長崎は坂の街である。
「ふうふう、バスに乗りたい……」
脂肪肝を抱える夫は、上り坂でも下り坂でも苦しそうだ。
「大した距離じゃないんだから歩きなよ」
「そうそう、いい運動だよ」
「ひいい」
妻と娘に追い立てられ、夫はいやいや歩いていた。原爆資料館から南へ南へと進んでいく。
「えーと、ひいらぎカフェ……あそこだ」
昼食のピークは過ぎていたが、店内は7割方、座席が埋まっていた。なかなかの人気店らしい。明るすぎない照明が、落ち着いたムードを醸し出している。まあ、写真を撮るには、もうちょっと明るいほうがありがたいが。
「おや」
壁の一点で目が止まる。いかにも長崎らしい絵が飾ってあったからだ。
「聖ミカエル」と書いてあるが、モンサンミッシェルにミカエル像とはあまりにも違う。
同じ大天使を描いたものであろうが、和のテイストで味付けすると、このような風貌になるらしい。長崎代表という存在感で、大いに気に入った。
「お待たせしました。開運チーズオムライスです」
この店ではオムライスが人気だという。ライスに載った玉子をサッと切り開き、ジュワーッという音が響くと幸運がやって来そうだ。ライスに入った肉も、しっかりした味がついていて美味しい。
食後のデザートには、シフォンケーキをおススメする。
ふわふわのスポンジになめらかな生クリーム。なにより、この「どデカ感」が素晴らしい。
ちなみに、翌日の昼食はグラバー園近くの中華料理屋に入った。
定番のちゃんぽん、皿うどんに加えてチャーハンも頼んだら、どれも3人分の取り皿をつけてくれた。親切だったし、満足のいく味を堪能して非常に得した気分になった。
シフォンケーキを胃袋に収めてお腹いっぱいになったあとは、市内をふらふらする。
「眼鏡橋に行ってみたい!」
娘が地図を指さし叫ぶと、夫が「よし!」と頷き道案内をした。この辺りには坂がないので、元気が出てきたようだ。天気に恵まれて何よりだった。この日は、キレイな眼鏡になっている。
川辺に下りて遊ぶ若者もいたが、さすがに50歳間近のオバさんが同じことをするわけにはいかない。我慢我慢。おっと、「コスプレやったじゃない」というツッコミはなしにしていただこう。
出島にも立ち寄り、タイムスリップ感を味わう。
すっかり暗くなってから、空港行のバスに乗るため長崎駅に向かった。
「あ、ツリーだ。キレイ~!」
「ホントだね」
たくさん遊び、食べ、学び、のんびり過ごせた旅行だった。
東京にいると、家事に仕事に趣味にと追われ、ゆっくり休める時間がない。でも、それは「怠けていない自分が好き」という理由だったり、「やることがないと生きている感じがしない」という思い込みのせいではないか。
長崎では、注文してから料理が出てくるまでの待ち時間が長かった。路面電車もバスも、待ち時間が多少はあったが、何も考えずにボーッと過ごすことがイヤではなかった。
東京に戻った今も、なるべく心と頭を休ませる時間をとるようにしている。
航空機内で娘が撮った、とっておきの一枚。
休息のお供にどうぞ。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「ふうふう、バスに乗りたい……」
脂肪肝を抱える夫は、上り坂でも下り坂でも苦しそうだ。
「大した距離じゃないんだから歩きなよ」
「そうそう、いい運動だよ」
「ひいい」
妻と娘に追い立てられ、夫はいやいや歩いていた。原爆資料館から南へ南へと進んでいく。
「えーと、ひいらぎカフェ……あそこだ」
昼食のピークは過ぎていたが、店内は7割方、座席が埋まっていた。なかなかの人気店らしい。明るすぎない照明が、落ち着いたムードを醸し出している。まあ、写真を撮るには、もうちょっと明るいほうがありがたいが。
「おや」
壁の一点で目が止まる。いかにも長崎らしい絵が飾ってあったからだ。
「聖ミカエル」と書いてあるが、モンサンミッシェルにミカエル像とはあまりにも違う。
同じ大天使を描いたものであろうが、和のテイストで味付けすると、このような風貌になるらしい。長崎代表という存在感で、大いに気に入った。
「お待たせしました。開運チーズオムライスです」
この店ではオムライスが人気だという。ライスに載った玉子をサッと切り開き、ジュワーッという音が響くと幸運がやって来そうだ。ライスに入った肉も、しっかりした味がついていて美味しい。
食後のデザートには、シフォンケーキをおススメする。
ふわふわのスポンジになめらかな生クリーム。なにより、この「どデカ感」が素晴らしい。
