地味とか言うな! 元・平城京の「奈良先輩」のボヤき

2021年12月01日 | 海外旅行

 「奈良って、なーんか地味なんよなあ」

 あるとき、あんこう鍋をつつきながら、そんなボヤきを発したのは、友人オウジ君であった。

 オウジ君は奈良県の出身なのだが、おたがいの地元トークなどで盛り上がると、ときおりこういう自虐モードにはいることがある。

 たしかに、大阪人の私から見ても、奈良は地味である。

 一時期、仕事の関係で奈良によく行く機会があり、その際オウジ君のような奈良人に、

 「どっか、帰りに寄れる、ええとこない?」

 と訊くのだが、これが決まって、

 「いやー、別に

 これが京都なら、

 

 「将棋ファンやったら、南禅寺とか行ってみたら?」

 「冬なら、雪化粧した金閣寺とかきれいよ」

 「京都のパンとスイーツは、ハズレがないから安心して」

 「学生の街やから、古本屋めぐりが充実してるねん」

 

 なんて、いくらでも出てくるのだが、これが奈良だと、

 

 「観光地? どこもアクセス悪いで」

 「遊ぶ場所? 大阪でええんちゃう?」

 「食いもん? 【奈良にうまいもんなし】っていうから」

 

 けんもほろろ。

 たしかに、見どころはなくはないが、場所がバラバラで周りにくいし、メシ名物とかピンとこない。

 奈良公園の鹿はかわいいけど、スレていて、案外獰猛だったりするし。

 人もおだやかで、全体的に大都市感がないというか、住むのには静かで良さそうだけど、他のアピールポイントが少なすぎるのだ。

 新幹線も停まらないしなあ。

 そんな奈良のさらなる弱点は、遺跡古墳のショボさ。

 いや、もともとは平城京なんだから、豪華絢爛な建物とかバンバンあったんでしょうけど、今ではその面影もない。

 実際に行ってみればわかるけど、歴史ロマンに誘われて、奈良の遺跡をめぐると、そのほとんどが

 「予算が足りなくて打ち捨てられた工事現場」

 みたいなのだ。その哀しさといったらない。

 近所の三角公園にある砂場みたいなところに、ロープで囲いがあって、

 「○○古墳」

 とかあった日には、腰が抜けます。これで、どうせえと。

 なんか、ウソでもいいから、もっと復元するとか、なんとかならんもんか。

 関西の番組で、笑い飯哲夫さんが奈良を案内する企画とかやると、たいてい、

 

 「え? これが遺跡?」

 「そうですよ。奈良が誇る、偉大な歴史的跡地です」

 「ただの石やん!」

 

 みたいな、自虐ノリがかならず出てきたもんです。

 本来、そのポテンシャルでは京都に負けていないはずどころか、歴史的には「先輩」「にいさん」のような存在のはず。

 それが、この格差では、オウジ君でなくとも、「もっと、がんばれ」と言いたくもなろう。

 一応、仕事でお世話になった義理もあるので、奈良には奮起していただきたいところ。

 私としては、『ガメラ3』の京都駅みたいに怪獣を誘致して、大仏とか五重塔とか、バンバン壊してくれるのを見たいのだが、どうか。

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ライトスピード・ガール 伊... | トップ | 大雪の決戦と「生涯の油断」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

海外旅行」カテゴリの最新記事