ツィードのジャケットを4着ほど持っている。
カサが張るし仕舞うのに不便だが、冬は何かと重宝である。
ウールの厚手の生地だから着ていて暖かいし、またセーターと違ってそれなりに気を遣うところにも着ていかれる。
ハリス・ツィードのものが2着だがイギリス紳士と見られなくもない。まあ、それは言い過ぎだが、ジャケットだからセミフォーマルで通る。
オカブは着道楽のようだがそんなことはない。
ただ、身に着けるものは身に着けなくてはならないので、どうせならセンスの良いものを身に着けようとしているだけである。
コストは変わらない。
コーディネートはネットでこれはセンスがいいなあ、という写真に出会うとすぐ真似る。
大抵、手持ちのもので済ませられる。
とにかく流行のものを追って、今どきの黒一色のスーツをいい歳をしたおっさんが着ているのだけは願い下げである。
冬園や山門入らずの碑は立ちぬ 素閑
山がらすどこを惑うて冬の園 素閑
よみがへる黄河の景の冬の園 素閑
山水も須いずと枯れ瀬田の園 素閑
をともなく鈍く日の射す冬の園 素閑
枯れた園夜の紅蓮の炎かな 素閑
蹴球の試合を終わりて冬の園 素閑
峠越し里に至るや冬の園 素閑
狂乱のアリアも醒めて冬の園 素閑
暮れ時の戸を閉ざすころ冬の園 素閑
僧堂の香華も無きや冬の園 素閑