正月も三が日をすぎると、もっとも近い行事として七草粥のことが話題に上り始めます。
しかし、現在では、スパーマーケットで販売されている七草セットを買わなければ具材を揃えられない時代になっているようです。
そんな中、
「七草ってなんだっけ?」
といった言葉まで飛んできます。
七草粥に使われる七草とは、春の七草のことです。
春の七草とは次の7種の野菜、野草のことです。子供のころに親や学校の教師によって暗記させられたものです。
・せり(芹)
・なずな(薺:ペンペン草)
・ごぎょう(御形 ははこぐさ=母子草)
・はこべら(繁縷 はこべ)
・ほとけのざ(仏の座 こおのたびらこ=小鬼田平子)
・すずな(菘 かぶ=蕪)
・すずしろ(蘿蔔 だいこん=大根)
このうち芹と蕪と大根は普段から野菜としての親しみはありますが、他の4種についてはよくわかりません。いってみれば野草であり、好んで食べるということもないのではないでしょうか。
わが国では古くから、正月の15日に七草粥を食せば邪気を祓うことができると考えられていました。その後七草粥は正月七日に食すものと変ってきました。
七草粥には旧暦の正月(現在の1月~2月初旬ころ)に採れる野菜を入れていましたが、その種類には諸説あり、上述した現在の種類は、1362年頃に四辻善成によって書かれた『河海抄(かかいしょう)』(源氏物語の注釈書)に「芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろ、これぞ七種」が初見され、これが定着したものと考えられています。
≪四辻善成について≫
嘉暦元年(1326年)~応永9年9月3日(1402年9月29日) 南北朝時代から室町時代前期にかけての公家・学者・歌人。
順徳天皇の曽孫。尊雅王の子。
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