この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『ザ・レイド』、史上最狂の悪役はコイツだ!!

2012-10-28 22:28:44 | 新作映画
 ギャレス・エヴァンズ監督、イコ・ウワイス主演、『ザ・レイド』、10/27、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2012年41本目。


 自分は普段、基本的に脚本を重視して映画を観ていますが、ひたすらアクションだけが続く、アクション100%の映画もそれはそれで好きだったりします。
 その好きなアクション映画の中でさらにどんなアクションシーンが好きなのかというと、それはもう何といっても格闘戦ですね。武術の達人と達人が己の肉体のみを武器にして、生死をかけて戦うバトルほど燃えるものはないとすら思っています。

 しかし、よくよく考えてみると武術の達人と達人が己の肉体のみを武器にして、生死をかけて戦うなんてシチュエーションはそうはありえないんですよね。
 なぜなら、武術の試合で戦うのであれば生死をかけるなんてことはまずありえないし、逆に生死をかけて戦うのであれば、己の肉体のみにこだわらず、銃や刀など使えばいい。

 だから、優れたアクション映画というのは、単純にアクションの出来がいいというだけでなく、そういったありえないシチュエーションを成り立たせるだけの説得力が必要だと思います。
 そしてインドネシアからやってきた、この『ザ・レイド』は一人の悪役のおかげでこれ以上ないっていうぐらいその説得力がありました。
 その悪役の名前は「マッド・ドッグ」。
 
 名前の通り、このマッド・ドッグは最狂にイカれてます。
 どうイカれているかというと、コイツ目茶目茶正々堂々と戦うんですよ。
 最狂にイカれた悪役が正々堂々と戦うって、何言ってんだ、と思われるかもしれませんが、ほんとにそうなんです。
 自分が拳銃を所持していて、絶対的に有利な立場であっても、「俺にはこんな小道具、必要ない」みたいなことを言って、警官の一人に素手で戦いを挑むんです。
 まぁそれぐらいなら己の戦闘スキルに絶対的な自信を持っているから、という説明がつかないでもないです。
 しかし、クライマックスではわざわざ人質を解放し、自ら主人公に対して二対一の戦いを仕掛けるんですよ。
 おかしいでしょ?別段、人質を盾に取らなくても、主人公とタイマンで決着をつければいいのに、何で自ら不利になるような真似をするのか。イカれている、としか言いようがありません。
 しかも二対一で戦いながら、主人公たちをあと一歩のところまで追い詰めますしね。
 最後は、それ、反則だろ、みたいなやり方で主人公はマッド・ドッグを倒すんですが、主人公側が二人で悪役と戦い、しかも反則みたいなやり方で倒すというのは観ていて非常に新鮮でしたね。
 ちなみにこのマッド・ドッグ、見た目は貧相なオッサンで、貧相なオッサンが最強のシラット使いという設定も非情に斬新に思えました(シラットというのはインドネシアの武術)。

 昨日レビューを書いた『009 RE:CYBORG』も相当上映館が少なかったんですけど、本作の上映館はそれに輪をかけて少ないです。九州ではわずかに三館のみ!!
 アクション映画好きという方は、僥倖にも近くのシネコンで本作が上映されていたら、絶対に観に行った方がいいですよ。
 超絶的なアクションがひたすら続く、至福の時間が味わえますから。
 しかし、血を見るのが苦手、っていう人は観に行かない方がいいでしょう。
 たぶん最初の銃撃シーンだけで失神すると思うので…。


 お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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『009 RE:CYBORG』、思っていたよりも楽しめたんだけど、、、

2012-10-28 17:01:58 | 新作映画
 神山健治監督、『009 RE:CYBORG』、10/27、Tジョイ久留米にて鑑賞。2012年40本目。


 昨日は朝の九時二十分からTジョイ久留米で『009 RE:CYBORG』、午後二時十分からユナイテッドシネマキャナルシティ13で『ザ・レイド』を鑑賞という結構な強行スケジュールで映画を観てきました。
 余力があれば『ザ・レイド』に続いてさらに『アルゴ』を観ようかと思っていたのですが、『ザ・レイド』を観終わった時点ですでにクタクタで、家に帰りつくのがやっとという有様でした。
 今さらながら自分の体力のなさを痛感する、、、というか、自分にとって映画鑑賞というのは体力を消耗するものなのだな、ということを痛感しました。
 だからといって映画を観るのを止めようという気はさらさらないのですが。

 さて、『009 RE:CYBORG』なんですが、観る前は、石ノ森章太郎の壮大な原作をどうやって二時間にまとめるっていうんだろう、前売り券を買ったのは失敗だったかな~なんてことを思っていたのですが、実際観たらそれなりに楽しめました。
 まず何といっても超絶的に絵が美しい!!
 それにアクションシーンの迫力のあること!!
 この二点で本作に文句をつける人はおそらくいないでしょう。
 これまで神山健治監督の作品を(意識して)見たことはなかったのですが、なるほど、評価が高いのも頷ける、と思いました。

 しかし、、、ストーリーはぶっちゃけまーったくわかんなかったですね。笑。
 だいたい、来たるべき時にリーダーになるために高校生活を延々と繰り返す島村ジョー、という設定がよくわからない。
 来たるべき時にリーダーになるというのであれば、時事問題や国際情勢、さらには最新科学なんかにも通じていないといけないと思うのですが、、、そういったことより女子高生のトレンドの方が重要だとギルモア博士は考えたのでしょうか?否定は出来んけど。笑。
 
 記憶を呼び覚ますための手段がタコ殴りにすることっていうのも乱暴すぎると思いました。もっと安全に記憶を戻す方法を最初に設定しとけよ、と突っ込まずにはいられませんでしたね。
 もしかしたら安全に記憶を戻す方法はあったのだけれど、フランソワーズがタコ殴りにされるジョーを見たかったのかもしれませんね。世の中には愛する男性のボロボロになる姿を見ると燃える、という性癖を持つ女性もいると聞きますから。
 まぁさすがにそれは考えすぎかもしれませんが、本作のフランソワーズがアダルティーだったことは確かです。
 再会を果たしたばかりの飛行機の中で、二人きりになったらいきなり下着姿でジョーに迫っちゃうのですよ。同じ機内にいたジェロニモが不憫でなりませんでした。笑。

 わかりにくかったのはそこだけじゃなく、結局敵が何をしたかったのかも自分には理解できませんでした。
 今回の敵は通称「彼の声」と呼ばれる、ぶっちゃけ「神」なんですけど、目的が人類の滅亡にあるのか、再生にあるのか、よくわかりませんでした。
 物語は、神がジョーの叫びを聞き入れ、サイボーグ戦士たちは人類再生の道を探す、みたいな終わり方を迎えるのですが、自爆テロを装っていくつもの都市のビルを崩壊させ、さらに中東の都市を核兵器で消滅させといて、今さら人類再生も何もあったもんじゃないよなぁと思ったのは自分だけではないはずです。

 まぁストーリー的にはいろいろ納得できないこともありましたが、前述の通りヴィジュアルとアクションは非常にクオリティが高いものがあるので、ストーリー上の細かいことは気にしない♪という方は観に行ってもいいんじゃないかと思います。

 でも本作ってTジョイが製作にかかわっているせいか、案外全国的に上映館が少ないんですよね。九州でも福岡で四館のみの公開だし(『神秘の法』なんて二十四館もあるのに!)。
 シネコンが製作にかかわること自体は別段悪いことではないと思うけど、それで公開館が少なくなるのは如何なものかと思います。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (4)
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