群馬県南牧村は日本一の高齢化率の村。「何処から見ても空が三角」と南牧村の人が言う。急峻な山に囲まれているせい。人々はその山にへばりつくように暮らしている。子供もいない。消滅集落に向かって進んでいる印象が拭きれない。それでも村の人は意外と明るい。将来への不安はあるだろうけれど、村の暮らしを楽しんでいるようにも見える。
いつも通る南牧から佐久(長野県)に抜ける林道大上線。この途中に自然公園がある。自分はとてもフォトジェニックな森だと思っている。以前、ここで林業の仕事をしていた人に話を聞いた。
「クマはいませんか?」
「いるよ。」
「よく会いますか?」
「よく会うよ。お互い知らんぷりしてるけどね。」
自分も以前ここに来る途中で怪我をしているクマを見かけたことがある。クマが普通に暮らしている森。まだ死んでいない。
今現在、この林道は土砂崩れで通れない。
上野村の慰霊碑。地元の小学生が植えたマリーゴルドが咲いていた。