中学の修学旅行は、お決まりの京都奈良。新京極通で買い物をして、他校の生徒とガンの付け合い飛ばし合い。それもまたお決まり。なんなんだろうか?男ってバカだ。
うちのクラスのバスガイドさんは、新人の飛び切りの美人。いや、ほんとに。いや、もう、修学旅行の思い出ってたら、それしか覚えていないもの。
で、他のクラスのバスガイドさんは、かなりベテランの域に入られたお方々。
普通はね、大人になるとね、こう変わっていくんだよ。右も左も分からない新人のバスガイドにガイドされるなんて・・・せっかくの旅行が台無しだよ!とね。やっぱりガイドは百戦錬磨のベテランじゃないとね!だね。
がしかし、中坊は違うよな。もうあれよ。他のクラスの連中に対して鼻高々よ。バカ男子よ。「おい、勝手にうちのバスガイドを見てんじゃねーよ!」状態よ。もう、クラス中のバカ男子が、俺の女、いいオンナだろ?状態よ。バカ男子、全員浮かれちゃってね、クラスの女子は嫉妬に狂って発狂よ。いや、嘘。女子は幼き頃から大人なんだね。嫉妬に狂わずに呆れるというやつね。
いやぁ、ほんとに・・・男って、幼き頃からバカなのね。もうバカが染み付いちゃってるんだね。
なんて話は、今日の話とは全然関係ない。カンケーない。
中坊の時に雪を被った三十三間堂に行ったなぁ・・・と思い出しただけ。
タオさんが勧めてくれた三十三間堂。「すごかったよぉ!すごいから行ってみな!」。タオさんはそう言っていた。
まぁ、でかいよね。どでかい。中には1000体の千手観音像があるんだよ。まぁ、まぁ、圧巻だね。ほとんどが国の重要文化財よ。風神雷神とか。運慶作の像とか。
三十三間堂ね、車とかバイクで行くとね、駐車場が無料の代わりに、拝観時間は40分以内と決められているの。
はい、わかりました。と言って入ってみたものの・・・40分じゃ無理だよ。小走りで観ないと無理だね。
中学の時も40分だったのかもな。だから・・・バスガイドさんのことしか覚えていないのかもね。
千手観音ってのはね、たくさんある手に、色々なモノを持っているわけ。その手の中に未来を暗示する手ってのがあったりするんだよ。
この像が造られたのは鎌倉時代。ざっと800年前だね。
僕の前を歩いていた、修学旅行生のお付きのタクシーの運転手が説明しているのが聞こえたんだけどね。
「ほら、見える?ねっ?見えたでしょ?鎌倉時代に今の時代を予見していたのかしらね?」
生徒の反応。
「きゃー!」「まぢで!?」「こわーい!」「すごーい!」などなど。
彼らが去った後、彼らが居た場所へ行ってみる。何をキャーキャー言っていたんだ?気になる気になる。
未来を予見とかなんとか言っていたな。手に何かを持っていると言っていたな。なんだなんだ?どこだどこだ?
何しろ、おびただしい数の千手観音である。そして、千手観音には手がたくさんあるのだよ。
彼らが覗き込んでいた場所を重点的に、探す。探す。捜す。
あった。見つけた。「ゾワっ」とした。
信じられないモノが、800年前に造られた千手観音像の手に握られていた。・・・iPhone。・・・スティーブジョブスもびっくりなのである。
まぁ、iPhoneは言い過ぎたな。正確には、携帯電話。800年前の千手観音像は、携帯電話にしか見えないボタン付きの四角い物体を握りしめていたのだよ。
三十三間堂に行く人は、ぜひ、探して欲しい。入り口から入って千手観音像の前を歩き歩き歩き、最後の縦の列の真ん中辺り。ちょうど横から覗き込める位置に、iPhoneが確認できるはず。
出口に売店があってね。ちょっと探し物。
ゆうべ、タオさんが首からぶら下げていた物体。タオさん曰く、「元気が出るお守りだって。つい買っちゃったよ」。
おれも、つい買っちゃいたい。そして、つい買っちゃった。あはは、お揃い。
数日前に載せた記事、焼き物の話の時に載せた写真の左下。元気が出るお守りが写ってます。
元気が出たかって?・・・愚問だね。
元気、出まくりだぜ!