麦酒は大好きだ。
しかし日本のビールはお米の臭いがしていかん。
さりとて輸入物のビールが美味いとは限らない。
ビールの本場は?と聞かれるとちと迷う。
麦酒の原型は古代エジプトからあったという。
中世にはヨーロッパではビールは広く飲まれていたが、当時はホップがなかったので、大麦を発酵させたものに蜂蜜とクミンをぶち込んで、とても不味いものだったらしい。
その反動で地中海地方で飲まれていた葡萄酒のほうがヨーロッパでは普及した。
近代になってホップが栽培され、ビールを作るのはホップと淡水と麦芽と酵母のみにせよ、との「ビール純粋令」を発したのは時のドイツ、バイエルン公ヴィルヘルム4世。
爾来、ビールはドイツの飲み物という感覚が強くなった。
しかし、現在、一人当たりのビールの消費量がいちばん多い国はチェコ。
麦酒も『ピルスナー・ウルケル』をはじめ貴重で名高い銘柄がそろっている。
そういう訳で、ビールもそれなりの歴史と文化に支えられてきたので、たかがビールごときと言う莫れ。
さて、今日も寒いが冷やしたビールを開けようか?
後の世に残すものなし年惜しむ 素閑
巷では良かれで満ちぬ年惜しむ 素閑
年惜しむしじゅうの娘と六十路妻 素閑
手はこはばり脚はよろつき年惜しむ 素閑
とふ者も無き一人家や年惜しみ 素閑
疾き風に晒すもあはれ年惜しむ 素閑
過ぎたるはむかしの若き惜しむ年 素閑
麦を食い粟つく年を惜しみけれ 素閑
暮れなひや風の姿に年惜しむ 素閑
新聞もテレビもなけれ年惜しむ 素閑
厄ばかりある年なれど惜しみけり 素閑