頑固爺の言いたい放題

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和牛の輸出先No.1はカンボジア!?

2018-07-28 12:55:23 | メモ帳

2017年度の冷凍和牛の国別輸出統計には、常識では理解し難いデータが示されている。それはカンボジアが仕向け国の第一位であること。冷凍和牛の全輸出量1,402.9トンに対し、トップがカンボジアの567.1トン(40.4%)、第二位が香港の332.5トン(23.7%,第三位がタイの117.7トン(8.4%)。

この現象は2017年だけのことではなく、2016年はカンボジアが362.7トンで第2位だったし、2018年に入ってもカンボジアが独走を続けている。

http://lin.alic.go.jp/alic/statis/dome/data2/i_pdf/8000a-8000b.pdf#search=%27%E5%92%8C%E7%89%9B%E8%BC%B8%E5%87%BA%E9%87%8F%27

失礼ながら、カンボジア人に価格が高い和牛を食べるだけの経済力があるとは思えず、中国に密輸されていると見るのが妥当である。そういう疑いの目で見ると、タイの第三位も怪しい。

では、冷蔵牛肉ではどうなのか。全輸出量1,563.7トンに対し、香港が435.5トン(27.9%)でトップ、台湾が335.7トン(21.5%)で第二位、米国が327.9トン(21%)で第三位。冷蔵は日持ちしないから、統計上の仕向け国で消費されると見ていいのではないか。

つまり、香港は別として、冷蔵牛肉と冷凍牛肉の輸出先が大きく異なることから見ても、冷凍牛肉はカンボジアから中国に再輸出されているのではないか、という推測が成り立つ。なお、中国は日本産牛肉には狂牛病の疑いがあるという理由で、輸入を禁じている。

私の推理は次のようである。

2007-8年ごろ、日本の冷凍牛肉輸出先No.1はベトナムだった。だが当時もベトナムから中国に再輸出されていたことは間違いない。その後、ベトナムの規制が厳しくなったなどの理由でカンボジアが中継地になったが、プレーヤーは同じではなかろうか。

ともあれ、カンボジアで陸揚げされた和牛は、港の保税倉庫―つまり輸入税をっ支払わず―において、包装を米国産最高級コーベビーフ*のごとくに偽装され、中国(上海、北京など)に再輸出されているのではないか。

ところで、ジェトロは世界各地で日本産商品の宣伝活動を行っているが、ゆめゆめカンボジアで和牛の宣伝活動をしないようにお願いする(笑い)。

(注)米国にはブラックアンガス種の雌に和牛の雄を掛け合わせたWagyuがあり、高級レストランで消費されている。そして、Kobe Beefは最高級の牛肉として認知されている。

 

 



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