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10分か長くても15分、それでも我々には、終わることがないように思えた。マジョルカのソン・サン・ジョアン空港への着陸前の接近、それはバレンシアニスタの一行、つまりクラブトップの人々、スタッフ、選手、数名のファン、それからlas provinciasを含むマスメディアの関係者たちにとって苦難となった。時速100km(秒速27~28m・・・)を超す強風が、まるでマッチ箱のように飛行機を荒々しく揺さぶった。左右に揺さぶられ、同時に、持ち上げられては急速に落下する。実に最悪の旅路だった。乗客たちは冷や汗をかき、またある者たちは飛行機酔いになり、顔面は大理石のような白さになった。
機長は既に、到着が難しいものになることを承知していた。しかし、誰もナーバスにはなっていなかった。なぜならバレンシアからの離陸は静かだったからだ。軽い揺れはあったが、何も深刻なものではなく何のトラブルもなかった。セサルは、何人かのジャーナリストたちに、イングランドでのフットボールの違いを説明したりしていた。
この新しいバレンシアのGKは、レアル・マドリーで一緒だったため最も知己であるモリエンテスの隣に座っていた。他の乗客たちも新聞や雑誌を読み始め、スチュワードたちはお茶をサービスしていた。すべてがノーマルであった。落ち着いていた。
しかしバレンシアからパルマ・デ・マジョルカまでの旅は短い。すぐにダンスが始まった。猛烈な風が飛行機に吹きつけ、全員がそれぞれしていることを忘れた。乗客全員がこの不安な旅に集中し、多くが自分が座っているシートもしくは前のシートをしっかり掴んだ。機内は少しずつ静かになっていった。最初の動揺があっても、まだいくつかユーモアを交えた皮肉めいた言葉も聞こえていた。しかしより悪い状況になると、すべてが異なってきた。セサルとモリエンテスはどちらも深刻な様子になった。モリエンテスは顔色を失ってこうコメントした。「何年もやってきたけど、今回は酷い旅になるかもね…」。一方でセサルは、もっとベテランであるので、顔を上げていた。
飛行機の前方では、ほぼ誰も話をしていなかった。後方では、多くの選手たちが思わず恐怖の叫び声をもらしていた。モレッティやシルバ、他に何人かが苦痛の時を過ごしていた。刻々と事態はより悪くなっていった。そしてエピローグとして、着陸。飛行機が滑走路に近づいたとき、機長は方向を定めるのに大いに苦労していた。突然、大きな音とリバウンドがあって、すべてが飛び跳ね、飛行機が着陸したことがわかった。最後には、神と、我々が着陸するのに責任を果たした人物の技術への感謝。機長は、もし風速があと10km/h強かったら、引き返さざるを得なかっただろうと述べた。着陸は不可能だっただろう。
外には壊滅的な光景が広がっていた。ハリケーンの風は重篤な損害をマジョルカの空港に与えていた。パーキングの周囲にある椰子の木のうち、2本が根こそぎ倒れていた。荷物を運搬する車だけが、風に乗ってすごいスピードで走っていた。ハイウェイを使うホテルへの移動にも、十分な注意が払われた。
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miyoさんからもご紹介があった、バレンシアからマジョルカに向かう飛行機内が地獄絵図だった、というお話です。おかげで……
08/09 Liga Espanola 1a division Jornada 20
Real Mallorca 3-1 Valencia C.F.
