「旅に出たい病」は不治の病 『世界の車窓から』『ヨーロッパの車窓だけ』編

2024年10月25日 | 海外旅行

 「旅に出たい病」は不治の病である。

 人には様々な持病というものがあり、腰痛とか胃カタルとか外反母趾とかそれぞれあるだろうが、私の場合これが、

 

 海外旅行したい!」

 

 という発作なのである。

 ヤングのころから、ヒマさえあればザック背中に世界へ飛び出すバックパッカーというやつだったが、ときにはがなかったり休みが取れなかったり、その野望をはばまれることもあるものだ。

 そんなときは、第二次大戦中のドイツ軍コーヒーの不足を補うために「どんぐりのコーヒー」を飲んでいたように、代用品で欲望を沈めることになる。

 そこで今回は、そんな「旅のどんぐりコーヒー」を紹介してみたいが、まず最初に出てくるのが『世界の車窓から』。

 旅行したい欲が吹き出すときに、ヨダレをたらしながら旅行記ガイドブックや『トーマスクック時刻表』をダラダラ拾い読みするのはよくあることだが、『世界の車窓から』もその一環。

 絵面は綺麗だし、旅番組によくある「仲良し芸能人のおしゃべり」みたいなものないし、時間も短いからお手軽なところもグッド。

 また、かかっている音楽も楽しみで、アフリカオセアニア東ヨーロッパ南米など、ふだんはなじみのない地域の曲がかかっていると、アマゾンYouTubeなどで検索してみたり、ワールドワイドな気分が味わえるのも良い。

 あと、似たようなのでBS12トゥエルビでやってた『ヨーロッパの車窓だけ』というのもある。

 これはすごい番組で、なんと本当に「車窓だけ」を流すというもの。

 ナレーションもなければ、観光名所グルメ情報もなし。カメラの切り替えすらないという、車窓オンリーのノーカットノー演出映像。

 つまりは、それこそがカメラを車窓の見える位置に置いて、そのまま無言撮影しただけの映像と同じなのだ。

 シュールというか、テレビやYouTubeなどでときどき「やらせ」が取りざたされる中、そんなもんしようのないストイックすぎる姿勢だ。企画したヤツ、気ィ狂ってるんちゃうか。

 てゆうか、だれが見るの? まあ、オレが見るんやけどさ。

 さすがに、ひとりでジーっと見てるのはしんどいけど、一杯やりながら友人と旅話に興じるには最高BGV

 ただガタゴトとレール音が鳴るだけの静かな画面は、昼寝のお供にもピッタリだ。起きたらパリプラハにでも着いてたらいいのに。

 

 


 (『世界の車窓から』あえて地味なルーマニア編)

 (『ヨーロッパの車窓だけ』ブダペストからザルツブルク) 

コメント
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