けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

認知的不協和。

2004-07-01 18:48:26 | 研究
先日、研究室で皆で晩御飯を食べていたときのことです。
少し離れた研究室に所属する、同級のMHCがある問題を持ち込んできました。

結婚することが決まった女性が、モト彼に「私、今度○○さんと結婚することにしたの~」とわざわざ告げることがあります。これは、どんな認知的不協和状態を改善しているのでしょうか。あるいはそうすることによって、どんな協和状態が得られるのでしょうか。

くだらな~い、とか知らないよそんなこと、って感じですが、どうも彼女の教授が大真面目に、次の研究会までに整理しておくようにと言ったらしく。


認知的不協和。
フェスティンガーの認知的不協和理論は、人間が自分の気持ちや状態にそぐわない居心地の悪い状態(認知的不協和)に置かれたときに、その状態を自分で納得できるようにいろいろと正当化したり合理化しようとしたりすることを指します。

例えば、学生を何人か集めてものすごーーーーーくつまらない課題を与えます。課題が終わった後に、学生の半分には報酬を、残りの半分には報酬を与えずに「ありがとー」くらい言って、その実験を終了します。その後学生たちに「課題は面白かったか?」という質問をします。そうすると、タダ働きをした学生たちの方が「課題は面白かった」と答えるのです。つまらなくて、でもいいことは何もなかった。だから与えられた課題は、実は自分のためになるような面白いものだったんだ!そう思い込もうとするわけです。

上の女性はモト彼に「アタシ結婚するの~」と言うことで、どんな不協和状態を解消しようとしたのでしょうか?

……まじめに考えるべきことかどうかは不明ですけれどね。


ま、世の中は当然思い通りにならないわけで、認知的に不協和な状態とか物事のバランス関係が悪い状態なんてのは、しょっちゅう起こります。
例えばこんな例。

03/04のチャンピオンズリーグのモナコvsレアル・マドリー戦。
○私はモリエンテスが好きである。
○私はマドリーが好きである。
○モリエンテスはマドリーと対戦する。


私からマドリーとモリエンテスに向かう矢印はプラスの感情ですが、モリエンテスとマドリーの間は(一時的にですが)マイナスの関係にあるわけです。ということでこのとき私とモリエンテスとマドリーの関係は、バランス不均衡状態なのです。

これを解決するには、次のどれかを実行すればいいわけです。

○私がモリエンテスを嫌いになる。
○私がマドリーを嫌いになる。
○モリエンテスはマドリーと戦わない。


現実には、結局どれも実行しないまま試合は終わったのですが。っていうかどれも無理があるって。