マジョルカの得点:フラド(8、42)、マルティ(41=PK)
バレンシアの得点:ビセンテ(72)
GK:グアイタ
DF:ミゲル、アルビオル(48、モレッティ)、マドゥロ(46、バラハ)、デルオルノ
MF:マルチェナ、エドゥ、マタ、シルバ、パブロ(46、ビセンテ)
FW:モリエンテス
録画したものを見直す気力なんてないので、今朝方ネットで見たものだけで感想。
実にひどい試合でした。特に前半。私が一番気になったのは両サイド。ホアキンの代わりに右サイドで出たパブロは、行方不明もいいところ。ミゲルがせっかく上がってきてもサポート的な位置や、パスをもらえるような位置にパブロが見当たらず、どこで何をしていたのかさっぱりわかりません。左サイドでは、デルオルノが攻撃参加するのは良いものの、出すパスやクロスの質が悪く、ボールを相手に取られては守備に間に合わない、という場面が。前目のシルバやマタとも合ってなかった。そしてこの出来のひどい両サイドを、フラドやバレラに突かれる、という展開。フラド良かったなあ。
上手く行っていないのに上がりたがりな両サイドの穴は、当初ピボーテで先発したマルチェナなどが埋めに行っていましたが、ディフェンスラインが簡単に裏を抜かれる場面が散見されました。1失点目はグアイタのミス。止めきれない勢いのボールだったのかもしれませんが、前にこぼしたらダメだ。2失点目は、交わされたアルビオルが相手を掴みに行って倒したところをペナルティの判定。倒したのはエリア外で、となるとペナルティではなかったんじゃないか、と現地では審判がまた問題視されていますが、正直、そんなことはたいした問題ではないと思う。とにかく、ここのところ失点が嵩みすぎです。
後半頭から、パブロとマドゥロを下げ、ビセンテとバラハがIN。マルチェナがディフェンスに下がり、ビセンテが左、シルバが右、マタがトップ下、という感じだったと思います。個人的には、デルオルノを下げてモレッティを入れてくれ、と思っていたのですが、まずはこれでサイドからの攻撃の補強と、最終ラインの建て直しか。と思ったのも束の間、アルビオルが負傷してモレッティと交代。後半3分で、3点ビハインドの状態で、交代カードを使い切る、というこれまた災難の状態になりました。
しかも、後半のわりと早い時間、接触プレイの後にモリエンテスが脚を痛そうにし始め…もう交代枠ないよ。
交代が効いた…とは思いませんが、前半よりはいくらかマシになった感じ。ビセンテがボールを持って突っかけるのが、それなりにアクセントになっていたと思います。でもビセンテ、持ちすぎだし中に入りすぎる感じがする。ゴールが決まったのは良いけれど、無理な位置から怖さのないシュートを打ったり、ドリブルで狭いところに持ち込んで取られたり。点差がある状態では、ちょっとイライラさせられます。
モリエンテスが脚を痛くしたせいか、そういう約束事なのか、モリエンテスが少し下がってボールに触りマタが最前線に飛び出す、という動きが印象に残りました。マタにはビジャっぽい役割を期待したのかな。マタ、こんな試合のわりには良かったです。
で、まあいかんともしがたく敗れたわけですが、なんかなあ……。エメリのローテーションってうまくいかないよなあ。エメリはローテーションで、チームをいじり過ぎる、と思うわけです。いくら同じチームで同じトレーニングをこなしてきていると言っても、11人のうち半分が入れ替われば、同じサッカーを同じレベルでやれ、というのは難しいのではないだろうか。しかもその「半分」は、試合経験が乏しい状態。
この試合では、FW1枚、右サイド、GKがいつもの選手ではない上に、左ラテラル、セントラル、ピボーテ2枚も、いつもと違う構成だった。それはうまくいかない部分も出てくるだろう、と。
「Aチーム」の選手たちの疲労の蓄積とか、「Bチーム」の選手たちにも出番を与えないととか、こんな時こそ普段出ていない選手はモチベーションを上げてがんばるべきだとか、チーム作りをする監督の言い分もあると思います。が、例えばこれまでの試合で、少しずつ「Bチーム」を「Aチーム」に混ぜていくとかしていれば……ま、難しい話です。
記事が見当たらなくなってしまったのですが、マドゥロとモリエンテスがフィジカルの問題を抱えて試合を終えた。モリエンテスは膝の打撲か何かで、試合終了時の最初の診立てでは、深刻な問題ではないだろう、とのこと。経過に注意。
エル・ブランコでした。
月曜日のトレーニング
バレンシアの今日のトレーニングの様子も出たので、ついでに。
