ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

またいつか、屋根の上で会おう。その二。

2013-01-23 05:49:58 | Weblog

生まれて初めて、ニッカボッカを履いた。さらに、生まれて初めて、地下足袋を履いた。もうそれだけで、一端の職人チックな気分になる。

その友達が、親方になるわけだ。ブログの中では相方と書いていたが、正真正銘の親方なのだ。
中学を卒業してから修行に入り、この道20年。瓦屋一筋、立派なやつなのだ。

がしかし、この世は世知辛い。板金、コロニアル、シングルアスファルト。地震で崩れる瓦屋根なんて・・・と敬遠される。崩壊寸前の日本の伝統瓦の文化。
瓦屋では食べてはいけない状況に陥り、アルバイトへ出掛けたところで、おれと出会った。

屋根の上の特徴は・・・平ではないこと。屋根の上は平地ではない。屋根には勾配がついている。
つまり、常に足首がどこかしら方面へと曲がっている。これが辛かった。最初の一ヶ月はキツかった。
身体の背面全部。ふくらはぎ、裏腿、臀部、腰、背中・・・。使ったことのない筋肉が、立っているだけなのにフル活動をするというわけ。午後になると、足がプルプルと震え出すなんてのは日常茶飯。
慣れるとね、平地より屋根の上の方がいいね・・・などと語り合いはしたけどね。

つづく。

またいつか、屋根の上で会おう。その一。

2013-01-23 05:45:06 | Weblog

瓦屋さんのお話。
僕は一年半の間、瓦屋さんだった。瓦屋さん見習い、ではない。瓦屋さん手伝い、だ。

約一年半前。つまり一昨年の四月の終わり頃、友達から電話がかかってきた。
友達といっても、昔からのでもなく、最近よく遊ぶでもなく、どちらかと言うと、ただの知り合い、的な友達だ。
前の前の職場で、短い期間だが一緒に仕事をした。ただそれだけ。電話番号を交換していたのは、そいつもバイクに乗っていたから。たぶん、そんなところだ。

やつは言う。

「知り合いでフラフラしている人はいないかな?震災で人手が要るんだよね。」

よく考えて欲しい。自分の周りに目を配って考えて欲しい。知り合いの中にフラフラ遊んでいるようなやつがいるか?・・・普通はいない。

が、居た。おれだ。電話を受けた当の本人がフラフラしているやつだった。

職人なんて・・・面白そうじゃん。

「高い所は大丈夫?屋根の上に立てる?」

そんなものは、やってみなくてはわからないだろう?