「日本語英語が標準英語になったら、すごい楽なのになあ」
なんてことを考えてしまうナマケモノ語学学習者は不肖この私である。
そこで前回はインド人に習って、
「キミの英語はなまっている」
と言われたら、
「いやいや、こっちのほうが正しい英語なんだよ」
と返すことにした話をした。
この「ガネーシャ作戦」に根拠などないが、あえて言えば
「インド人が言っているから正しい」
ともいえるわけで、これからもどんどん使っていきたい。
となると、やはりこれからもどんどん我々のような「ジャパングリッシュ」が普及してくれれば話が早くなるわけで、結構真剣に「世界標準」にならねーかなーとか夢想している。
一時期考えたのが、日本のアニメを使うこと。
いまさら言うまでもなく、アニメや漫画は世界で大人気のコンテンツ。
それに接したいがために海外のオタクは日本語を勉強し、「部活」「告白」のような日本の文化を吸収し、中には日本に旅行しに来たり留学したりする強者もいるほど。
カロリーナ・ステチェンスカ女流初段が『NARUTO -ナルト-』きっかけで日本と将棋に興味を持ち、ついには本当に女流棋士にまでなってしまったのは(残念ながら現在は引退)、将棋ファンには有名なところだ。
すごい影響力。ならば、これを利用しない手はない。
具体的には、海外に出すアニメのブルーレイや動画配信は全部「英語吹替」にする。
もちろん、そこでネイティブなんかに頼んではいけない。
英語のしゃべれない声優さんをチョイスして、カタカナ書きした英語台本を読んでもらうべきなのだ。
『葬送のフリーレン』や『アオアシ』の登場人物が、カタコトで平板な発音の「日本語英語」で話す。
こんなもん、むこうのアニメファンが見たら、絶対にマネすると思うのだ。
我々が海外のアーティストの曲をがんばって原語でおぼえてカラオケで歌うように、むこうでも「日本語英語」でセリフや曲に親しむわけだ。
さすればそのうち、
「逆に、なまっているジャパングリッシュこそがクール!」
逆転現象が起こるわけで、しまいには、
「阿呆か。チェーンソーマンがそんな流暢な英語でしゃべるわけないやろ! 素人か、このぼけなす!」
なんて言われたりするかもしれないのだ。
その意味では『ガールズ&パンツァー』でロシア語をしゃべる子がいたけど、あれはいかがなものか。
あれこそなまりまくった「日本語露語」。
いやいっそ、あそこも「日本語英語」にしてしまって、
「日本人は外国人の全員が英語をしゃべれると思っている」
という、ある意味失礼な勘違いをギャグにしてしまうという手もあるのではないか(昔の日本人は本当にそう思ってました)。
いやマジで、アニメを通じて
「日本語英語こそがクールである」
という同調圧力を仕掛けるのは、いいんじゃないだろうか。
なんて言ってると、
「そない、ちゃんとした英語を勉強したくないんか」
あきれられるかもしれないが、そもそも必要ない言語を学ぶのは大変だし、日本語と英語は「言語的距離」が遠く日本人には学びにくい言葉なのだ。
それもあって、やはり我々としては学習負担の軽減を工夫すべきであろう。
それか、英語よりも日本人に学びやすい言語に覇権を握ってもらうか。
日本語話者がマスターしやすいものと言えば、漢字を使う中国語。
とはいえ、中国語は発音がむずかしいしなあ。
じゃあ、朝鮮語、トルコ語、モンゴル語、マジャール語と言った日本語と同じ膠着語。
近い国だとケンカになりそうだから、トルコ辺りがいいかな。
ここは一番「オスマン帝国」復活を期待するべきか。
いや、いっそこうなったら「日本語」が覇権を握ればもっとも話が早いわけで、「大東亜共栄圏」の夢再び……。
……て、こんなこと言ってたらマジメな人に怒られそうだけど、英語が「共通語」になったのは、まさにこの「大英共栄圏」に成功したからなんだもんなあ。
日本があんとき勝ってたら、こんなことにはならんかったんやあ!
嗚呼、敗戦国はつらいよと、今日も大西泰斗先生のラジオ英会話を聴くのでした。
『一億人の英文法』を読み直したり、結局はコツコツが一番。なんて、つまんない結論!