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トレーニング開始前、エメリは選手たちに40分間話をしていた。エメリは昨夜の試合後のインタビューで、敗戦の責任は自分にあると認めている。
バレンシアはリーガでここkまで30失点を喫している。木曜に国王杯を控え、このディフェンスの問題を解決することが求められている。
月曜日、全体のトレーニングに加われなかった選手は7人。レナンとアレクシスの負傷者リストにアルビオルが加わり、一方で、ビジャ、ホアキン、シルバ、マドゥロが別メニューで調整した。ホアキンを除く3名は、木曜日の国王杯セビージャ戦に出場可能だろうとのこと。ホアキンはギリギリまで不明。
昨夜の試合で先発した選手は、パブロを除いて、リカバリートレーニング。それ以外の選手は負荷を上げたトレーニング。明日は休養で、水曜日に、セビージャに発つ前の非公開トレーニングを実施する予定。
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とのことです。別メリストにモリエンテスの名前がないのは、昨夜の負傷は問題なかったとみて良いでしょうか。もしかしたら忘れられただけかもしれないけど。
10分か長くても15分、それでも我々には、終わることがないように思えた。マジョルカのソン・サン・ジョアン空港への着陸前の接近、それはバレンシアニスタの一行、つまりクラブトップの人々、スタッフ、選手、数名のファン、それからlas provinciasを含むマスメディアの関係者たちにとって苦難となった。時速100km(秒速27~28m・・・)を超す強風が、まるでマッチ箱のように飛行機を荒々しく揺さぶった。左右に揺さぶられ、同時に、持ち上げられては急速に落下する。実に最悪の旅路だった。乗客たちは冷や汗をかき、またある者たちは飛行機酔いになり、顔面は大理石のような白さになった。
機長は既に、到着が難しいものになることを承知していた。しかし、誰もナーバスにはなっていなかった。なぜならバレンシアからの離陸は静かだったからだ。軽い揺れはあったが、何も深刻なものではなく何のトラブルもなかった。セサルは、何人かのジャーナリストたちに、イングランドでのフットボールの違いを説明したりしていた。
この新しいバレンシアのGKは、レアル・マドリーで一緒だったため最も知己であるモリエンテスの隣に座っていた。他の乗客たちも新聞や雑誌を読み始め、スチュワードたちはお茶をサービスしていた。すべてがノーマルであった。落ち着いていた。
しかしバレンシアからパルマ・デ・マジョルカまでの旅は短い。すぐにダンスが始まった。猛烈な風が飛行機に吹きつけ、全員がそれぞれしていることを忘れた。乗客全員がこの不安な旅に集中し、多くが自分が座っているシートもしくは前のシートをしっかり掴んだ。機内は少しずつ静かになっていった。最初の動揺があっても、まだいくつかユーモアを交えた皮肉めいた言葉も聞こえていた。しかしより悪い状況になると、すべてが異なってきた。セサルとモリエンテスはどちらも深刻な様子になった。モリエンテスは顔色を失ってこうコメントした。「何年もやってきたけど、今回は酷い旅になるかもね…」。一方でセサルは、もっとベテランであるので、顔を上げていた。
飛行機の前方では、ほぼ誰も話をしていなかった。後方では、多くの選手たちが思わず恐怖の叫び声をもらしていた。モレッティやシルバ、他に何人かが苦痛の時を過ごしていた。刻々と事態はより悪くなっていった。そしてエピローグとして、着陸。飛行機が滑走路に近づいたとき、機長は方向を定めるのに大いに苦労していた。突然、大きな音とリバウンドがあって、すべてが飛び跳ね、飛行機が着陸したことがわかった。最後には、神と、我々が着陸するのに責任を果たした人物の技術への感謝。機長は、もし風速があと10km/h強かったら、引き返さざるを得なかっただろうと述べた。着陸は不可能だっただろう。
外には壊滅的な光景が広がっていた。ハリケーンの風は重篤な損害をマジョルカの空港に与えていた。パーキングの周囲にある椰子の木のうち、2本が根こそぎ倒れていた。荷物を運搬する車だけが、風に乗ってすごいスピードで走っていた。ハイウェイを使うホテルへの移動にも、十分な注意が払われた。
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miyoさんからもご紹介があった、バレンシアからマジョルカに向かう飛行機内が地獄絵図だった、というお話です。おかげで……
08/09 Liga Espanola 1a division Jornada 20
Real Mallorca 3-1 Valencia C.F.
