ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

初恋。

2013-05-13 18:48:55 | Weblog

僕はね、京都で一番好きな場所はどこだい?と聞かれたら、「泉涌寺」と答えるんだ。

今日は泉涌寺に行ってきた。

新緑のまばゆい庭園を、しばし眺める。人はいない。ほとんどいない。静かなひと時だ。

ふと隣に老齢の夫婦らしき二人が現れた。二人の会話が漏れ聞こえてきた。
最初に断っておくが、盗み聞きをしたわけではない。自然の中に溢れ出ている音の様に、耳に入って来た言葉である。

「綺麗ですねぇ・・・」
「そうですねぇ・・・」
少し間を空けて。もう一度。

「素敵ですねぇ・・・」
「本当に素敵ですねぇ・・・」
間を空けて、さらにもう一度。

「綺麗ですねぇ・・・」
「・・・本当に・・・」

また少し間を空けたあとで、女性の方がこうつぶやく。
「こんな二人で出掛けるなんて・・・デートみたいな・・・。」

「五十年なんて、すごく長いけれど・・・何もなかったような気もしますね・・・」
「本当にそうですね・・・」

会話の端々しか聞こえなかったが、この老齢の男女は夫婦ではなかったようだ。お互いに敬語で話していたということもある。二人の間に、少し距離感のようなものが存在していたような気もする。
僕が想うに、僕が想像するに・・・

この男女は、50年ぶりにここで会ったような気がする。六十代後半の二人。二人が最後に会ったのは十代半ばから後半。その時の二人に何があったのか知る由もないが、二人は手すら繋いだ事がなかったのだろう。それでも、二人の間には淡い恋心があったはずである。
お互いに想い合っていても、結実しない恋などいくらでもある。もしかしたら、そういう時代だったのかもしれない。
それぞれの人生に50年という長い長い歳月が流れた。
それぞれの想いを忘れずに抱えたまま、50年という長い長い歳月が流れた。

何か、運命の糸みたいなものがまた二人を巡り合わせた。
例えば・・・かのマークザッカーバーグが考え出した、あのシステムのようなものか?

これからの二人がどんな運命をたどっていくのか・・・それは、誰も知る由もない。

僕が言いたいのはただ一つ。50年振りの再会の場所に泉涌寺の庭園を選んだことが、何よりも素晴らしいってこと。

今日、この世界で、一番素敵だった二人に・・・乾杯。

実際・・・帰り道の参道で、ちょっと泣いたよ。

スーパーパワースポット。

2013-05-13 00:42:10 | Weblog

鞍馬寺は、ちょっと変わったお寺だ。宇宙信仰というかなんというか・・・他のお寺とは少し違う。月と太陽と大地の神、そのそれぞれを三身一体とした宇宙を司る尊天という存在を祀っている。そんな感じ。

そんな鞍馬寺にはスーパースペシャルなパワースポットがある。本殿の前の地面に大きな円があり、その中心に六芒星が描いてある。そのまた中心に三角形。ここが一番のパワースポット。

一説によると、そこに立つと宇宙と交信が出来るという。

そもそも、宇宙と交信が出来るとはどういうことか?そこに大きな問題があるとは想うのだが・・・。ピピピピピコピコピーンという宇宙人からのメッセージが聴こえるとか?そこに大きな問題があるとは想うのだがね。

相当に人気のあるパワースポットであるからにして、普段は順番待ちの長い列が出来るらしい。
幸い今日は、日曜日なのに鞍馬寺の人出は少なかった。順番待ちのをすることもなく、いざ、パワースポットの真ん中へ。

パワースポットの真ん中に立ち、目を閉じる。全身の力を抜き、自分を無の状態に近づけてみる。やり方は人それぞれなのだろうが、僕の場合のイメージはそんな感じだ。

宇宙の真理とは、僕が想うに・・・ここで言う宇宙とは、科学的な宇宙を指すものではないように想う。宇宙とは、あるがままの世界。その世界の全て。こねくり回して変化していくものではなくて、普遍の存在。果たして、その真理とは・・・。

僕は、少し手を広げて、心の中でこうつぶやいた。「風よ吹け」。
僕の首筋を、風がゆるやかに撫でていく。ほら・・・風が吹いた。
僕は心の中でこうつぶやいてみる。「太陽よ、照りつけろ」。
目を閉じたまま空を見上げた僕の顔を、太陽がジリジリと焼き付けた。ほら・・・陽射しが少し強くなった。

少し嬉しくなって、こう願ってみる。
「風よ吹け吹け。もっと吹け。」
目を閉じたまま少し手を広げて手のひらを風に向ける。そよそよと吹く風が、少しずつ強くなり始める。全身が、腕が、広げた手のひらが風を受けて風に靡く。

「あぁ・・・このまま空を飛べそうだ。このまま風を強めていけば、きっと空を飛べる。」

・・・

まぁね、僕の宇宙との交信は、ざっとこんな感じだった。
後ろで待っている人がいたから、その場での飛行は控えてあげたけど。誰もいなかったら・・・飛んでたかもね。

そんなわけで、交信が出来たかどうかは別として、空を飛べる場所を発見出来たこと・・・それが、今日一番の僕の発見だった・・・という話。