ふと気がつくと、義母の葬儀から2週間以上も経っていた。
「そうだ、いただいた香典のお返しをしないと」
両親と姉からは、結構まとまった額をいただいたので、「選べるギフト」にした。時間にゆとりのある両親は「どれにしよう♪」と楽しみながら選んでくれそうだが、忙しい姉にはかえって負担になったかも……。
商品券などにすればよかったのではと、少々後悔している。
校長からも、個人的な香典をいただいたが、このお返しは難しい。というのも、少し前にお母さんを亡くした生徒がいて、PTAが規定通りに慶弔費を贈ったところ、学校あてに香典返しの品が届いて困惑させられたからだ。
「次にPTAが集まるのは2カ月先だし、これ、どうしよう。困ったな」
学校の代表として、保管することになった校長が、「なんで俺が」と弱っていた姿を思い出す。「お返しなしでお願いしますと言っとかないと、同じことがまたあるぞ」とも続けていたので、どうにもタイミングが悪い。
しかし、義母は非常に義理堅い人だった。「もらいっぱなしなんてダメよ、砂希さん。ちゃんとお返ししておいてね」と言うに違いない。さて、何にしよう。
「うーん、オンラインショップを探してみよう」
六花亭ではときどき買うが、今回はロイズがよいのではないかと閃いた。何の根拠もなく、ただ単に、何となく思いついただけであったが。PCからオンラインショップを開くと、多彩なラインナップが目に入り、思いつきが確信に変わった。
「へー、ハロウィンボックスなんていうのもあるのね。これは、うち用に欲しいな」
そそくさとカートに入れる。
「どうせ買うなら、ナッティバーも頼もうっと」
ロイズの商品はどれも美味しいが、とりわけナッティバー、フルーツバーは私の好物だ。これを外すわけにいかない。
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「あ、校長へのお返しがまだだった。やばいやばい」
肝心のものを後回しにしてどうするのか……。私には、無意識に、自分のことを優先する性質がある。これは直りそうもない。
ギフトのタブをクリックすると、「おおっ」と感嘆する画像が視界に飛び込んできた。
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これはいい。ちょっとずつ、いろいろな種類が味わえるのだから、自分がもらったらウキウキすること間違いなしだろう。
パッケージの中身もスマートにまとまっている。
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「これにしようっと」
有料になった紙袋も一緒にカートに入れ、会計に進む。家に着くのは4日後らしい。東京から遠隔地の商品が買えるお手軽な時代に、あらためて感謝した。
「お、来た来た」
ちゃんと予定通りに荷物が到着していた。スイスの空のように鮮やかなブルーが眩しい。
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翌日、校長に渡そうとすると、予想通り険しい顔をされた。
「お返しなしって、この前話したよね」
「それはPTAじゃないですか。個人的にいただいたものなので、個人的なお返しです。奥様と一緒に楽しんでいただこうと思って」
校長は愛妻家だ。スイーツLOVEの妻を思い浮かべたのか、表情が柔らかくなり、包装紙のロゴに視線を落とした。
「ロイス? ロイズだったかな。北海道の会社だよね」
「そうそう、ロイズです。美味しいですよ。ほとんどの女性は好きだと思います」
「ふーん。じゃあ、お言葉に甘えていただきます」
喜ぶ妻の笑顔を想像したのかもしれない。意外と、素直に受け取ってもらうことができてよかった。
次の日。
校長室に呼ばれて行くと、コーヒーとフレンチトーストが用意されていた。
「やあ、昨日はありがとうございました。妻がすごく喜んでね、よろしくお伝えするように言われました」
「まああ」
ソファーに座り、コーヒーをいただきながら話を聞く。どうも、奥様はポテトチップスチョコレートが大のお気に入りらしい。詰め合わせの中から見つけて、狂喜乱舞したという。
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「夕飯の後に、半分食べようよ、食べようよって騒いでいたよ」
「あはは」
ということは、このフレンチトーストはお返しのお返しってわけか。
とんだお返し合戦になってしまった。
奥様、ナッティバーも入っていますよ!