マジョルカの得点:フラド(8、42)、マルティ(41=PK)
バレンシアの得点:ビセンテ(72)
GK:グアイタ
DF:ミゲル、アルビオル(48、モレッティ)、マドゥロ(46、バラハ)、デルオルノ
MF:マルチェナ、エドゥ、マタ、シルバ、パブロ(46、ビセンテ)
FW:モリエンテス
録画したものを見直す気力なんてないので、今朝方ネットで見たものだけで感想。
実にひどい試合でした。特に前半。私が一番気になったのは両サイド。ホアキンの代わりに右サイドで出たパブロは、行方不明もいいところ。ミゲルがせっかく上がってきてもサポート的な位置や、パスをもらえるような位置にパブロが見当たらず、どこで何をしていたのかさっぱりわかりません。左サイドでは、デルオルノが攻撃参加するのは良いものの、出すパスやクロスの質が悪く、ボールを相手に取られては守備に間に合わない、という場面が。前目のシルバやマタとも合ってなかった。そしてこの出来のひどい両サイドを、フラドやバレラに突かれる、という展開。フラド良かったなあ。
上手く行っていないのに上がりたがりな両サイドの穴は、当初ピボーテで先発したマルチェナなどが埋めに行っていましたが、ディフェンスラインが簡単に裏を抜かれる場面が散見されました。1失点目はグアイタのミス。止めきれない勢いのボールだったのかもしれませんが、前にこぼしたらダメだ。2失点目は、交わされたアルビオルが相手を掴みに行って倒したところをペナルティの判定。倒したのはエリア外で、となるとペナルティではなかったんじゃないか、と現地では審判がまた問題視されていますが、正直、そんなことはたいした問題ではないと思う。とにかく、ここのところ失点が嵩みすぎです。
後半頭から、パブロとマドゥロを下げ、ビセンテとバラハがIN。マルチェナがディフェンスに下がり、ビセンテが左、シルバが右、マタがトップ下、という感じだったと思います。個人的には、デルオルノを下げてモレッティを入れてくれ、と思っていたのですが、まずはこれでサイドからの攻撃の補強と、最終ラインの建て直しか。と思ったのも束の間、アルビオルが負傷してモレッティと交代。後半3分で、3点ビハインドの状態で、交代カードを使い切る、というこれまた災難の状態になりました。
しかも、後半のわりと早い時間、接触プレイの後にモリエンテスが脚を痛そうにし始め…もう交代枠ないよ。
交代が効いた…とは思いませんが、前半よりはいくらかマシになった感じ。ビセンテがボールを持って突っかけるのが、それなりにアクセントになっていたと思います。でもビセンテ、持ちすぎだし中に入りすぎる感じがする。ゴールが決まったのは良いけれど、無理な位置から怖さのないシュートを打ったり、ドリブルで狭いところに持ち込んで取られたり。点差がある状態では、ちょっとイライラさせられます。
モリエンテスが脚を痛くしたせいか、そういう約束事なのか、モリエンテスが少し下がってボールに触りマタが最前線に飛び出す、という動きが印象に残りました。マタにはビジャっぽい役割を期待したのかな。マタ、こんな試合のわりには良かったです。
で、まあいかんともしがたく敗れたわけですが、なんかなあ……。エメリのローテーションってうまくいかないよなあ。エメリはローテーションで、チームをいじり過ぎる、と思うわけです。いくら同じチームで同じトレーニングをこなしてきていると言っても、11人のうち半分が入れ替われば、同じサッカーを同じレベルでやれ、というのは難しいのではないだろうか。しかもその「半分」は、試合経験が乏しい状態。
この試合では、FW1枚、右サイド、GKがいつもの選手ではない上に、左ラテラル、セントラル、ピボーテ2枚も、いつもと違う構成だった。それはうまくいかない部分も出てくるだろう、と。
「Aチーム」の選手たちの疲労の蓄積とか、「Bチーム」の選手たちにも出番を与えないととか、こんな時こそ普段出ていない選手はモチベーションを上げてがんばるべきだとか、チーム作りをする監督の言い分もあると思います。が、例えばこれまでの試合で、少しずつ「Bチーム」を「Aチーム」に混ぜていくとかしていれば……ま、難しい話です。
記事が見当たらなくなってしまったのですが、マドゥロとモリエンテスがフィジカルの問題を抱えて試合を終えた。モリエンテスは膝の打撲か何かで、試合終了時の最初の診立てでは、深刻な問題ではないだろう、とのこと。経過に注意。
エル・ブランコでした。
月曜日のトレーニング
バレンシアの今日のトレーニングの様子も出たので、ついでに。
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トレーニング開始前、エメリは選手たちに40分間話をしていた。エメリは昨夜の試合後のインタビューで、敗戦の責任は自分にあると認めている。
バレンシアはリーガでここkまで30失点を喫している。木曜に国王杯を控え、このディフェンスの問題を解決することが求められている。
月曜日、全体のトレーニングに加われなかった選手は7人。レナンとアレクシスの負傷者リストにアルビオルが加わり、一方で、ビジャ、ホアキン、シルバ、マドゥロが別メニューで調整した。ホアキンを除く3名は、木曜日の国王杯セビージャ戦に出場可能だろうとのこと。ホアキンはギリギリまで不明。
昨夜の試合で先発した選手は、パブロを除いて、リカバリートレーニング。それ以外の選手は負荷を上げたトレーニング。明日は休養で、水曜日に、セビージャに発つ前の非公開トレーニングを実施する予定。
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とのことです。別メリストにモリエンテスの名前がないのは、昨夜の負傷は問題なかったとみて良いでしょうか。もしかしたら忘れられただけかもしれないけど。