閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

コントロールとは何か

2019-06-12 10:55:56 | 閃き
経済的に破綻してしまう人がいる

原因は様々あるだろうが、ある程度の収入があるにも関わらず破綻してしまうのは何故だろうか?


近親者の奥様が財布を握っていたのだが、夫婦共働きなのに毎月やりくりに苦慮しているという

年2回の賞与で何とか帳尻を合わせているが、賞与が支給されなかった場合の事を考えると恐ろしくなると夫は私に話した

そんなご主人の定年もまじかに迫っている事もあって、思い切って財布を半分に分けることにしたという

現在、定年を目の前にしているとはいえ、現役世代であるので夫婦の収入を合わせると可成りの金額になっている筈だ

ご主人は財布の中身を知って自らやりくりを行う事を決意したのは、定年後に収入が減った途端破綻することが判ったからだという

長年勤めた成果として得られる退職金が一瞬に消え去る光景が目に浮かんだそうだ


家計を分析し収入に応じて家のローンなど支払うべき費用を明確化して夫婦それぞれ分担することにした

暫くすると、ご主人に奥様から資金提供の要請があったという

何故だと問うと、あれこれ理由を並べたてたので、一括して拒否したという

その理由は奥様がキャッシングをしていたことが判明したからだという


食費や医療、光熱費や租税は絶対に必要なお金である

購入した途端に先の支払いが発生している

おそらく、奥様は目の前のお金のやりくりをしていて、お金が回ればそれでよいと考えていたに違いない

それでは貯金は出来ないし、破綻する日も近いだろう

高齢になれば思わぬご不幸もあるだろうし、可愛い孫に何か買ってよりたい気持ちも強くなるが、それは現実を良く見た上の話である

慶弔がある場合は、香典やお供えに加えて交通費や場合によっては宿泊費も必要になる

そんな時の備えはあるだろうか?


長期連休で返ってくる子供や孫に美味しいものを食べさせたいと考えるのは当然だが、毎月の消費を超えた金額はどうやって支払うのだろうか?

当然、一般的には貯えがあり、その中で臨時の支出を補うのが一般的である

定年しても使い切れない収入がある人は、今回はお引き取り願いたい

やりくりとは、収入に対して支出を意思を以て制御する事であり、この意思を持った制御をコントロールというのである

残念ながら奥様のやりくりはコントロールではないのだ

目の前にあるお金を足りない所にもっていって埋める行為が身についてしまっているから、ついキャッシングやサラ金に手が出てしまうのである


ご主人は奥様の方法が正しくない事を教えるために、あえて財布を分けたと話してくれた

奥様の少ない収入のやりくりは、今までと違ってとても狭い範囲の制御である筈だが、以前のやり方が身に付いているので、金使いが淡くなっているのを気付かない

たちまち資金不足に陥り、ついキャシングに手を出してしまった

来月からキャッシングの返済が始まるから益々苦しくなってゆくのは明らかである


ここからはご夫婦の問題なので立ち入ることが出来ないが、どうすればよかったのだろうか?

結論で言えば、ご主人がお財布を握っていた方が幸せだったという事だと思う

多くはこの逆で、浪費癖のご主人としっかり者の奥様というケースが多いのだが、この夫婦のように収入の多さが仇になったのかもしれない

奥様もやがて定年を迎えるだろうが、自分の始末の悪さを自覚できれば別に暮らすとは言わないだろう

夫婦にはコントロールが必要だから、意思のある行動でなければならない