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「そうだ、いただいた香典のお返しをしないと」
両親と姉からは、結構まとまった額をいただいたので、「選べるギフト」にした。時間にゆとりのある両親は「どれにしよう♪」と楽しみながら選んでくれそうだが、忙しい姉にはかえって負担になったかも……。
商品券などにすればよかったのではと、少々後悔している。
校長からも、個人的な香典をいただいたが、このお返しは難しい。というのも、少し前にお母さんを亡くした生徒がいて、PTAが規定通りに慶弔費を贈ったところ、学校あてに香典返しの品が届いて困惑させられたからだ。
「次にPTAが集まるのは2カ月先だし、これ、どうしよう。困ったな」
学校の代表として、保管することになった校長が、「なんで俺が」と弱っていた姿を思い出す。「お返しなしでお願いしますと言っとかないと、同じことがまたあるぞ」とも続けていたので、どうにもタイミングが悪い。
しかし、義母は非常に義理堅い人だった。「もらいっぱなしなんてダメよ、砂希さん。ちゃんとお返ししておいてね」と言うに違いない。さて、何にしよう。
「うーん、オンラインショップを探してみよう」
六花亭ではときどき買うが、今回はロイズがよいのではないかと閃いた。何の根拠もなく、ただ単に、何となく思いついただけであったが。PCからオンラインショップを開くと、多彩なラインナップが目に入り、思いつきが確信に変わった。
「へー、ハロウィンボックスなんていうのもあるのね。これは、うち用に欲しいな」
そそくさとカートに入れる。
「どうせ買うなら、ナッティバーも頼もうっと」
ロイズの商品はどれも美味しいが、とりわけナッティバー、フルーツバーは私の好物だ。これを外すわけにいかない。
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「あ、校長へのお返しがまだだった。やばいやばい」
肝心のものを後回しにしてどうするのか……。私には、無意識に、自分のことを優先する性質がある。これは直りそうもない。
ギフトのタブをクリックすると、「おおっ」と感嘆する画像が視界に飛び込んできた。
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これはいい。ちょっとずつ、いろいろな種類が味わえるのだから、自分がもらったらウキウキすること間違いなしだろう。
パッケージの中身もスマートにまとまっている。
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「これにしようっと」
有料になった紙袋も一緒にカートに入れ、会計に進む。家に着くのは4日後らしい。東京から遠隔地の商品が買えるお手軽な時代に、あらためて感謝した。
「お、来た来た」
ちゃんと予定通りに荷物が到着していた。スイスの空のように鮮やかなブルーが眩しい。
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翌日、校長に渡そうとすると、予想通り険しい顔をされた。
「お返しなしって、この前話したよね」
「それはPTAじゃないですか。個人的にいただいたものなので、個人的なお返しです。奥様と一緒に楽しんでいただこうと思って」
校長は愛妻家だ。スイーツLOVEの妻を思い浮かべたのか、表情が柔らかくなり、包装紙のロゴに視線を落とした。
「ロイス? ロイズだったかな。北海道の会社だよね」
「そうそう、ロイズです。美味しいですよ。ほとんどの女性は好きだと思います」
「ふーん。じゃあ、お言葉に甘えていただきます」
喜ぶ妻の笑顔を想像したのかもしれない。意外と、素直に受け取ってもらうことができてよかった。
次の日。
校長室に呼ばれて行くと、コーヒーとフレンチトーストが用意されていた。
「やあ、昨日はありがとうございました。妻がすごく喜んでね、よろしくお伝えするように言われました」
「まああ」
ソファーに座り、コーヒーをいただきながら話を聞く。どうも、奥様はポテトチップスチョコレートが大のお気に入りらしい。詰め合わせの中から見つけて、狂喜乱舞したという。
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「夕飯の後に、半分食べようよ、食べようよって騒いでいたよ」
「あはは」
ということは、このフレンチトーストはお返しのお返しってわけか。
とんだお返し合戦になってしまった。
奥様、ナッティバーも入っていますよ!
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
とっても役に立ちました。ありがとうございます
ただ...
ただ...
ただ、ダイエット中の小生にはツラい写真ばかりでした~
そういえば、そうでしたね……。
失礼をば致しました(汗)
写真はオンラインショップからお借りしましたが、実に美味しそうに撮れています。
私が撮っていれば、さほどツラくなかったかも。
ロイズは生チョコレートしが食べたことがありませんでしたが色々な種類があるんですね。
生チョコもいいですね。
なにしろ、チョコのコクや香ばしさが違います。
やっぱり北海道だな~と感心したりして。
あとはオシャレですよね。
チョコレートは見た目も大事(笑)
おもちゃを。
そのお返しが、バトンクッキーでした。
ロイズはどれも美味しくて、何もらってもうれしいですね。
ポテチョコも美味しすぎて、手を付けたら最後・・・
バトンクッキーもナイスですよね!
クッキーはサクサク、チョコはコッテリ、組み合わせのよさが人気の秘訣かも。
今はトリュフを食べています。
生協で売られていたものでつい(笑)
自宅用としてもありがたいです。