
日本海に沈む夕陽は綺麗だ。日没とともに染まる空も綺麗だ。この瞬間は、なにものにもかえ難い。
高名なお坊さんが、海難事故で亡くなった漁師さん達のために、五年の月日をかけて、岩に彫刻を施した。十六羅漢という名勝で、夕陽が沈むのを待った。
16人いるはずの羅漢。9人しか見つけられなかった。
あと一人足りないとかなら良くある話だけど、7人足りないって・・・ちょっと怖い。
明日は雨が降るのかとか、雨が降ったらどうしようとか・・・別にどうでもいいって気がする。
この世界には、自分の力ではどうにも出来ないことご多すぎる。
僕らはちっぽけ過ぎるほどに、ちっぽけなんだ。
ちっぽけな頭で未来を悩み憂うより、ちっぽけな頭で、現実の瞬間に立ち向かう方が、なんとなく得策のような、そんな気がするんだな。うん、僕は。
明日という日を待ちわびながら、そろそろ僕は眠ります、