ちなみに、翌日の昼食はグラバー園近くの中華料理屋に入った。
定番のちゃんぽん、皿うどんに加えてチャーハンも頼んだら、どれも3人分の取り皿をつけてくれた。親切だったし、満足のいく味を堪能して非常に得した気分になった。
シフォンケーキを胃袋に収めてお腹いっぱいになったあとは、市内をふらふらする。
「眼鏡橋に行ってみたい!」
娘が地図を指さし叫ぶと、夫が「よし!」と頷き道案内をした。この辺りには坂がないので、元気が出てきたようだ。天気に恵まれて何よりだった。この日は、キレイな眼鏡になっている。
川辺に下りて遊ぶ若者もいたが、さすがに50歳間近のオバさんが同じことをするわけにはいかない。我慢我慢。おっと、「コスプレやったじゃない」というツッコミはなしにしていただこう。
出島にも立ち寄り、タイムスリップ感を味わう。
すっかり暗くなってから、空港行のバスに乗るため長崎駅に向かった。
「あ、ツリーだ。キレイ~!」
「ホントだね」
たくさん遊び、食べ、学び、のんびり過ごせた旅行だった。
東京にいると、家事に仕事に趣味にと追われ、ゆっくり休める時間がない。でも、それは「怠けていない自分が好き」という理由だったり、「やることがないと生きている感じがしない」という思い込みのせいではないか。
長崎では、注文してから料理が出てくるまでの待ち時間が長かった。路面電車もバスも、待ち時間が多少はあったが、何も考えずにボーッと過ごすことがイヤではなかった。
東京に戻った今も、なるべく心と頭を休ませる時間をとるようにしている。
航空機内で娘が撮った、とっておきの一枚。
休息のお供にどうぞ。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
最後の“とっておきの一枚”に
釘付けです~
とっておきの1枚のことは忘れていました…。
実はもっとあるのですが、これが一番いいかと思います。
眼鏡橋には私も感動しましたよ。
曇りの日に見ても、輪にはなりませんからね。
食べ物では、シフォンケーキが一番でした(笑)
私はチーズケーキ、夫はザッハトルテにしたので、こっちにすればよかったと後悔しました。
しかし、娘が食べきれずに分けてくれたので、この美味しさがわかりました。
長崎よかとこ、でした。
7:25の飛行機でした。
ちょうど窓際に座っていた娘が感動して撮った富士山です。
いくつかのアングルから撮影したようですが、これが一番キレイでした。
冬ならではの景色ですね。
のっぺりしていますが、実のところ、斜面をよいしょよいしょと登っている人影があるのかも。
羽田空港で見た日の出もキレイだったんですよ。
やはり、絵になるのは晴れた日です。
やっぱり歩かないで必要以上のカロリーを摂ると太ります、あまり食べさせないほうがいいかも(笑)
でもチャンポンが出てきては食べない訳にはいかないでしょうね(*^^*)ポッ
聖ミカエルの絵は魁星の星座のイラストに似ているような気がします。
こちらは久々の正しい冬に翻弄されて冬季鬱になっちゃいました(_ _;)…パタリ
名物「卓袱料理」もほとんど食べられなくて残念でした。
いつかまた行けたら、じっくり味わいたいです。
そして、娘ちゃんのベストショット! 最高ですね。
機内アナウンスで「もうすぐ見えます」とか言ってくれるのでしょうか?
ランチが美味しそうです。ここのオムライスは食べれたけれどシフォンケーキが食べれなかったところですね。
長崎といえばチャンポンですよね。
冬季鬱とはいけませんね。
関東圏は住みやすいですよ。
それでも鬱の人はいますが、仕方ないかと。
チャンポンも皿うどんも美味しかった~☆
中華街は最高ですね。
でも、ちょい高級中華料理店が満席で残念でした。
九州は気候もいいので、冬季鬱はなさそうです。
今回は卓袱料理なしでした。
市内に有名店があるのですが、時間的に無理だし。
長崎和牛は外せません。
海の幸も豊富で、お寿司も美味しいです。
体調が悪かったとはお気の毒に。
機内アナウンスはありますよ。
間もなく左手に富士山が見えます、などと機長が教えてくれるんです。
右寄りの席だと「くううう~」となりますね。
ラッキーでした。
オムライスは変わった味でした。
美味しかったのですが、牛肉を使っているのかも。
夫はハンバーグを注文しました。
焼き立てのアツアツが運ばれてきて、こちらも美味しそうでしたよ。
東京でチャンポンを食べると、やたらと太い麺に驚かされます。
でも、ここのは太くなかったなぁ~。
食べやすさも二重丸でした。
ぜひ、行かれてみてください。