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親父さん。田中米穀店の親父さん。ライダーハウスボーダーを立ち上げた田中米穀店の三男坊の親父さん。
親父さんが、亡き息子の意志を引き継いだ。
テンペルとタットルの村を出て、田中米穀店を目指す。峠を三つ越え、宇治を抜け、観月橋、京都駅、西本願寺、二条城・・・。お昼前にボーダーにたどり着いた。駐輪する場所が分からずに、店の前にバイクを止めると、店から出て来た親父さんが手招きをする。
店の脇を抜けると、奥に広い駐輪スペース。駐輪スペースの目の前がライダー部屋。10人くらいは泊まれるそうだ。小さいながら、女性部屋もある。
親父さんが色々と説明をしてくれる。説明してくれるのは、ライダーハウスの利用規定のようなもの・・・ではない。昨日までは
どんな人が泊まっていただとか、今日はどんな人が一緒に泊まるだとか、最近のお寺は拝観料が高過ぎて、坊主丸儲けとはよく言ったもんだという話だとか、何百万円もするハーレーに乗って1000円の宿に泊まりに来る理解不能のライダー心理の話だとか、亡き息子の良き友人の話だとか、息子が乗っていた愛車カタナの話だとか・・・である。
ライダーにも色々いる。人間だから当たり前の話だ。良き人もいれば、そうでもない人たちもいる。
親父さん、きっと、大変だったろうと想う。米屋だから、客商売だから、人間を相手にすることには慣れていたのだろうけど・・・ライダーという特異な人間たちの相手を、一身に引き受けて来たのだから。
これが、いい親父さんなんだな。なんというか・・・フランクというか・・・。
近くにある銭湯や、ラーメン屋や洋食屋、飲み屋の説明をしてくれた。
「ここは夜中までやってるから」みたいな事を言うので・・・
「あっ、でも、ここの門限は9時ですよね?」と聞いてみた。
「そんなもん、関係あらしまへんがな!」
そうなんだよ。そういう、いい親父さんなんだよ。