ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

#12 その場所から抜け出すのは、そんなに難しいことじゃない。心がそう望めばね。

2017-09-21 06:22:39 | Weblog
十二曲目。「カナリアワーフ」(singのアルバム Heart And Soulに収録)。

誰だって疲れてしまう。
時々、疲れてしまう。
気を張っていると疲れてしまう。
ポッカリと空いた心の穴をすきま風がピューっと吹き抜ける。
頑張っている人は疲れてしまうが、大して頑張っていなくても疲れてしまう。
不思議なものだ。結局、いつだって、時々疲れてしまう。

きっとそれは、人生がそういうものだから、なのかもしれない。

そういう時は、何もかも捨て去って、大きな空に包まれて、大いなる風に吹かれて、自分のちっぽけさを思い知るほかない。
自分のちっぽけさを思い知って、少しだけ心が軽くなった気がしたら、また道の続きを、歩み始めるしかない。

きっとそれは、人生がそういう風にできているから、なのかもしれない。


ロンドン郊外。地下鉄を何度か乗り継いでカナリーワーワーフという駅で降りる。
地上へ出ると、目の前にテムズ河の流れが見える。
レンガの倉庫群の間を抜け、河のほとりへ出る。少し風が強い。ロンドンらしく、空はどんよりと曇っている。
ちょっとした座れる場所ってやつを探して腰を下ろして頬杖をついてみる。

「強くなったなぁ」と僕は思った。
三ヶ月の旅が終わる。
あてどもなく、ヨーロッパを旅して回った。アフリカへも足をのばせた。
毎日が戦いだったような気がする。生きるってのは容易いことじゃない。
でも、毎日が夢だったような気もする。生きるってのは、奇跡の連続だ。

「強くなったなぁ」と僕は想った。
三ヶ月の旅をして、僕はまだ少しも帰りたくはない。できることならこのまま、いくらでも旅の中に身を置いていたい。戦いの中にいたい。夢の中にいたい。

でも、「少し疲れたなぁ」と僕は想った。
今日は戦いの中からも夢の中からも抜け出して、何もない場所で何もせずに過ごそうと想う。

芝生に寝転ぶと気持ちがいい。
26歳の秋。
心を少し軽くして、僕はまた歩き出す。


「Canary Wharf」

暮れていく街並みには 歌声が響いていた
君の髪を揺らす風が ビルの谷間に消えてく

僕は寄り添う影が重なる愛しさと
約束だけを抱きしめて

カナリアワーフの黄昏と煉瓦の壁にもたれて
薔薇の蕾を君は抱きしめて
ムーンライト影に立てかけた震える方を抱き寄せて
こんなに君を愛してるから

探してた君がこんなにそばにいる
Hold me tight, I sing a song for you
君へのラブソング


流れ行く時の中で 誰もが汚れてくけど
hey baby face 世界の中僕らがいて
今夜も回るよmerry go-round

全てをかけて誓った夢と
君の優しさを抱えて

Georgia Cafeの木漏れ日と時の流れに揺れたまま
いつものように笑ってみせて
Holland Parkに咲く花が君の肩に触れてるよ
こんなに君を愛してるから

探してた君がこんなにそばにいる
Hold me tight, I sing a song for you
そう君がラブソング


風に揺れてる寂しげな Brown Eyes
傷つくことを恐がらないでよ try & try
oh lonely nights would be happy days
虹の出る丘までいこうよ