ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

#5 僕はこうして人生を学んで来た。多くの仲間たちのお陰である。

2017-09-01 13:38:19 | Weblog
五曲目。「Bye Bye Buddy」(trash box jamのアルバム Balladに収録)。

僕は、すごい勢いでバイクを飛ばしていた。必死の形相である。バイクはHONDAの250cc、単気筒のクラブマン。ドコドコドコとエンジンを震わせて走っていた。

なぜ必死の形相でバイクを走らせていたのか?
その訳を書く。

まず余談から。
清水薫と出会ったのは二十歳か二十一歳の頃。
清水薫の簡単な経歴を。
清水薫は高校を中退していた。高校を中退して、音楽を目指し小さなメジャーレコード会社と契約をするに至った。至ったのだが、音楽の方向性でレコード会社と揉め、レコード会社と袂を分かってしまった。まだまだヤンチャな十代の頃の話である。

僕は言う。
「なぁ、カオル、おまえは尾崎みたいだな」

尾崎とは、尾崎豊のことである。

僕は尾崎豊が好きだったから、尾崎みたいでかっこいいな、という意味である。

「尾崎みたいって言われるの、好きじゃねーんだよ」

清水薫は少しプンプンしながら答える。

・・・。

だって、尾崎みたいじゃん!中退してるし!中退してレコードと契約してるし!何より、おまえが書く曲の歌詞、尾崎みたいじゃん!

と言いたかったが、そこはぐっと抑えた。

ここまで余談。


4トラックのレコーディングについては前に書いた。
アマチュアってのは、みんな4トラックでレコーディングしていたという話は書いた。
だがそれは、自分で録音をする場合という注意書きが必要となる。

レコーディングスタジオというものがある。
練習スタジオではなく、録音を専門に行うスタジオである。ここに行けば、4トラックに縛られることはない。16トラックの録音が行える。そう、金さえ払えば。一曲10万円くらい払えばね。

憧れのレコーディングスタジオ・・・なのである。

さて、僕らのバンド、ビッグバン。

レコーディングをしようという話になった。格安レコーディングスタジオというのを誰かが見つけて来た。6時間で4万円。
そこそこのレコーディングスタジオの相場は1時間2万円くらい。つまり、6時間で4万円は格安なのである。
6時間あれば一曲録れる。録れる思われる。録れるはずである。

レコーディングをすることが決まり、日付も決まった。
一つ問題がある。曲である。何をレコーディングするかということである。一曲しか録れない。
ビッグバンには二人のソングメーカーアンドボーカルがいる。清水薫と僕である。

さて。

清水薫が言う。

「シング、わりーんだけどよ、今回レコーディングする曲はオレの曲にしたい。いいか?」

僕は僕で、自分の曲にしたいという気持ちがないわけではない。だがしかし、こういう時は、何しろ、我の強い方が勝つと決まっているのである。
うまり、バンドのメンバーの意見とか、民主主義とか、投票しまーすとか、そういうのは・・・ない。とにかく、我が強いやつが勝つ。

そんなわけで、レコーディングをする曲は、清水薫の「Life is true」という曲に決まった。

つづく。