ボナール展が12月の初旬までやっていた。
新聞屋からタダ券をもらったので、かーたんと行こうと示し合わせていたのだが、なかなか時間が取れずお流れになった。
ピエール・ボナールはナビ派のなかでも中心をなす作家だが、オカブはどうも好きになれない。
彼なりの様式を確立して、その様式の中の枠でしか制作していない気がする。
そもそもナビ派はアカデミズムに対立して自らの主張をしてきたエコールのはずである。
それが「様式美」に陥っては目も当てられない。
ボナール展は行かなくてよかったのかもしれない。
雑貨屋の角まで続く年の市 素閑
年の市常の蕎麦猪口もとめたり 素閑
年の市勝手口より客一人 素閑
としのいち独りでかけて宵の月 素閑
年の市下駄のあゆみの進まじと 素閑
年の市ほうきを担ぎ銃のごと 素閑
年の市しをせんべいを商ひぬ 素閑
年の市むかしのいひなずけ遭ひぬ 素閑
年の市香華も果てた辻地蔵 素閑
年の市四楽章は疾く過ぎて 素閑
年の市御山のぼれるけむりかな 素閑