これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

誘いがいのない女

2012年09月13日 21時08分06秒 | エッセイ
 先月、ひょんなことから二科会の役員さんに会う機会があり、二科展の招待状をいただいた。



 美術鑑賞は大好きだ。「絶対行くぞ~!」と楽しみにして開催を待った。
 そして、ようやく国立新美術館に行く日が来たのだが……。

 大変、招待状がない!!

 どこにしまったか、まったく記憶がない。クリアファイルの中、バッグの中など、心当たりを片っ端から探してみる。せっかくいただいたのに、なくすとは何たる失態か。役員の方に申し訳なくて、一生懸命探した。結果、20分後に見つけることができた。
 バンザーイ!
 二科展は、絵画の他に彫刻、デザイン、写真がある。まずは1階の部屋に入ってみた。
「こんにちは」
「こんにちは」
 受付の方と挨拶を交わし、招待状を差し出す。案内図や出品者一覧をもらい、会場に入った。



 まずは彫刻からだ。力作ぞろいで、見るだけではもったいないと感じた。近くの係員に声をかけてみる。
「あのう、写真撮影はできますか?」
「はい。スナップ写真程度でお願いします」
 デジカメを持ってきた甲斐があった。気に入った作品を次々に撮り、絵画へと進んだ。
 一番目立つ場所に、福島の子供たちが描いた作品が飾られている。



 柔らかなタッチや明るい色づかいが「希望」や「再生」を連想させ、胸が熱くなった。いい絵だ。
 彫刻は1階だけだったが、絵画は数が多く、1階から3階に渡って展示されている。会場の広さに迷いながら、順番に見ていった。
 細部までを忠実に再現した風景画が目に留まる。描き手の優れた観察力と、巧みな筆づかいに感心した。次は、イラストのようにデフォルメされた外国の街並みに魅かれる。写真と違い、作者のフィルターを通した景色が心地よい。
 私は絵画の魅力を考えてみた。彫刻と違い、二次元の世界でありながら、見事な立体感を表現する技術や、シャッターを押すだけの写真と違い、自らの指で線を描き、色を塗るプロセスに感動するのだ。どの作品にも、作者の想いが込められていて、大きなエネルギーを感じる。
 たくさんの絵を堪能したら、仕事で消耗した体が充電できた。
 お腹のほうも充電しなくては。



 すっかり元気になって、家に帰った。
 しかし、大事なことに気がついた。

 しまった、役員さんの絵を見るのを忘れた!!

 こともあろうに、私は招待状をくれた二科会の役員さんの絵を見損ねたのだ。
 大失敗……。
 誰か、写メしてくれませんか~!?

☆追記☆
 心機朗さんのコメントに刺激を受け、2度目の二科展に行ってまいりました!
 後ろ暗い想いで過ごすより、「エイヤッ」と出かけたほうがいいですよね。
 役員さん、ちゃんと見せていただきましたよ。
 ありがとうございました。


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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (YUMI)
2012-09-13 21:43:26
福島の子どもたちの絵、いいですねー。
やさしい、明るい色合いで。
彼らの心がこの色のようだと良いのですが。
スイーツなかなか美味しそうです。

で、砂希さんの失敗。
ありそう、私もやりそう。
これーと思っていったのに、他のものに目を奪われ、これーを忘れる事ってありますよね。
お知り合いで他に行かれる方は?
いらっしゃったら、写メですね。
だめなら、見たふりしてなんとかごまかす?
返信する
絵画には… (Yano)
2012-09-13 22:11:39
絵画にはというより芸術全体に疎いので、個人的には鑑賞しても良さが分からないけど、強いて言うなら忠実な絵に惹かれるね。
関係ないけど、昔うちで亡くなったお祖父さんの写真が無かったので、たまたま生前描いてもらった似顔絵を葬儀で使ってたよ。それがそっくりで驚いた。
返信する
【ダイエット】 (心機朗)
2012-09-13 22:23:09
こんなとこにそんなことかいてだいじょうぶですか?デザート食べて満たされたお腹を減らすべく自腹で再見学行くしか無いでしょう。
いいものを吸収するのはホントいいですよね。
見てない作品が他にもあるようですから、行くっきゃナイト!
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Unknown (FREUDE)
2012-09-13 23:12:31
ブログ掲載許可をいただいて、よかったですね

撮影禁止やらブログ掲載は禁止やら
いろいろと規制が多いと
行く気になれないことが、ままあります

素直に評価したいだけなのですが…
返信する
思いがけないことが起きる (やいっち)
2012-09-14 03:56:58
肝心のモノ、見逃すこと、ありますよね。
でも、大切なのは、鑑賞(と食欲)を楽しむこと。
それができたら、言うことなしです。

小生も、一昨日、美術館へ久々、足を運びました。
向井潤吉という、古民家を描き続けたことで有名な方。
東京には彼の美術館があるけど、富山でようやく彼の展覧会があったのです。
めったにない機会。
今では見ることの叶わない古民家を素晴らしい絵で見る幸福を味わいましたよ。
返信する
ったくしゃーないヤツ! (陽水)
2012-09-14 12:48:33
今週末辺り「この前は時間を割いて来て頂き誠にありがとうございました。ところで私の画をご覧になり何か感想を頂ければ次の作品の参考にしたいと思います…」…そんな電話があったらどうすんの?なんて言って誤魔化すの?

さて!この先生はなんて言い訳するでしょう?生徒諸君!よぉ~く聞いておきなさい(笑)(笑)
返信する
スイーツ (砂希)
2012-09-14 21:28:08
>YUMIさん

実は、一念発起しまして、今日2回目の二科展を見てまいりました。
入場料の1000円は授業料です。
仕事帰りなら、移動の時間が節約できますし。
なにより、スッキリしてよかったですよ。
スイーツは、生クリームに見えてメレンゲなんです。
サクサクしていて美味しくいただきました。
ただ、中がソルベなので、家に帰ったら下痢しました(笑)
返信する
遺影 (砂希)
2012-09-14 21:34:13
>Yanoさん

じゃあ、そのおじいさんの遺影はイラストだったんだね。
なかなか味のあるお葬式だったようで…。
写実的な絵は、私も好き。
どうやったら、あんなに上手に描けるんだろうね。
でも、芸術家はエキセントリックな人が多い(笑)
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ありがとう (砂希)
2012-09-14 21:37:25
>心機朗さん

実は、見損ねたその日は「自腹で行かねば」と思っていました。
でも、時間がたつにつれ、「いいかな~」と流されちゃって。
友人ならではの厳しいご意見をありがとうございました。
気が変わらないうちに、仕事帰りに行ってきましたよ。
見てきて、スッキリです。
返信する
撮影禁止 (砂希)
2012-09-14 21:39:38
>FREUDEさん

でもまあ、撮影が目的で行くわけではありませんから。
それに、美術館は撮影禁止ばかりですからね。
写真がダメならダメで、諦めます。
行く気になれないということはありません。
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