
生まれて初めて、ニッカボッカを履いた。さらに、生まれて初めて、地下足袋を履いた。もうそれだけで、一端の職人チックな気分になる。
その友達が、親方になるわけだ。ブログの中では相方と書いていたが、正真正銘の親方なのだ。
中学を卒業してから修行に入り、この道20年。瓦屋一筋、立派なやつなのだ。
がしかし、この世は世知辛い。板金、コロニアル、シングルアスファルト。地震で崩れる瓦屋根なんて・・・と敬遠される。崩壊寸前の日本の伝統瓦の文化。
瓦屋では食べてはいけない状況に陥り、アルバイトへ出掛けたところで、おれと出会った。
屋根の上の特徴は・・・平ではないこと。屋根の上は平地ではない。屋根には勾配がついている。
つまり、常に足首がどこかしら方面へと曲がっている。これが辛かった。最初の一ヶ月はキツかった。
身体の背面全部。ふくらはぎ、裏腿、臀部、腰、背中・・・。使ったことのない筋肉が、立っているだけなのにフル活動をするというわけ。午後になると、足がプルプルと震え出すなんてのは日常茶飯。
慣れるとね、平地より屋根の上の方がいいね・・・などと語り合いはしたけどね。
つづく。