来る衆議院選挙の各党の公約を見ると、給付金とか減税など有権者にとって耳触りのいいものが目立つ。それらは確たる財源があるわけでもなく、結局は赤字国債(つまり借金)の発行で賄うことになる。
一方、文芸春秋に寄稿された矢野康治財務次官の「財務次官、モノ申す」は、歳出が税収を大幅に上回る状況が何年も続いており、国家財政が破綻に瀕していることを批判している。そして、この論考は衆院選挙の各党の公約のバラマキ的部分を批判していることになるから、選挙妨害だという声も上がって、論議の的になっている。
この矢野次官の主張はリフレ派(経済成長を優先せよと主張する論者)によれば誤りだという。すなわち、国債が自国通貨で発行されている限りは、国家財政は破綻しない。過去に破綻した例では、2012年のギリシャはユーロ建てで国債を発行していた。また2001年のアルゼンチンはドル建てだった。これに対して、日本は円建てだから問題ないという。
この理論を家計に例えれば、次のようになる。月収50万円の家計があったとして、毎月100万円の支出が必要なので、月に50万円の赤字になる。ところが、この家計は多額の資産を所有しているため、銀行が毎月の赤字程度なら簡単に貸し付けてくれるので、家計は維持されている。
この例における「多額の資産」とは、国民の銀行預金残高と企業の内部留保に相当する。そして、リフレ派は、矢野次官説はこの例における「多額の資産があること」を無視しているから誤りだという。
リフレ派の説明はその通りだと思う。しかし、税収をはるかに上回る歳出が毎年続いていることは異常であり、日本の問題点は財政赤字(矢野氏はこれを“ワニの口”に例えているーイラスト)が減るどころか、毎年増えていることにある。さらに、コロナ禍で“ワニの口”はさらに大きく広がった。
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税収を増やすには経済を成長させることが必要であり、これまで政府はその努力を続けてきたが実現していない。実際に、日本の経済成長率は年率2%以下で、他国よりも低い。そのために、国民所得は増えず、所得格差が広がりつつある。
これをどう解決するかが、日本の最大の且つ喫緊の課題である。
しているのは、今年8月末時点で国民
一人あたり、約10百万円もの借金を
背負っている世界でダントツの借金国・
日本の格付けが年々、下がっている事実。
税収を増やすって言ったって、日本人の
賃金がこのままで、所得が増えなければ
国の借金は、如何に円建で日本国民が
背負っているとは言え、減るはずもない。
日本の格付けが下がり続けると
どうなるか・・・。
たかを括ってる場合じゃないんだけどな。
同感です。矢野氏の発言でバラマキが減ることを期待しています。