ぶれだけでもゴツい作品です。

 さて、ひょっとしたら来週も映画無しかもしれません。何をウダウダ書きましょうかねぇ。


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高校ライトノベル・音系MAPに青春をかける高校生ラノベ

2014-04-05 13:54:46 | カントリーロード
音系MAPに青春をかける
高校生ラノベ
       


 間もなく新学年が始まる。でも、多分行けない……。

 それが聞こえ始めたのは、二学期の終わり頃だった。
 現代社会の授業を受けているときに、それは聞こえた。

 プァーン! プァーン! キキー! ガッシャン! ガラガラ……グシャ。

「ワッ!」思わず声が出た。教室のみんながあたしを見た。
「どうした成島?」
「す、すみません。む……虫が飛んできたんで」
 あたしは、居もしない虫のせいにした。

 本当は聞こえていたんだ、あのクラッシュの音。

 高橋先生は、自分達の街を知ろうということで、この街の地図をプリントして授業をしていた。案外市役所や図書館の位置など分からないものだなあとか、中には、自分の家の位置が分からない者などがいて、案外楽しい授業だった。
 
 そのうち地図から音がし始めた。

 最初は、窓から入ってくる街の喧噪かと思った。ようく周りを見渡すと、どうも音源は、あたしの地図だ。最初は、音も微かで、楽しい錯覚ぐらいに思っていた。それが、次第に大きくなり、さっきの電車の警笛と自動車のブレーキ音。そしてクラッシュ! 音からすると車は電車に引きずられグシャグシャになった様子。場所は、街の駅から一つ離れた私鉄と国道の交差する踏切。四階のあたしの教室からよく見える。
 そっと、そちらの方を見てみると、何事もなく電車も車も通っている。

 なんだ、幻聴か。

 あたしは生理が近くなると、不思議な体験をすることがある。気だるく寝っ転がっていてテレビのリモコン取るのも億劫なとき、気が付くと手許にリモコンがきていたり、あ、スマホがかかると思ったら、直後にほんとに着メロがして、ああ、ヨッコからだと思ったら、本当にそうだった。
 で、今度も、それの一種かと気楽に思った。

 その日の下校途中、本当にその音だけでなく、光景を見てしまった。
「ヨッコ、危ない!」
 側に居たヨッコの袖を思い切り引っ張った。直後に自動車の大きな部品が目の前に飛んできた。
 あたしが声を掛けなければ、ヨッコは頭を潰されていた。

 それから、地図=MAPを見ると音がするようになり、その何時間かあと、本当に事件や事故が起こるようになった。

 ある時など、商店街の宝石店に自動車で突っこんで強盗が入り、ガラスケースやら、店の中をグシャグシャにして、ほんの二三分で逃げていく音がした。同時に商店街のアーケード入り口の機械時計が五時の時報を打つ音がした。時計を見ると五時五分前だった。
 あたしは、迷わずに警察に電話した。
「あと五分で商店街のSS宝石店に強盗が車で突っこみます!」

 警察は、すぐにパトカーを走らせ、犯行の真っ最中の犯人を全員逮捕した。

 で、あたしのところにも警察が来た。当然だろう、犯行を予告したのだから……。
 けっきょくは、なにも証拠もないので、お構いなしになった。だけど、世間に知られてしまい、マスコミに晒されるようになった。二三回はつきあったが止めた。結局は変人と思われただけだから。このままではマスコミのオモチャにされることは見えていた。

 そんなこんなで、三学期に入ると、ほとんど学校に行かなくなった。

 世間が落ち着いたので、新学年からは行ってみようかと思ったが、地図を見るとみんなの悲鳴が聞こえた。若い男がナイフを振り回して、誰彼構わず切ったり刺したりしている。ちょうど登校時間だ。せっかく世間が忘れかけているのに……。

 気を取り直して、パソコンのマップをアトラス(世界地図)に切り替えた。

 さすがに、地球規模にすると静かなものだ……突然、ある地点で強烈な光を感じた。視覚で感じたのは初めてだ。直ぐ後に、猛烈な爆発音。これは……核爆発以外にあり得ない。
 あたしは、お父さんを説得して、その日のうちに街を離れた。

 あたしが住んでいる街? それは混乱が起こるから言えません。



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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ書評・隆慶一郎“一夢庵風流記”

2014-04-05 08:22:14 | 読書感想
タキさんの押しつけ書評
隆慶一郎“一夢庵風流記”



これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している書評ですが、もったいないので転載したものです。



新感線の五右衛門を見て、隆さんが読みたくなりました。

 本作は原哲っちゃんの“花の慶次”の原作であります。 一代の傾希者(すきもの)前田慶次郎を主人公にした伝奇物語、何遍読んでも 読み出したら止まりません。
 前田慶次郎っても殆どの方には馴染みがないかもしれませんが、もとの出自は滝川一益の一党、それが前田利家の兄の養子となり、本来なら前田家の家督相続人だったが、主君信長の指図で前田家家督は弟の利家に譲られた為、養父利久の死を持って前田家とは縁が切れる。まるで戦う為に生まれたような人で、数少ない記録からだけでも、その剛勇、想像にかたくない。
 以前、NHKの大河で及川ミッチーが演じとりましたが、全くのイメージギャップ、なんで? と思ったもんです。
 前田慶次郎は記録や残存する旅日記からみて、単なる野卑な武人ではなく、深く広い教養人であった事も間違いありません。

 “カブク”=“反権威”ですから相当の覚悟と腕前がなければかぶけるものではありません。 織田信長にせよ秀吉にせよ一代の傾希者であった事は違いありませんが、その事よりも“天下人”としての評価が先に来て、その視点から見られる為、自由な一個の人間としての評価は二の次になります。その点 慶次郎は浪人を貫いた(最後は米沢藩上杉家の御家人になりますが)ので、個人としての生き様はさらに鮮烈に浮かび上がってきます。
 四代以降の徳川の時代、戦が無くなり、それでも中央集権/幕府の権威を保つ為、無理矢理持ち込んだ儒教による「主、主たらざれども 臣、臣たるべし」なんてな雁字搦めの存在ではなく(…こんな時代には“カブク”なんてな不可能)武士がもっと自由だった時代に生きた傑物のお話。
 恐らく日本人が世界最強の戦人だった時代(世界中の鉄砲の半数近くが日本に有ったと言われています) “
 唐入り”が秀吉の妄想(と決めつけるのは酷かもしれませんが)ではなく、信長が生きていたなら、もっと違う展開やったんでしょうね。少なくとも制海権を奪われるような無様は無かった筈です。  まぁ 繰り言です。武士がまだまだ自由であった時代においても、さらに突き抜けた存在だった男の物語です。“秩序”ってのは有り難いもんで、ルールに従っていさえすれば身の安全は一応保証されるんですが……そんな世界に息苦しさを覚える魂も……特別な存在じゃなく、誰の中にも少しはあると思います。そんな憂さを払ってくれるお話です。



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