ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

オトナの事情によりまして。

2017-09-14 04:41:56 | Weblog
夏のライブが終わったら旅に出る。
それが普通。僕のルーティン。

今日は9月の14日。
今頃は、北海道にいる。明後日は根室のサンマ祭だ。来週末は、羅臼の漁火祭だ。

つまり、今日のブログには「今、帯広の六花亭でサクサクパイを食べています」とか書いているはずだ・・・ということを言いたい。

旅に出る気は満々である。

荷物を留める新しいストラップも買ったし、荷物に被せる新しいネットも買ったし。準備は万端である。

今年は、キタさんが滞在している羅臼に長逗留して、久しぶりにパークゴルフでもしようかと思っている。
久しぶりに礼文島に渡って、一週間くらい何もせずに過ごそうかと思っている。計画も万全である。

今年は久しぶりにこーかたにーさんが北海道を周っている。秘湯巡りに連れて行ってもらおうと画策していたりもする。
コデラーマンが仕事を辞めて放浪するらしいから、ちょっと遊んであげてもいいかなぁ・・・と思っていたりもする。

早く行かねばならない。なぜならば、早く行かねば北海道に雪が降ってしまう。雪が降る前に、行かねば。

僕の愛車シャドウちゃんが聞いてくる。
「いつ出発するんだよ?」


僕は、黙ったまま、畑の片隅にかがみこんで玉ねぎの種を播いている。5000粒くらい播いている。

「まだ行けないんだ・・・」

「今年は行けない・・・かもしれない」

「間に合わない・・・かもしれない」


あぁ・・・旅に出られないなんて、なんてつまらない人生だ。
なんて退屈な人生だ。あぁぁぁ。
闇だ!こんな人生は闇だ。あぁぁぁ。

とかなんとか言っちゃって。

さて、今すべきことをしなくちゃね。
今出来ることを、しなくちゃね。
楽しくないなら、楽しくなる方法を探さないとね。
退屈なんて塗りつぶせ。
ここが闇ならば駆け抜けろ。
人生は一度きり。
時計はチクタクチクタク動いてる。

とかなんとか言っちゃって。

#8 ねぇ、僕のすごいところはどこ?ねぇ、どこ?ねぇ・・・。

2017-09-14 04:04:50 | Weblog
八曲目。「太陽の子供たち」(singのアルバム 99 Generationに収録)。

リクエストが多いわりに、ほとんど歌わない曲。それが、太陽の子供たち。
なぜならば、キーが高い。高すぎる。高すぎて、脳の血管が切れそうになる。
なんでこんなに高いキーに設定したのか?それは、Bメロの転調を弾きやすいコードにしたかったのではないかと、想う。
今回はキーを下げた。相当下げた。下げたら、歌える。下げりゃいいんだよ、下げりゃ。

という、どうでもいいことを書きながら・・・。


僕の人生のテーマは、きっと・・・「すごい人を探す」・・・なのではないか・・・と、想う。
すごい人に出逢うために生きている。
すごい人に出逢うために旅をする。

・・・すごい人に、逢いたい・・・。

心が・・・サワサワと騒ぐ。


22歳の頃に戻る。
DBの話。

隣の部屋に住むDB。
DBは四年生。僕は三年生。
DBは真面目な四年生なので、ほとんど大学へは行かなくて良い。アルバイトをしながら就職活動。
僕は二回目の三年生。失われた二年間を取り戻すべく、普通の三年生よりも多めに大学へ通わなければならないのである。
不公平だ、と僕は思ったりする。二年間サボっていたくせに、そんなことは棚に上げて、不公平だと思ったりしている。22歳だから。

相変わらず僕たちはDBの部屋で毎晩のように語り合っている。

DBが珈琲を淹れてくれる。
僕は一口すすり・・・
「今日はキリマンジャロだね?」と言ったりする。
DBは自分のカップの珈琲をすすりながら、「残念。今日はモカだよ」と言ったりする。
「なるほど、モカか。酸味が強いという意味では遠からずだな。・・・モカね」とブツブツ言ったりしている。

ある夜、DBが僕に言った。

「おれさ、シングじゃないかと想うんだ」

なにが?

「すごい人ってのは、シングのことじゃないかと想うんだよ」

何はともあれ、22歳っていうのは・・・いい響きだ。


DBは大学に入るにあたって福島から上京して来た。
高校の先生が卒業する時に、福島を離れるDBにこう言った。

「すごい奴を探せ。世の中にはすごい奴がたくさんいる。すごい奴を探せ。すごい奴を見つけろ。すごい奴に出逢え。それがお前の人生の糧になる」


DBは、先生が言うそのすごい奴が僕じゃないかと言い出した。

なんで?どうして?
と、僕はDBに聞いた。

「だってさ、シングには夢があるだろ?音楽で食っていくんだろ?」

うん?・・・でも、そういう奴って、世の中にはごまんといるだろ・・・いすぎるくらいにいるだろ?。ほかには?ほかには?

「だってさ、シングはさ、試験を受けに来たのに、試験を受けずにケヤキ広場のベンチで眠ってたりするだろ?」

ねぇ、ねぇ、そういう阿呆代表みたいな話じゃなくて、もっといい話、もっといい話、おれのすごいところ、ないの?

「とにかく、おれは、シングはすごい奴だと想う」

・・・ほかに・・・ないの?・・・ないんだ。


きっと、僕という人間は、たくさんの人の「好意」によって出来上がって来たのだと想う。


僕がまったくちっともすごいヤツではなかったのはいいとして。
僕の人生のテーマは、ここから始まったということだ。


その後、DBがすごい奴を探したのか、見つけたのか、出逢えたのかはわからない。

僕の心の中には、その時のDBの言葉がいつもある。つまりDBの先生の言葉がいつもある。
「すごいヤツを探せ!」

僕はいつもアンテナを張り巡らせている。
「すごいヤツはいないか?すごいヤツはどこにいる?キミか?お前か?アイツか?どいつだ?」

僕は、幸運なことに、たくさんのすごい人に出逢った。たくさんのすごいヤツに出逢えた。
でも、もっと・・・もっと、もっと。

人生は・・・面白い。

いつか、僕も、すごいヤツになりたい・・・という気もしなくはないが・・・なれなくてもいいかな。

なぜならば、僕がスゴクなろうがなるまいが、人生は、このうえなく面白いから。

そんなわけでさ、DBという人間・・・
僕の恩人なのである。

DB、元気か